先程、私は愛読しているネットの『プレジデントオンライン』を見ている中、
【 完全に”詰んだ”「貧困高齢者」が爆増する 】と見出しを見たりした。
私は民間会社の中小業のある会社に35年近く勤めて、2004年(平成16年)の秋に定年退職し、
この間、幾たびのリストラの中、何とか障害レースを乗り越えたりしたが、
最後の5年半はリストラ烈風が加速され、あえなく出向となった。
そして遠い勤務地に勤め、この期間も奮闘した結果、
身も心も疲れ果てて、疲労困憊となり、定年後はやむなく年金生活を始めたひとりである。
そして年金生活は現役サラリーマン時代は悪戦苦闘が多かった為か、
予測した以上に安楽な生活を過ごし、早や12年半が過ぎている。
このような私であるが、どのようなことですか、記事を精読してしまった。
この記事は、ジャーナリストの 鷲尾 香一さんが寄稿文であり、
『プレジデントオンライン』に7月25日に配信され、無断であるが転載させて頂く。
《・・「高齢者は裕福だ」というイメージは、もう間違いだ。
高齢者が裕福だったのは「団塊の世代」の以前まで。
50歳代では5割近くが「国民年金未納」となっており、
この先「無年金」や「低年金」のまま退職することになる。
10年後には「職なし貯蓄なし年金なし」という三重苦の高齢者が大量発生することになる――。
情報通信関係に勤務し、昨年定年を迎えたA氏。
40代後半から始まった給与の減額は、60歳の定年時まで続き、年収はピーク時の半分まで減少した。
5年間の定年延長も選択できたが、業務内容はほぼ同様で、給与は退職時の半分と会社側に言われ、
「自分で仕事を探そう」と、退職の道へ踏み切った。
見込み違いだったのは、会社の業績が悪化していた時期に、退職金制度の変更が行われたため、
考えていたよりも、退職金がはるかに少なかったこと。
それでも何かしら仕事に就けば、老後の生活はなんとかなると思っていたが、
職業安定所や就職媒体、知人のツテなどを使っても、いまだに職は見つかっていない。
A氏は、「年金だけでは、老後の生活が成り立たない。
いつか、生活保護を受けることになるかもしれない」と暗い表情で話す。
これから、こうした「貧困高齢者」が爆発的に増加しそうだ。
2016年末には、生活保護受給世帯の半数以上が、高齢者世帯となっている。
そして、今後ますます、生活保護を受給する高齢者が、増加すると見込まれている。
☆「生活が苦しい」高齢者世帯が過半数超え
「高齢者は裕福だ」というイメージは、もう間違いだ。
「団塊の世代」を分水嶺として、前後で状況は大きく変わる。
特に1950~60年代前半に生まれた世代は、90年代のバブル経済崩壊以降、
国内外の経済危機の局面で減給されたり、リストラの対象となったりしたため、
老後資金を十分に蓄えられなかった人が多い。
厚生労働省(以下、厚労省)の「国民生活基礎調査」を見ると、
65歳以上の高齢者世帯の生活が、年々苦しくなっていることがわかる。
生活意識について「大変苦しい」と「やや苦しい」の合計は、
1995年に37.8%だったのに対して、1999年に46.1%、2004年には過半数の50.0%と上昇し続け、
10年後の2014年には58.8%に達し、過去最悪となった。
2015年、2016年にはやや改善しているが、
「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と答えた人たちが増えていて、2極化していることがうかがえる。
同じく厚労省の「国民年金被保険者実態調査」によると、
1940年代後半生まれの団塊の世代では、年金未納・免除者率が30%程度であるのに対し、
それ以降は、1950年代前半生まれ(65歳前後)で35%前後、1950年代後半生まれ(60歳前後)で45%前後、
1960年代前半生まれ(55歳前後)で40%台後半と上昇する。
保険料を納めていないのだから、受給できる年金額はわずかでしかない。
年金受給額が最低生活費に満たないのであれば、「生活苦」を感じるのは当然だろう。
こうした無年金や低年金は、現役時代の低収入が原因だ。
その象徴が非正規雇用者の増加だろう。
現在、賃金労働者の4割が、パートや派遣などの「非正社員」となっている。
1990年には2割だったことを考えると、25年間で倍増している。
この「非正規雇用率」について、「若者が非正規雇用を強いられている」と扱われることもあるが、
実は団塊世代の定年が背景にある。
定年延長で、正社員から非正規雇用に切り替わった人が多いからだ。
現在では、バブル経済崩壊のアジア通貨危機や、ITバブルの崩壊、リーマンショックなどの経済危機に巻き込まれ、
減給やリストラを経験した1950年代生まれが、年金生活の高齢者に仲間入りし始めたことで、
収入が最低生活費(現在の東京都では200万円程度)に満たなかったり、
満たしてはいても、ギリギリで貯蓄がない世帯といった、「貧困高齢者」「貧困高齢者予備軍」の増加が顕著になっている。
☆2030年には貧困高齢者世帯が500万世帯超に
先の「国民生活基礎調査」から、
無年金世帯と主収入を年金・恩給に頼る低所得(年収200万円以下)世帯数を概算すると、
「貧困高齢者世帯」は1997年には211万世帯だったが、2012年には倍以上の445万世帯に増加している。
すでに、高齢者世帯(1327万世帯:2016年現在)の4世帯に1世帯が「貧困高齢者世帯」ということになる。
そして、1950年代、1960年代生まれが、本格的に年金生活に突入すると、
2030年には「貧困高齢者世帯」は500万世帯を超えると予測されている。
厚労省が2月に発表した2016年の「賃金構造基本調査」では、
一般労働者の所定内給与は前年比0.0%と横ばいだった。
問題なのは、性別・年齢階層別では、45~54歳男性と60代前半男性、60代女性の賃金が下落していること。
労働者数を勘案すれば、40代後半~50代前半の男性が、
最大の賃金押し下げ要因となっているのは明らかだ。
また、企業規模別にみると、大企業の男性賃金のみが、全体を押し下げている格好だ。
60代前半男性と60代女性の賃金下落の要因は、定年延長だろう。
では、40代後半~50代前半の男性の賃金は、なぜ下落しているのか。
この年齢階層は、バブル期前後の「売り手市場」で大量採用された世代であり、
昇進率の低下などで、平均賃金が下がっている可能性が高い。
そして、大企業の場合、従来は昇進が止まっても「給与据え置き」だったものが、
現在は「給与引き下げ」が行われるようになっている。
これが冒頭のA氏のケースだ。
一応は60歳の定年まで働き続けることができ、定年を迎えても、
本人が希望すれば、継続雇用を受けられる。
だが、企業はそのために40代後半~50代前半の時点で、給与の引き下げを行い、
さらに定年延長後の給与も大幅に引き下げるケースが多いのだ。
40代後半~50代前半は、子どもの進学や親の介護が始まる時期でもあり、出費がかさむ。
同時に、老後の生活費を考えなければならない年齢でもある。
貯蓄に力を入れたいが、賃金が上がらないのだからそれも難しい。
☆給与は上がらず貯蓄もできず、退職金もない世代
現在の40代後半~50代前半は、就職氷河期だった団塊ジュニア世代(1970年代前半生まれ)だ。
また、正規雇用であっても、年俸制でボーナスがなく、
退職金制度もない欧米型の雇用契約をとる企業が増えている。
そうした企業の社員は、定年を迎えても退職金がないため、退職と同時に貯蓄を取り崩す生活に突入する。
十分な貯蓄があれば、「豊かな老後」を迎えられるが、
貯蓄がなければ、「悲惨な老後」が待っているだけだ。
団塊ジュニア世代が年金生活者の仲間入りを始めた時、貧困高齢者の爆発的な増加が起きる可能性は非常に高い。
生産年齢人口の減少が進むなかで、
現役世代が高齢者を支えるという現在の年金制度は成り立たないだろう。
政府は、高齢者の所得確保に向けた対策を、早急に進める必要がある。
後手にまわれば、「職なし貯蓄なし年金なし」という三重苦の高齢者が大量発生することになる。・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
敗戦後の荒廃した日本は、敗戦直後からの一部の裕福な家庭を除き、誰しも貧乏な時代を体験してきた世代である。
私より10歳以上の先代の諸兄諸姉の多くは、それぞれに奮戦し、
少なくとも世界の中でも、有数な経済大国の礎(いしずえ)を努力と英知で築かれた人々であり、
そして後続する私たちの世代、そして団塊の世代は、先輩に叱咤激励されて、奮闘してきた。
こうした結果として、確かに日本は、世界の主要国の中に於いても、
社会インフラ基本基盤として、電気、ガス、電話、上水道、下水道も殆ど整備され、
学校、病院、公営住宅もあり、鉄道・バス路線、そして道路、高速道路もあり、港湾、橋梁なども、
整備されている稀な国家でもある。
そして年金、医療、介護などの社会保障制度も、多少の難題がありながらも存続している。
その上、経済は都心の一部は活性化しているが、地方は未(いま)だに低迷している現在さえも、
殆どの国民は飢えることなく飽食の時代となり、
医療の充実もあり、主要国の中でも最先端の長寿化の超高齢化社会の時代を迎えている。
私たちが過ごしてきた昭和の時代は、日本の多くの人たちは一生懸命に働けば、年収も毎年増え、
そして家族全員で、明日に希望が持て、実感できた総中流社会であった。
こうした中で、私たち年代を含め多くの先輩、後輩の男性は、
一家の主(あるじ)、或いは夫として、もとより家計の責務で奮闘して働いていた。
そして妻の多くは後方支援となり、育児、料理、掃除、洗濯、交際など専業主婦として奮戦し、
昭和妻の責務を果たしてきた。
やがてバブルが終息し、そして平成元年(1989年)11月10日からベルリン市民に寄る『ベルリンの壁崩壊』した後、
まもなくソ連が崩壊し、世界の諸国の政治はもとより、外交・軍事・経済、やがて社会が一変した。
そして世界の経済が自由主義経済の一色となり、やがて日本は失われた15年で、
主要各国や躍進してきた中国などに国際競争力に敗退し、かっての高度成長の総中流社会の再現は、
見果てぬ夢となった。
そして殆どの民間会社は、社員が一家を養(やしな)うだけの給与を支払う余裕もなく、低下してきた。
やがて私は確か5年前の頃、働いて下さる現役世代の男性の民間会社に勤めている正社員の人たちが、
平成9年( 1997年〉の時点から、年収が横ばいと知り、無力な私は悲嘆した・・。
私は何かと働いて下さる現役の諸兄諸姉に注視するのは、
もとより日本の社会保障制度の年金、医療、介護の基盤は、
高齢者が使う費用は、その時の現役世代が保険料や税で負担する財政方式(賦課方式)を取っているので、
働いて下さる現役世代の諸兄諸姉が、その時の高齢者を支えている現実からでもある。
周知の通り、失われた15年での中、政治は混迷、経済は低迷、そして社会も劣化した後、
ここ10年は特に、たえず短期に成果を問われる勤務となっている。
そして大企業の正社員であっても、常時リストラ時代と称せられ、
多くの会社は正社員は6割、契約社員、アルバイトなどは4割、と知り、深く憂いたりしてきた。
このように私は漠然としながら、敗戦後から昨今まで感じ受け止めてきた・・。
今回の記事を読み、私が思ってきた以上に、それぞれ生まれた世代により、
やがて高齢者になっても、年代格差があり、何かとプラス思考の私でも驚嘆させられた。
何よりも《・・給与は上がらず貯蓄もできず、退職金もない世代・・》には動顛させられて、
こうした世代が高齢者になると、、《・・「貧困高齢者」が爆増・・》する時代が到来する。
私は無力で裕福でないが、私より先代の諸兄諸姉、後続する私たちの世代、そして団塊の世代は、
幸福な時代を過ごせてきた、と改めて感じ深めたりしている。
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