所属する”山の会”への(感想文という名の)報告書をちょっとだけ修正してUP(コピペ)します
ブログ用に書き直すのは面倒なので・・・
ただかなり長い、B5用紙6枚分
山行日:7月8日(木)~10日(土)
山行者:UMA (単独)
コースタイム:
一日目 石徹白登山口7:10…銚子ヶ峰9:35…三ノ峰避難小屋12:12…
別山14:27…南竜山荘16:33…南竜野営場16:56 (晴れ一時雨)
二日目 南竜野営場5:55…室堂7:11…御前峰7:58…室堂8:22…
南竜野営場9:20 (曇りのち雨)
三日目 南竜野営場6:30…別山8:39…三ノ峰避難小屋9:50…
銚子ヶ峰11:54…石徹白登山口13:30 (霧のち晴れ)
南縦走路は去年も挑んだが天候不良のため母御石で敗退、
苦い思い出となった。今回はそのリベンジといったところ。
梅雨の間だが直前の天気予報では3日程天候が持ちそうなので計画した。
①一日目、朝七時過ぎに石徹白登山口に着く、天気は上々。
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登山口をくぐると石徹白大杉までは長い石の階段、いきなりやんなっちゃう。
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枯れかかっているように見える大杉からは登山道らしくなる。
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おたけり坂が最初の難所?これを過ぎるとザックの重荷にも少し慣れた感じがして楽になる。
神鳩ノ宮避難小屋までもう少しのところで左手に銚子ヶ峰が見えてくる。
まあるい母御石を過ぎると銚子ヶ峰だ。
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銚子ヶ峰からは一~三ノ峰とその奥にかっこいい形の別山が見える。
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銚子ヶ峰から先、別山までの大きな登ったり下ったりは見るからに大変そうである。
やっぱりというか、銚子ヶ峰から三ノ峰までの大きな登ったり下ったりは納得できないというか、
山がそういう風に連なっているから仕方がないんだけど、
一ノ峰から三ノ峰までは登山者に与えられた試練のような気がした。
三ノ峰避難小屋まであとちょっとのところで雪渓が現れた。
冷凍庫から出したてのかき氷状態で表面が濡れていて滑りやすい、
ステップも作りにくかったので巻くことにした。
三ノ峰避難小屋からだと丘のように見える三ノ峰の頂まで来ると、
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(いつかは泊ってみたい!?立派な三ノ峰避難小屋)
真正面に別山、その左側に白山が見える。
白山はまだまだ雪が残っていて山頂付近は雲に覆われていてよく見えない。
そうなってくると、目の前にはっきりと見える別山の方が主役に見えてくるから不思議である。
別山平は天空草原という感じ、まだまだお花畑にはちょっと早く華やかな色のお花はあまり咲いていない、
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ニッコウキスゲのような黄色い花が一面だったら顔まで明るくなりそうである。
草原の中にある御手洗池には別山を逆さに写していた。
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これぞ逆さ富士ならぬ逆さ別山、綺麗さと物珍しさにしばし見とれた。
石垣で囲まれた別山神社を過ぎると別山山頂。
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去年平瀬から登った時に見えた別山、あのかっこいい山に登るぞと
思ってようやく登れた別山、しばし感慨にふけった。
西から雲が勢いよく流れてくるようになった。
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完全に雲の中に入っては道が見にくくなると思い写真を撮ったら南竜へと足を進めた。
しばらく歩いてふと後ろを振り返ったら別山頂あたりはすでに雲の中だった。
幾つかの小ピークを越えて2256ピークから一気に下る。
この下りの途中と、沢に下りてから南竜への登り返しに雪渓が一ヶ所ずつ。
下りは200mくらいあったか長めで、沢からの登り返しはクラストしていてステップが付けられなかった。
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どちらも安全のためアイゼンを装着して通過した。
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(重いけど、持ってきて正解)
南竜手前で天気予報通り?一時雨でぱらぱらとお湿り程度、
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南竜山荘で野営場の手続きを済ませ冷え冷えのビールを買って野営場へ。
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(南竜山荘の玄関?前の売店)
テントを設営し、ビールを飲みながら夕食を食べそして横になった。
いつもより早い時間に寝ても結局寝つけずに暫く経って起きる。
あたりはもう闇の中、夜9時半頃。
外の様子はどんなもんかテントから顔を出してみた。
空に目を向けると満天の空、目が慣れてくるとどんどん星の数が増えていった。
テントから出て星を眺める、最初は細長い雲かな?と思っていたものは実は天の川だった。
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多分生まれて初めて見る天の川、ほんとうに川のように南からやや東寄りに天上を通り北へと続いている。
星の数もホント凄い、プラネタリウムに居るみたいだ。
そんな風にいうと風情がないかもしれないが、
これほどの星も天の川も子供の頃に行ったプラネタリウムでしか見たことがないからだ。
一眼レフと三脚を持ってきていたのでバルブ撮影をしてみる。
天の川にレンズを向け、モニタで撮った写真を確認し天の川が無数の小さい点(星)の集まりであることに歓喜し、
レンズの中心に北極星を定め10分の露出で北極星を中心に星が回っているということをこれまたモニタで確認し歓喜し、
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ちょっと冷える中星空と撮影に夢中になった。
星空を見に山へ…そういうのもいいかもしれない。
身体が冷えてきたのでテントの中へ入った。時計を見たら1時間半程も経っていた。
②二日目、本当は御前峰で御来光を見るつもりでいたが、大寝坊。
とっくに夜は明けていた。
テントから出てみると曇りで夜が明ける前に出発して
山頂に立てたとしても御来光が見れたかどうかもよくわからない。
まあ、前日素晴らしい星空を堪能できたので全くガッカリ感はないが。
今日はテント場と御前峰の往復だけ、三ノ峰避難小屋まで戻ろうと思えば戻れるのだが、
午後から天気は下り坂だし、どうせ三日行程なので御前峰からテント場に戻ってきたらのんびりするつもりだ。
南竜からだとエコーラインかトンビ岩コースが最短みたいだが、
ネットでの事前調査で残雪あり軽アイゼン必要とのことだったので、
余計なもの持ってくのも面倒だし装・脱着するのも面倒くさいので、
ちょっと遠回りのような気もするけど砂防新道を通って行った。
南竜山荘から暫く進んだところで登山道上に雪渓があったのだが、
雪渓に階段が作られていてアイゼン無しで行けることが出来た。
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しかし溶けかかっていたので、下り(帰り)はツルっと行かないようにかなり慎重に下りた。
黒ボコ岩から五葉坂までは木道を歩いて行く、五葉坂を登りきると室堂、目の前には御前峰。
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室堂から御前峰頂までの道は全く雪がなく楽勝?30分程で頂に立てた。
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(御前峰から室堂を望む、左は別山)
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(大汝峰 今回は行きませんでした)
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(剣ヶ峰 今回も行きませんでした)
テント場には九時半前に帰着、午前様だというのに帰りに山荘で買った冷え冷えのビールを飲む。
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(ごひゃくえん)
あーうまい。
下界だったら買わない値段、でも山の上ならまだ納得!?
どんなして運びあげているか知っているから。
でも下界の旅館やホテル、観光施設のあの値段はボッタクリだと思う。
室堂で仕入れた天気予報によると午後から雨となりそう、
まだ天気は崩れていないのでテントのフライとシュラフを干した。
天気予報より早く?11時過ぎのぱらぱらっときた。
すぐに止んだが昼からは本降り、風も相まってテントがかなり揺れた。
夜まで降り続くと思ったけれど夕方には止んで日が出て二重の虹まで出た。
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③三日目はいよいよ下山、石徹白登山口まで歩く。
テントから顔を出したらびっくり、深い霧で見通しが利かない。
テントから20mほどしか離れていないトイレもうすボンヤリ、不安になる。
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昨日の天気予報では降水確率10~30%で回復傾向との予想だったが、ひょっとしたら外れたのかもしれない。
梅雨の真っただ中だし、ここは下界ではなく山の上、天候の変化はありうると思った。
とりあえず朝食を済ませ、テントを撤収、パッキング後南竜山荘に向かう。
提出した計画書は2泊3日予備日無しの予定、
ひょっとしたら今日中に下山できないかも、どうしよう…と不安になり
”山の会”のTさんに電話して相談、朝の早いうちからすまない気持ちでいっぱいになる。
とりあえず予備日を一日設定することを伝え、天候を見ながら石徹白登山口へ向かうと伝えた。
最悪の場合は一番近い下山口である別当か市ノ瀬に下山後、
バスと電車を乗り継いで帰宅、後日石徹白へマイカー回収に向かうこととした。
南竜山荘のスタッフに朝の天気予報を聞いたら曇り一時晴れで回復傾向にあるとのこと。
ただ明日(日曜)からはまた崩れるとのことなので
石徹白へ下山するなら最悪でも今日中に三ノ峰避難小屋あたりまで進めたいと思った。
相変わらず南竜は霧の中だが、天候は回復する、
これ以上は悪くならないと踏んで計画より30分遅れの6時半に南竜を出発した。
道ははっきりしているので慎重に進めば問題はないように思った。
ときおりぱらぱらと雨交じりで西から風が吹いたがそれ以上は悪化しなかった。
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(別山の北尾根道を歩いて)
霧の中、誰にも会わず一人で歩いていると不安で心細かった。
こういう経験は初めてなので特にだと思う。
別山を越えて下っていたら前方から人、
別山に日帰りで登りに来たとのこと、”ずーっと霧だったけど涼しくていいです”と言われ
ちょっとだけ緊張がほぐれた。そのあとも別山に向かう単独者とすれ違う。
山に掛かっていた霧というか雲が流されときおり下界が見下ろせるようになった。
三ノ峰に着くと単独者の方が二人、一人は三ノ峰まで、
もう一人は別山まで行こうとしたけど霧が濃いので三ノ峰で引き返すという人。
もうこの時には完全に緊張はほぐれていて、この二人と楽しく山の話をしていた。
寒いので三人そろって避難小屋へ避難、
小腹を満たし30分ほど話をした後外に出てみると、晴れ間が出てきている。
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相変わらず別山は雲の中で白山も全く見えないが三ノ峰より南は急速に回復しているようだ。
三ノ峰避難小屋に一人二人と人が上がってくる。
これならなんとか今日中に石徹白へ下山できそうだと思った。
三ノ峰から先は単独、グループ含め十数人とすれ違った。
きっと今日が梅雨の間の最後の?晴れ間になるだろうと登ってきた人達だろう。
こっちは不安の中で南竜を出発したのに、まったく逆の状況下におかれているような気がした。
銚子ヶ峰頂に着くと大賑わい、完全に晴れ間の中で次々と人が上がってくる。
別山の方に目をやると雲がほとんど取れ、山頂付近にわずかに掛かっているぐらいだ。
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サウナスーツと化した雨具を脱いでザックにしまう。
あと2時間掛かるか掛からないかくらいで石徹白に下山できそうだ。
雨具を脱いでアンダーウエアだけとなった上着だがとても暑い。
千数百mでこれなのだから下界はもっと暑いのだろう。
ほんの数時間前まで下界が恋しかったくせに、今では山の上が凄く恋しい気分になった。
南竜から丁度7時間ジャストで石徹白登山口に下山。
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登山口の駐車場は満車状態、銚子ヶ峰か三ノ峰、もしくは別山の人気ぶりが窺えた。
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きっとこの車の中には釣り師も?駐車場からすぐ下の石徹白川には釣り師の姿があった。
三日間、充実した山登りが出来た。
去年のリベンジを成し遂げたことも嬉しかったけど、
石徹白から南竜にかけての変わりゆく景色を堪能できた喜び、
テント場で見た満天の星空、石徹白~南竜間を一日行程で歩いたという達成感。
いいことばっかりじゃなくて悪天候時の撤収、歩行、他にも色々。
いろんなことをひっくるめて経験できたということではとても濃い三日間ではなかったかと思う。
この経験はこれからの山登りに役立つと思う。
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(三日間履いた靴、ごくろうさま...)
ブログ用に書き直すのは面倒なので・・・
ただかなり長い、B5用紙6枚分
山行日:7月8日(木)~10日(土)
山行者:UMA (単独)
コースタイム:
一日目 石徹白登山口7:10…銚子ヶ峰9:35…三ノ峰避難小屋12:12…
別山14:27…南竜山荘16:33…南竜野営場16:56 (晴れ一時雨)
二日目 南竜野営場5:55…室堂7:11…御前峰7:58…室堂8:22…
南竜野営場9:20 (曇りのち雨)
三日目 南竜野営場6:30…別山8:39…三ノ峰避難小屋9:50…
銚子ヶ峰11:54…石徹白登山口13:30 (霧のち晴れ)
南縦走路は去年も挑んだが天候不良のため母御石で敗退、
苦い思い出となった。今回はそのリベンジといったところ。
梅雨の間だが直前の天気予報では3日程天候が持ちそうなので計画した。
①一日目、朝七時過ぎに石徹白登山口に着く、天気は上々。

登山口をくぐると石徹白大杉までは長い石の階段、いきなりやんなっちゃう。
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枯れかかっているように見える大杉からは登山道らしくなる。
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おたけり坂が最初の難所?これを過ぎるとザックの重荷にも少し慣れた感じがして楽になる。
神鳩ノ宮避難小屋までもう少しのところで左手に銚子ヶ峰が見えてくる。
まあるい母御石を過ぎると銚子ヶ峰だ。
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銚子ヶ峰からは一~三ノ峰とその奥にかっこいい形の別山が見える。
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銚子ヶ峰から先、別山までの大きな登ったり下ったりは見るからに大変そうである。
やっぱりというか、銚子ヶ峰から三ノ峰までの大きな登ったり下ったりは納得できないというか、
山がそういう風に連なっているから仕方がないんだけど、
一ノ峰から三ノ峰までは登山者に与えられた試練のような気がした。
三ノ峰避難小屋まであとちょっとのところで雪渓が現れた。
冷凍庫から出したてのかき氷状態で表面が濡れていて滑りやすい、
ステップも作りにくかったので巻くことにした。
三ノ峰避難小屋からだと丘のように見える三ノ峰の頂まで来ると、
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(いつかは泊ってみたい!?立派な三ノ峰避難小屋)
真正面に別山、その左側に白山が見える。
白山はまだまだ雪が残っていて山頂付近は雲に覆われていてよく見えない。
そうなってくると、目の前にはっきりと見える別山の方が主役に見えてくるから不思議である。
別山平は天空草原という感じ、まだまだお花畑にはちょっと早く華やかな色のお花はあまり咲いていない、
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ニッコウキスゲのような黄色い花が一面だったら顔まで明るくなりそうである。
草原の中にある御手洗池には別山を逆さに写していた。
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これぞ逆さ富士ならぬ逆さ別山、綺麗さと物珍しさにしばし見とれた。
石垣で囲まれた別山神社を過ぎると別山山頂。
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去年平瀬から登った時に見えた別山、あのかっこいい山に登るぞと
思ってようやく登れた別山、しばし感慨にふけった。
西から雲が勢いよく流れてくるようになった。
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完全に雲の中に入っては道が見にくくなると思い写真を撮ったら南竜へと足を進めた。
しばらく歩いてふと後ろを振り返ったら別山頂あたりはすでに雲の中だった。
幾つかの小ピークを越えて2256ピークから一気に下る。
この下りの途中と、沢に下りてから南竜への登り返しに雪渓が一ヶ所ずつ。
下りは200mくらいあったか長めで、沢からの登り返しはクラストしていてステップが付けられなかった。
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どちらも安全のためアイゼンを装着して通過した。
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(重いけど、持ってきて正解)
南竜手前で天気予報通り?一時雨でぱらぱらとお湿り程度、
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南竜山荘で野営場の手続きを済ませ冷え冷えのビールを買って野営場へ。
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(南竜山荘の玄関?前の売店)
テントを設営し、ビールを飲みながら夕食を食べそして横になった。
いつもより早い時間に寝ても結局寝つけずに暫く経って起きる。
あたりはもう闇の中、夜9時半頃。
外の様子はどんなもんかテントから顔を出してみた。
空に目を向けると満天の空、目が慣れてくるとどんどん星の数が増えていった。
テントから出て星を眺める、最初は細長い雲かな?と思っていたものは実は天の川だった。
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多分生まれて初めて見る天の川、ほんとうに川のように南からやや東寄りに天上を通り北へと続いている。
星の数もホント凄い、プラネタリウムに居るみたいだ。
そんな風にいうと風情がないかもしれないが、
これほどの星も天の川も子供の頃に行ったプラネタリウムでしか見たことがないからだ。
一眼レフと三脚を持ってきていたのでバルブ撮影をしてみる。
天の川にレンズを向け、モニタで撮った写真を確認し天の川が無数の小さい点(星)の集まりであることに歓喜し、
レンズの中心に北極星を定め10分の露出で北極星を中心に星が回っているということをこれまたモニタで確認し歓喜し、
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ちょっと冷える中星空と撮影に夢中になった。
星空を見に山へ…そういうのもいいかもしれない。
身体が冷えてきたのでテントの中へ入った。時計を見たら1時間半程も経っていた。
②二日目、本当は御前峰で御来光を見るつもりでいたが、大寝坊。
とっくに夜は明けていた。
テントから出てみると曇りで夜が明ける前に出発して
山頂に立てたとしても御来光が見れたかどうかもよくわからない。
まあ、前日素晴らしい星空を堪能できたので全くガッカリ感はないが。
今日はテント場と御前峰の往復だけ、三ノ峰避難小屋まで戻ろうと思えば戻れるのだが、
午後から天気は下り坂だし、どうせ三日行程なので御前峰からテント場に戻ってきたらのんびりするつもりだ。
南竜からだとエコーラインかトンビ岩コースが最短みたいだが、
ネットでの事前調査で残雪あり軽アイゼン必要とのことだったので、
余計なもの持ってくのも面倒だし装・脱着するのも面倒くさいので、
ちょっと遠回りのような気もするけど砂防新道を通って行った。
南竜山荘から暫く進んだところで登山道上に雪渓があったのだが、
雪渓に階段が作られていてアイゼン無しで行けることが出来た。
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しかし溶けかかっていたので、下り(帰り)はツルっと行かないようにかなり慎重に下りた。
黒ボコ岩から五葉坂までは木道を歩いて行く、五葉坂を登りきると室堂、目の前には御前峰。
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室堂から御前峰頂までの道は全く雪がなく楽勝?30分程で頂に立てた。
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(御前峰から室堂を望む、左は別山)
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(大汝峰 今回は行きませんでした)
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(剣ヶ峰 今回も行きませんでした)
テント場には九時半前に帰着、午前様だというのに帰りに山荘で買った冷え冷えのビールを飲む。
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(ごひゃくえん)
あーうまい。
下界だったら買わない値段、でも山の上ならまだ納得!?
どんなして運びあげているか知っているから。
でも下界の旅館やホテル、観光施設のあの値段はボッタクリだと思う。
室堂で仕入れた天気予報によると午後から雨となりそう、
まだ天気は崩れていないのでテントのフライとシュラフを干した。
天気予報より早く?11時過ぎのぱらぱらっときた。
すぐに止んだが昼からは本降り、風も相まってテントがかなり揺れた。
夜まで降り続くと思ったけれど夕方には止んで日が出て二重の虹まで出た。
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③三日目はいよいよ下山、石徹白登山口まで歩く。
テントから顔を出したらびっくり、深い霧で見通しが利かない。
テントから20mほどしか離れていないトイレもうすボンヤリ、不安になる。
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昨日の天気予報では降水確率10~30%で回復傾向との予想だったが、ひょっとしたら外れたのかもしれない。
梅雨の真っただ中だし、ここは下界ではなく山の上、天候の変化はありうると思った。
とりあえず朝食を済ませ、テントを撤収、パッキング後南竜山荘に向かう。
提出した計画書は2泊3日予備日無しの予定、
ひょっとしたら今日中に下山できないかも、どうしよう…と不安になり
”山の会”のTさんに電話して相談、朝の早いうちからすまない気持ちでいっぱいになる。
とりあえず予備日を一日設定することを伝え、天候を見ながら石徹白登山口へ向かうと伝えた。
最悪の場合は一番近い下山口である別当か市ノ瀬に下山後、
バスと電車を乗り継いで帰宅、後日石徹白へマイカー回収に向かうこととした。
南竜山荘のスタッフに朝の天気予報を聞いたら曇り一時晴れで回復傾向にあるとのこと。
ただ明日(日曜)からはまた崩れるとのことなので
石徹白へ下山するなら最悪でも今日中に三ノ峰避難小屋あたりまで進めたいと思った。
相変わらず南竜は霧の中だが、天候は回復する、
これ以上は悪くならないと踏んで計画より30分遅れの6時半に南竜を出発した。
道ははっきりしているので慎重に進めば問題はないように思った。
ときおりぱらぱらと雨交じりで西から風が吹いたがそれ以上は悪化しなかった。
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(別山の北尾根道を歩いて)
霧の中、誰にも会わず一人で歩いていると不安で心細かった。
こういう経験は初めてなので特にだと思う。
別山を越えて下っていたら前方から人、
別山に日帰りで登りに来たとのこと、”ずーっと霧だったけど涼しくていいです”と言われ
ちょっとだけ緊張がほぐれた。そのあとも別山に向かう単独者とすれ違う。
山に掛かっていた霧というか雲が流されときおり下界が見下ろせるようになった。
三ノ峰に着くと単独者の方が二人、一人は三ノ峰まで、
もう一人は別山まで行こうとしたけど霧が濃いので三ノ峰で引き返すという人。
もうこの時には完全に緊張はほぐれていて、この二人と楽しく山の話をしていた。
寒いので三人そろって避難小屋へ避難、
小腹を満たし30分ほど話をした後外に出てみると、晴れ間が出てきている。
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相変わらず別山は雲の中で白山も全く見えないが三ノ峰より南は急速に回復しているようだ。
三ノ峰避難小屋に一人二人と人が上がってくる。
これならなんとか今日中に石徹白へ下山できそうだと思った。
三ノ峰から先は単独、グループ含め十数人とすれ違った。
きっと今日が梅雨の間の最後の?晴れ間になるだろうと登ってきた人達だろう。
こっちは不安の中で南竜を出発したのに、まったく逆の状況下におかれているような気がした。
銚子ヶ峰頂に着くと大賑わい、完全に晴れ間の中で次々と人が上がってくる。
別山の方に目をやると雲がほとんど取れ、山頂付近にわずかに掛かっているぐらいだ。
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サウナスーツと化した雨具を脱いでザックにしまう。
あと2時間掛かるか掛からないかくらいで石徹白に下山できそうだ。
雨具を脱いでアンダーウエアだけとなった上着だがとても暑い。
千数百mでこれなのだから下界はもっと暑いのだろう。
ほんの数時間前まで下界が恋しかったくせに、今では山の上が凄く恋しい気分になった。
南竜から丁度7時間ジャストで石徹白登山口に下山。
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登山口の駐車場は満車状態、銚子ヶ峰か三ノ峰、もしくは別山の人気ぶりが窺えた。
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きっとこの車の中には釣り師も?駐車場からすぐ下の石徹白川には釣り師の姿があった。
三日間、充実した山登りが出来た。
去年のリベンジを成し遂げたことも嬉しかったけど、
石徹白から南竜にかけての変わりゆく景色を堪能できた喜び、
テント場で見た満天の星空、石徹白~南竜間を一日行程で歩いたという達成感。
いいことばっかりじゃなくて悪天候時の撤収、歩行、他にも色々。
いろんなことをひっくるめて経験できたということではとても濃い三日間ではなかったかと思う。
この経験はこれからの山登りに役立つと思う。
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(三日間履いた靴、ごくろうさま...)