山名:南アルプス 八本歯ノ頭付近まで
山行目的:”冬の白峰三山縦走する”でしたが…
山行日:2012年12月30日(日)~2013年1月1日(火)
天気:30日雨 31日晴れのち雪 1日晴れ
山行者:単独です。
CT:
30日 自宅11:00=岐阜各務原IC=新清水IC=草塩温泉=奈良田ゲート17:30(車中泊)
31日 奈良田ゲート6:02…あるき沢橋(吊尾根登山口)8:57…
池山御池小屋12:29…標高2440m付近14:10(テント泊)
1日 標高2440m付近6:17…ボーコン沢ノ頭7:19…八本歯ノ頭付近8:06…
標高2440m付近9:35~10:39…池山御池小屋11:12…あるき沢橋13:14~
13:29…奈良田ゲート16:26/16:43=新清水IC=岐阜各務原IC=自宅22:34
≪30日≫
この日は雨で移動のみ。
新東名高速を使い新清水ICで降りる。
さらに一般道を北へ70キロ程。
途中、草塩温泉(日帰り施設¥500)に寄る。
集落の中のこじんまりとした立ち寄り湯、温まりました。
奈良田温泉を過ぎ橋を渡り暫く走ると冬期通行止めのゲート。
近くの駐車場は関係者のみとなっているが、
停めてある数台の車は他県ナンバー。
多分お仲間さん、ということで自分も停めさせてもらう。
今夜は車中泊。
後部座席を倒しベッドルームを作りシュラフに入ってオヤスミ。
≪31日≫
目覚ましに起こされる前に自然と目が覚める。
4時半前、空を見上げてみるとお月様と星が見える。
天気良さそうだ。
この日の予報は稜線上は荒れるが回復傾向との事。
麓は晴れマークなので、登るにつれ悪くなるか。
まずは目の前に立ちはだかるゲートを越えなくてはならない。
インターネットで調べたとおり、左側からよじ登る。
ザックを背負ったまま、結構大変だった。
向こう側に降り立ってまずはホッ、第一関門突破かな?
登山口のあるき沢橋までは約12キロの長い長い林道歩き。
照明の無い真っ暗なトンネルも幾つかあり、
ヘッドライトなしではおっかない。
一番長かった新鷲住トンネルは1キロ程。
等間隔で光る非常ベルの赤いランプ…なんだか不気味だ。
林道を歩いていると左(西側)の沢に幾つか滝が見える。
橋にはご丁寧に○○滝と書かれた標識が。
行きは薄暗くてよく分からなかったが帰りはハッキリ見ることが出来た。
水量は少なかったけど、どれも落差がある立派な滝だった。
林道の雪は端にちょこちょこっとあるのみ。
奥の方で工事やってたみたいなので業者が通れるように
またはダム関係者のために除雪してあるのだろうか。
日が当らないところが多く、凍結している所があった。
3時間程あるいてようやくあるき沢橋に到着。
橋の脇に自転車が2台停めてあったけど、
どこから持ち入れたのだろう、凍結箇所もあるというのにスゴイ。
ガイドブックにも書いてあったがいきなり急登だ。
しかも積雪があって、融解して再凍結している。
カリカリでそのまま登るのは危険、始めからアイゼン装着した。
池山南東尾根に乗っかるまで急登は続き、
特に中盤から上部にかけては超急登+カリカリで危険な通過があった。
尾根に乗っかると池山までは緩やかな登り、
どこが最高点なのか解らない池山を緩やかに下って行くと
広い雪原に出た。池山御池だ。
雪原の向こう側の森の中には池山御池小屋。
計画ではこの日の行程はココまでだが、
翌日の行程を楽にするため、もう少し上げることにした。
池山御池小屋付近はなだらかな地形で設営欲!?がうずく。
でも翌日楽な方がいいし…泣く泣く諦めた。
城峰から砂払まではテント適地が幾つかある。
城峰から鞍部へ下り少し登り返した標高2440m付近に適地があったので
そこに張ることにした。
今回投入したNewテント”ニーモテンシ”。
まだ屋外で張ったことは無く、今回が初めて。
自宅内で練習した通り張る。
極寒の中(といっても-7℃くらい)だからか生地が強張っていて
張りにくいように感じた。
本体は何回か練習していたので、それほど時間は掛からなかったが、
前室の取り付けには時間が掛かった。
本体と前室の連結はファスナーだが、
最初の部分がなかなかはまらない。
寒さで生地が強張って延びないからだろうか。
すぐ近くで5人パーティが協力し合ってそそくさと設営していたので、
なんだか恥ずかしかった(思い込み)
テント泊初めての人だと思われてたらどーしよう―…って。
まあ、このテントでは初めてなんですが。
何とか設営して竹ペグでペグダウン。
竹ペグは山の会からの借り物だが、ただの竹棒でなんの加工もされてない。
自宅で加工したもの(ドリルで真ん中に穴を開け細引きを通したもの)を持ってきた。
やっぱりこの方が使いやすい。
会の押し入れの中にある竹ペグはただの竹棒で何にも
加工されてない物ばかりだけど、皆どうやって使っているのだろう…。
細引きでクルクルっと巻いただけではすっぽ抜けそう。
設営終わるとナント15時を回ってる、設営に1時間カカリスギデス。
ベッドメイキングを済ませ、水作りと夕食を並行してやった。
水作りと夕食が終わった頃にはとっぷり暮れていた。
翌日の天気予報をケータイで確認、朝のうち風は強いが晴れるとの事。
しかし翌々日から大荒れの天気に逆戻り。
事前に調べておいた天気予報でも2,3日は怪しいとの事。
2日も停滞したら予備日がなくなってしまう。
先には進めなくなるだろうから、翌日は北岳ピストンに変更した。
すぐそばのテントからは笑い声、楽しそう。
自分で望んだ単独山行だけど、
やっぱ近くでワイワイやってるの見たり聞いたりしちゃうとイイナァ~って思う。
こんなこと書くと”山の会”仲間からご指摘受けそうですね。
じゃあ一人で行くなっ!一緒に御嶽に来いって(笑)
夜中何度か目が覚めた。
シュラフカバーを忘れたから今一暖かさを感じなかったためか。
まあ、山では熟睡することはあまりないけれど。
ゴーゴーと音を立てて風が吹き何度かテントが揺れた。
≪1日≫
4時半に起床。
荷物を全部まとめる必要がないのでのんびり出発…。
のつもりだったけど、のんびり過ぎて数分遅れた。
ピストンだけなのでテント、シュラフ、スコップ、行動食以外は置いていく。
ざっと計算して7,8キロは軽い。
歩き始めの十数分はキツイが身軽が幸いして足取り軽やかだ。
樹林帯の中の展望地から見える夜明け前の空色は美しい。
天の漆黒から地平線のオレンジへとかわるグラデーション。
この感じが好きだ。
目の前には富士山、左へと目をやると鳳凰三山が見える。
さらに登って行くと、歓喜の声。
振り返ってみると、夜が明けそうだ。
立ち止まって待っているとそれは来た。
御来光だ。
富士山の左から広がる明り、山からのご来光は何度目かな。
いつ見ても素晴らしい、感動する。
ちょっと涙が出た。
砂払までくると森林限界を越える。
南の方へと目をやると朝焼けに色付く農鳥岳~間ノ岳が見えた。
物凄く大きな山、これをこの時期縦走しようなんて考えた自分を恥ずかしく思った。
う~ん、無理そうだな~今の自分には。
真っ白で何も生えてないように見えるボーコン沢ノ頭に一歩一歩登って行く。
うっすらと新雪が掛かっているがその下は締まっていてアイゼンの刃が良く食い込む。
不思議なくらい風は穏やかで、雲もほとんどない、ベストコンディション。
ボーコン沢ノ頭に立つと目の前に向かう北岳が大きく現れた。
八本歯ノ頭まで続くなだらかな稜線、その先は難所、そして急登の先に目指す頂。
白峰三山、塩見岳、鳳凰三山、甲斐駒、南アルプスの山々がすべて素晴らしく見えた。
たまに来る強風を逃しながら一歩一歩先に進む。
一時間足らずで八本歯ノ頭に着いた。
その先は解りやすいぐらいの難所。
ロープは出ている、梯子の状況はここからでは見えない。
すでに鞍部から岩稜に取り付いているパーティが見えた。
その後ろのパーティは梯子のところでザイルを出していた。
梯子は雪で埋まっているのかそうでないのか…。
頭からまずは5m程の下り、前向きで降りれなくはないが
下りた先は崖なので雪面に向き合って降りる。
次は片側が切れ落ちたところをロープを頼りに…怖いかも。
次は1,2歩だが両側が切れ落ちていて、ロープは離れている。
その先は片側切れ落ちていて…。
梯子までは対して距離ないのだけど、足が止まってしまって怖いと感じてしまった。
立ち止まっている時間が長くなると恐怖心も大きくなる。
行けそう…でも、足元が崩れて落ちたら…。
1分立ち止まっていたかな?怖いという思いにかなわなくなり引き返し決定。
次にやってくる登山者は難なく越えていくけど、
やっぱり自分には駄目でした。
白峰三山縦走できず、北岳も登れずで凄い悔しかったなー。
なんだか自分だけが取り残されたような気分でした。
戻る途中で北岳バックに写真撮ってくれた単独者が
”去年も一人で来て北岳からの下りで骨折しちゃって…今回はリハビリ兼ねて。”と。
あきらめちゃ駄目だなって思いましたね。
まあ、今回は背伸びし過ぎた!これが結論。
難なく登って行っちゃう登山者は自分よりスキルが上だから。
今回の計画は失敗だった。
コンディションとか抗えない部分もあるけど、
厳冬期八ケ岳(赤岳)の次に南アルプス北岳は背伸びし過ぎた。
でも、いい経験にはなったと思う。
なんでもやってみないことには肌身感じて解らないからね。
今度はもっと自分にあったところから登ろうと思う。
ガイドブックと山仲間と相談して。
ややブルーな気持ちのままテント撤収、下山を開始した。
池山御池から下の急登はやっぱりカリカリで登り以上に恐怖を感じた。
夏の奥穂~西穂縦走した時よりもヒヤヒヤだったかもしれない。
今までの下山でこんなに緊張し、慎重になったのは初めてじゃないだろうか。
結構時間掛かるかなと思っていたが1時間足らず。
なんや~いつもと一緒やん。
あるき沢橋からウンザリするくらい長い長い林道を3時間掛けてゲートに到着。
最後の力を振り絞ってゲートをよじ登り越える。
行きよりは気持ち楽だったかな?最初の足掛ける箇所変えたから。
薄暗い中、マイカーに到着。
お疲れ様、自分。
悔いは残るけど、楽しい山行でした。
うーん、でもやっぱり物足りない感が残る。
さあ、次はどこを登ろうか。
山行目的:”冬の白峰三山縦走する”でしたが…
山行日:2012年12月30日(日)~2013年1月1日(火)
天気:30日雨 31日晴れのち雪 1日晴れ
山行者:単独です。
CT:
30日 自宅11:00=岐阜各務原IC=新清水IC=草塩温泉=奈良田ゲート17:30(車中泊)
31日 奈良田ゲート6:02…あるき沢橋(吊尾根登山口)8:57…
池山御池小屋12:29…標高2440m付近14:10(テント泊)
1日 標高2440m付近6:17…ボーコン沢ノ頭7:19…八本歯ノ頭付近8:06…
標高2440m付近9:35~10:39…池山御池小屋11:12…あるき沢橋13:14~
13:29…奈良田ゲート16:26/16:43=新清水IC=岐阜各務原IC=自宅22:34
≪30日≫
この日は雨で移動のみ。
新東名高速を使い新清水ICで降りる。
さらに一般道を北へ70キロ程。
途中、草塩温泉(日帰り施設¥500)に寄る。
集落の中のこじんまりとした立ち寄り湯、温まりました。
奈良田温泉を過ぎ橋を渡り暫く走ると冬期通行止めのゲート。
近くの駐車場は関係者のみとなっているが、
停めてある数台の車は他県ナンバー。
多分お仲間さん、ということで自分も停めさせてもらう。
今夜は車中泊。
後部座席を倒しベッドルームを作りシュラフに入ってオヤスミ。
≪31日≫
目覚ましに起こされる前に自然と目が覚める。
4時半前、空を見上げてみるとお月様と星が見える。
天気良さそうだ。
この日の予報は稜線上は荒れるが回復傾向との事。
麓は晴れマークなので、登るにつれ悪くなるか。
まずは目の前に立ちはだかるゲートを越えなくてはならない。
インターネットで調べたとおり、左側からよじ登る。
ザックを背負ったまま、結構大変だった。
向こう側に降り立ってまずはホッ、第一関門突破かな?
登山口のあるき沢橋までは約12キロの長い長い林道歩き。
照明の無い真っ暗なトンネルも幾つかあり、
ヘッドライトなしではおっかない。
一番長かった新鷲住トンネルは1キロ程。
等間隔で光る非常ベルの赤いランプ…なんだか不気味だ。
林道を歩いていると左(西側)の沢に幾つか滝が見える。
橋にはご丁寧に○○滝と書かれた標識が。
行きは薄暗くてよく分からなかったが帰りはハッキリ見ることが出来た。
水量は少なかったけど、どれも落差がある立派な滝だった。
林道の雪は端にちょこちょこっとあるのみ。
奥の方で工事やってたみたいなので業者が通れるように
またはダム関係者のために除雪してあるのだろうか。
日が当らないところが多く、凍結している所があった。
3時間程あるいてようやくあるき沢橋に到着。
橋の脇に自転車が2台停めてあったけど、
どこから持ち入れたのだろう、凍結箇所もあるというのにスゴイ。
ガイドブックにも書いてあったがいきなり急登だ。
しかも積雪があって、融解して再凍結している。
カリカリでそのまま登るのは危険、始めからアイゼン装着した。
池山南東尾根に乗っかるまで急登は続き、
特に中盤から上部にかけては超急登+カリカリで危険な通過があった。
尾根に乗っかると池山までは緩やかな登り、
どこが最高点なのか解らない池山を緩やかに下って行くと
広い雪原に出た。池山御池だ。
雪原の向こう側の森の中には池山御池小屋。
計画ではこの日の行程はココまでだが、
翌日の行程を楽にするため、もう少し上げることにした。
池山御池小屋付近はなだらかな地形で設営欲!?がうずく。
でも翌日楽な方がいいし…泣く泣く諦めた。
城峰から砂払まではテント適地が幾つかある。
城峰から鞍部へ下り少し登り返した標高2440m付近に適地があったので
そこに張ることにした。
今回投入したNewテント”ニーモテンシ”。
まだ屋外で張ったことは無く、今回が初めて。
自宅内で練習した通り張る。
極寒の中(といっても-7℃くらい)だからか生地が強張っていて
張りにくいように感じた。
本体は何回か練習していたので、それほど時間は掛からなかったが、
前室の取り付けには時間が掛かった。
本体と前室の連結はファスナーだが、
最初の部分がなかなかはまらない。
寒さで生地が強張って延びないからだろうか。
すぐ近くで5人パーティが協力し合ってそそくさと設営していたので、
なんだか恥ずかしかった(思い込み)
テント泊初めての人だと思われてたらどーしよう―…って。
まあ、このテントでは初めてなんですが。
何とか設営して竹ペグでペグダウン。
竹ペグは山の会からの借り物だが、ただの竹棒でなんの加工もされてない。
自宅で加工したもの(ドリルで真ん中に穴を開け細引きを通したもの)を持ってきた。
やっぱりこの方が使いやすい。
会の押し入れの中にある竹ペグはただの竹棒で何にも
加工されてない物ばかりだけど、皆どうやって使っているのだろう…。
細引きでクルクルっと巻いただけではすっぽ抜けそう。
設営終わるとナント15時を回ってる、設営に1時間カカリスギデス。
ベッドメイキングを済ませ、水作りと夕食を並行してやった。
水作りと夕食が終わった頃にはとっぷり暮れていた。
翌日の天気予報をケータイで確認、朝のうち風は強いが晴れるとの事。
しかし翌々日から大荒れの天気に逆戻り。
事前に調べておいた天気予報でも2,3日は怪しいとの事。
2日も停滞したら予備日がなくなってしまう。
先には進めなくなるだろうから、翌日は北岳ピストンに変更した。
すぐそばのテントからは笑い声、楽しそう。
自分で望んだ単独山行だけど、
やっぱ近くでワイワイやってるの見たり聞いたりしちゃうとイイナァ~って思う。
こんなこと書くと”山の会”仲間からご指摘受けそうですね。
じゃあ一人で行くなっ!一緒に御嶽に来いって(笑)
夜中何度か目が覚めた。
シュラフカバーを忘れたから今一暖かさを感じなかったためか。
まあ、山では熟睡することはあまりないけれど。
ゴーゴーと音を立てて風が吹き何度かテントが揺れた。
≪1日≫
4時半に起床。
荷物を全部まとめる必要がないのでのんびり出発…。
のつもりだったけど、のんびり過ぎて数分遅れた。
ピストンだけなのでテント、シュラフ、スコップ、行動食以外は置いていく。
ざっと計算して7,8キロは軽い。
歩き始めの十数分はキツイが身軽が幸いして足取り軽やかだ。
樹林帯の中の展望地から見える夜明け前の空色は美しい。
天の漆黒から地平線のオレンジへとかわるグラデーション。
この感じが好きだ。
目の前には富士山、左へと目をやると鳳凰三山が見える。
さらに登って行くと、歓喜の声。
振り返ってみると、夜が明けそうだ。
立ち止まって待っているとそれは来た。
御来光だ。
富士山の左から広がる明り、山からのご来光は何度目かな。
いつ見ても素晴らしい、感動する。
ちょっと涙が出た。
砂払までくると森林限界を越える。
南の方へと目をやると朝焼けに色付く農鳥岳~間ノ岳が見えた。
物凄く大きな山、これをこの時期縦走しようなんて考えた自分を恥ずかしく思った。
う~ん、無理そうだな~今の自分には。
真っ白で何も生えてないように見えるボーコン沢ノ頭に一歩一歩登って行く。
うっすらと新雪が掛かっているがその下は締まっていてアイゼンの刃が良く食い込む。
不思議なくらい風は穏やかで、雲もほとんどない、ベストコンディション。
ボーコン沢ノ頭に立つと目の前に向かう北岳が大きく現れた。
八本歯ノ頭まで続くなだらかな稜線、その先は難所、そして急登の先に目指す頂。
白峰三山、塩見岳、鳳凰三山、甲斐駒、南アルプスの山々がすべて素晴らしく見えた。
たまに来る強風を逃しながら一歩一歩先に進む。
一時間足らずで八本歯ノ頭に着いた。
その先は解りやすいぐらいの難所。
ロープは出ている、梯子の状況はここからでは見えない。
すでに鞍部から岩稜に取り付いているパーティが見えた。
その後ろのパーティは梯子のところでザイルを出していた。
梯子は雪で埋まっているのかそうでないのか…。
頭からまずは5m程の下り、前向きで降りれなくはないが
下りた先は崖なので雪面に向き合って降りる。
次は片側が切れ落ちたところをロープを頼りに…怖いかも。
次は1,2歩だが両側が切れ落ちていて、ロープは離れている。
その先は片側切れ落ちていて…。
梯子までは対して距離ないのだけど、足が止まってしまって怖いと感じてしまった。
立ち止まっている時間が長くなると恐怖心も大きくなる。
行けそう…でも、足元が崩れて落ちたら…。
1分立ち止まっていたかな?怖いという思いにかなわなくなり引き返し決定。
次にやってくる登山者は難なく越えていくけど、
やっぱり自分には駄目でした。
白峰三山縦走できず、北岳も登れずで凄い悔しかったなー。
なんだか自分だけが取り残されたような気分でした。
戻る途中で北岳バックに写真撮ってくれた単独者が
”去年も一人で来て北岳からの下りで骨折しちゃって…今回はリハビリ兼ねて。”と。
あきらめちゃ駄目だなって思いましたね。
まあ、今回は背伸びし過ぎた!これが結論。
難なく登って行っちゃう登山者は自分よりスキルが上だから。
今回の計画は失敗だった。
コンディションとか抗えない部分もあるけど、
厳冬期八ケ岳(赤岳)の次に南アルプス北岳は背伸びし過ぎた。
でも、いい経験にはなったと思う。
なんでもやってみないことには肌身感じて解らないからね。
今度はもっと自分にあったところから登ろうと思う。
ガイドブックと山仲間と相談して。
ややブルーな気持ちのままテント撤収、下山を開始した。
池山御池から下の急登はやっぱりカリカリで登り以上に恐怖を感じた。
夏の奥穂~西穂縦走した時よりもヒヤヒヤだったかもしれない。
今までの下山でこんなに緊張し、慎重になったのは初めてじゃないだろうか。
結構時間掛かるかなと思っていたが1時間足らず。
なんや~いつもと一緒やん。
あるき沢橋からウンザリするくらい長い長い林道を3時間掛けてゲートに到着。
最後の力を振り絞ってゲートをよじ登り越える。
行きよりは気持ち楽だったかな?最初の足掛ける箇所変えたから。
薄暗い中、マイカーに到着。
お疲れ様、自分。
悔いは残るけど、楽しい山行でした。
うーん、でもやっぱり物足りない感が残る。
さあ、次はどこを登ろうか。