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中崎尾根~千丈乗越~槍ヶ岳~飛騨沢 槍平から周回

2017-05-05 14:30:59 | 山歩き…アルプスの山
山行日:2017年5月3日(水)から5日(金)

天気:3日間晴れ

山行者:単独です。

CT:
3日 新穂高P4:23…登山ポスト4:38…穂高平5:33…白出沢6:25…

滝谷7:52…槍平9:11(テント泊)

4日 槍平4:10…中崎尾根上5:09…2500m付近6:44…千丈乗越7:17…

偽槍を越したところ8:15…槍ヶ岳基部8:37…槍ヶ岳頂上9:06…槍ヶ岳基部9:48…

槍ヶ岳山荘前10:13…宝の木11:04…槍平11:56(テント泊)

5日 槍平4:53…滝谷5:28…白出沢6:17…穂高平7:01…登山ポスト7:40…新穂高P7:48



≪3日≫
まだ暗い中、新穂高登山者用駐車場に到着。

下の方はガラガラ、一番上に二台停められるスペース見つけ停める。

幸先いいなぁ。

準備をしたら出発、登山ポストにはマジメに提出。

暫くすると一人で歩いてきた単独男性に追い付かれる。

自分より早いペースの人、必死でついていきながらも話を伺う。

登山歴は自分よりも短いがなかなか凄い人のようだ。

他人は他人なのに凄い人の話を聞くとなんか萎えちゃうな。

穂高平で休憩してお別れ。


その男性は槍ヶ岳山荘までが今日の行程とのこと、再びお会いすることはなかった。

白出沢から登山道となる。

白出沢はデブリで埋め尽くされていたが、ブドウ沢、チビ沢のデブリは酷く、


辺りの木々はなぎ倒され、トレースも完全に消えていた。

槍平で会った男性に聞いたら前日あたりらしい。

確かに折れた木の幹は真新しかった…ゾッとした。

滝谷を越えたところでアイゼン装着。

南沢合流付近までこればなだらか斜面となり、林を抜けると槍平だ。


時間的にはかなり早いがテント設営後は一寝りし、昼過ぎにビールを飲んでまったりした。

この日は槍平まででほぼ一日なにすることもなくのんびり。

こういう時間は普段ないから贅沢なんだな。

≪4日≫
三時起床し四時過ぎに出発、前日確認しておいた中崎尾根取り付きから登る。

それほど寒くはないが、ユルくもなく、またカリカリの雪質でもない。

どこまで”雪質が安定しているか”と”核心部”が今日の勝敗を決める。

トレースはしっかりあり、最低二人は入ってる。

中崎尾根上には一時間程で到着。

ここまでの尾根は割りと痩せてて急なとこもあり引き返すのは億劫かもしれない。

奥丸山へと続くトレースに後ろ髪を引かれつつ先へと進む(奥丸山往復で手を打とうかとも思った)。



(中崎尾根に乗っかり続く尾根と目指す槍)

いきなり急な下り、慎重にコルに降り立つとテント一張り。


真新しいトレースが続く、先行者(コルのテントの持ち主?)のようだ、もう一つは過去のものらしい。

最初は踝くらいまで沈んだが先に進むとアイゼンの食い付きがいい雪質に変わっていく。

広いところもあるが全体的に痩せ尾根続く、両側切れ落ちているところもありビビる。

(広い尾根は気持ちいいが…)


(広い尾根は気持ちに余裕、中崎尾根振り返りパシャリ)


(痩せ尾根のトラバース、緊張、そして通過後は…快感!?)

右は落ちても死ななさそうだが、左は間違いなくヤバイ。

途中で先行者を捉える、距離にして10~15分くらい。

トレース&先行者が居るのはありがたい、気持ちが落ち着く。

2500mを越えて核心部に近づく。

(2500m付近から核心部 右中小さい点は先行者)


(核心部を前にして)

遠くから眺めたらほぼ垂直の壁に見えた核心部は近くに寄り見てみると思ったほどキツくない。

といってもアイゼンの前爪を蹴り込みピッケルを打ち込んで慎重に登るくらいの斜度。

岩峰に直は厳しいので尾根の右手を詰める。

途中で先行者に追い付き、向こうから声を掛けられる。

「この先でトレースが消えています…あっ、ありました」だったかな?

先行者は単独女性だった。

失礼かもしれないけど正直びっくりした。男性かと思っていたからだ。

こんな急斜面で言葉を交わしつつも先に越えて行かさせてもらった。

尾根に上がりチョイチョイで千丈乗越。

(西鎌尾根に乗っかり槍方面を望む)



まずは一安心、ちょっと休憩していたら単独女性も追い付いてきた。

また少し言葉を交わし、こちら先行で歩を進める。

一部だけだが夏道が出ている箇所もあった。


(西鎌尾根を振り返る)

偽槍は基部の下をトラバースぎみに登った。

(偽槍通過後)

核心部に近い感じだったが割りと安心して通過できた。

奥穂の壁より距離はある感じに見えるが下まで雪が続いているので安心感はある。

奥穂のアレは落ちたら終わってしまう。

偽槍を過ぎると尾根の傾斜はなだらかになっていく。

しかし槍の基部までは慎重に行った。

油断してズルッと…あり得る、オッチョコチョイの自分なら。

槍の基部に着き、まずは一安心。

(槍の基部付近にて振り返ってヤッタゼ)

そして槍を見上げ、やっぱ行かなあかんかな~と思いつつ歩を進める。

(小槍と槍)


(あれの上でアルペン踊りですか??登るのもチョータイヘン)

こちらの雪質は最悪。

完全に氷化しておりアイゼン、ピッケルのくい込みが悪い。

食い込むというか当てれば表面の氷は割れ、引っかかる感じが弱い。

間違えて途中から下りルートに突っ込む、しかもカリカリで怖い。

戻るのも怖く強行、最後の二つのはしご手前までヒヤヒヤ。

(スゲーとこ登らせれるな 夏道と変わらないんだけど雪が付くだけで…)


(下は見たらあかんね、特にずーっとは)

頂上に着いて安堵したが、下りのことを思うとズーンとなる。

(ヤッタゼ!でも気持ちはブジニクダレルカナ…)

意外と狭い山頂、夏に登ったときは人だかりの山頂でもうちょっと広いイメージがあったが。

下りはやっぱり怖く、分岐の下の氷斜面はカリカリすぎて恐怖マックス。

みんなこんなところよく下るなーと思いつつ

登ってくる人にごめんなさいして登りルートを下った。

こちらは岩が出ているところも多く割りと安心して下ることができた。

基部まで戻るとやれやれだ。

(槍沢を登ってくる行軍)

暫くすると単独女性も降りてきて、飛騨沢途中までお話ししながら下った。

(飛騨沢を下るのはサイコーに気持ちいいです)


(振り返る でもこれを登るのはイヤ)


(中崎尾根をゆくパーティ)


(宝の木と呼ばれてる木)

話を伺っていたら、この女性実力ある人だということがわかって…。

見た感じは山の会元会員M女史になんとなく似ていた。

違いはお酒飲めるか飲めないか…かな?

楽しいひと時もあっという間、もっとお話ししたかったのだけれども

別れ惜しいかな、彼女は中崎尾根のテントへ戻るため2500m付近でお別れです。

単独だとこういう出会いがあるから嬉しいんです。

そして出会う相手もなぜか単独で…ある意味似た者同士だからめぐり会うのでしょうか。

中崎尾根に設営してあるテントまでワイン飲みに来てと言われたけど

腐った雪、槍平から推定二時間の登りを考えたら諦めざるをえませんでした。

飲んでから槍平までは酔って下るのも怖いしね(笑)

槍平まではただ下るだけ、槍ヶ岳山荘から二時間かからずでした。

(槍平に到着)


(ただいま)


(ビアサイコー)


(単独女性に教えてもらった大福ぜんざい 水入れ過ぎた)

途中で奥穂へ登ってる春合宿メンバー全員が登頂できた知らせをSNSで知り歓喜。

テントに戻ってのビールは最高に旨かったです。

昼前下山して午後からは濡れものを乾かしながらのんびり、本日の行程は終了。

翌日も早朝出発し雪崩に気を付けながら新穂高へ下る予定です。

≪5日≫
今日は新穂高へ下り、そして帰路に着く。

テントを撤収し5時前には出発。

(さよなら槍平)


(北穂?)

前日にテントを出た時よりもずいぶん明るくヘッドライト要らず。

3日には無かったような気がする真新しい雪崩の爪跡が白出沢へ至るまでに何箇所。




自然の脅威にビビらさせられる。

翌日雨予報だからかすれ違った登山者は数名ほど。

槍平から3時間ほどで新穂高の駐車場に到着。


この時知ったのだが、奥穂・北穂で雪崩・滑落事故で死亡者、負傷者が出たようだ。

この時期この付近は毎年のように死亡者、負傷者が出るが…。

今回も事故は起こさず下山出来たが、自分だってあり得る話。

気をつけても…気をつけていたとしても…こればかりはわからないなぁ。

同じ日程で穂高岳へ春合宿に行っているメンバーも無事下山したと知らせを聞いてホッとした。

天候も良く、計画した通りの行程をこなすことができ充実した3日間だった。

山は怖い部分もあるけれど、また計画してこの時期この山域へまた来ようと思う。


(今年初めて見たコゴミ、採ってませんよ)


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