娘が手に持った袋から直に食べる可奈
しかもこの後キャットフードも食べていた・・; 太るぞ
同じ夜 アリブの伯父である外務大臣ダルク・マシャール 内務大臣サラディン・セイム そしてオマー王の弟で一時は王候補と思われた将軍長カリク・シャラディクも食事していた
カリクは「ただの飛行機乗りさ」と言っている
彼らは揃って56歳
子供の頃からの幼馴染で三羽烏と称されたこともある
今夜も話題は自然と次の王の話となった
「確かにオルクはまだ若いが良き補佐がつけばー」と内務大臣サラディンはオルクに好意を持っているようだ
「若いだけに操りやすいと?」ダルクが眉を上げる
「カシムには異国人の血が流れている しかもまだ独身だ」
「カシムはいい王になるだろう アラディンの体が弱いのは残念だが わたしは案外アラディンが一番良き王となる素質を持っていると思う だがカシムはよくやっている
だがオルクはダメだ」
カリクが断言したところで サラディンは黙り込んだ
久々の会食だ 喧嘩をしたいわけではない
三人の王子それぞれ 王にと推す派があり それは国が乱れる原因となる
力づくで意見を通そうとする者達もいるのだ
外務大臣 内務大臣 二人の友を見送って 彼らの姿が消えるとカリクの鷹揚な笑顔も消えた
災いは・・・身近にある それを誰かが断罪しなくてはいけない
兄を王とする為にカリクは軍に身を置き続けた
この国の独立を守らなくてはならない
他の国の口出しを許してはならない
そのためにはー
楽しかった子供の頃を思い返す
三つ子のように いつも三人で 時には揃って兄から叱られることもあった
それはまた嬉しかった
同じ方向の夢を見ていたはずが 何故こうも違うほうへ そしてそれを正しいと信じてしまうのか
ーもう我等は手を取り合えないのかー
だが叔父としてカリクはカシムやアラディンを助けてやりたかった
この国のために!
それが免罪符となるのだろうか
重い闇がカリクを包む
ーなんの!闇なら飲み込むまで!-
力強くカリクは頭を上げた
心が決まったのだろう
そうして寝室で 男を待つ女もいる
入ってきた男を寝台に引き入れ「ワタクシの国が ワタクシが貴方を王にしてあげる カシムのおばかさん 」
「これほどの美女に見向きもしないとは確かに大馬鹿だ」
艶めいた男女の笑い声が夜へ流れる
そうして動き始める 様々な人の心と共に 流れていく
男だけどベビーシッターを志すキッカケとなった少年時代のギンの話も入った― ほんわか楽しい大和ワールド♪
新刊に書店で遭遇すると古い知人と再会したような嬉しさがあります
片栗粉と卵の衣をつけて揚げ
バター ケチャップ ブィヨン ソース 砂糖 好みの味付けのソースにからめて少し煮て出来上がり―です