十時半睡(とときはんすい)事件帖シリーズ第五集
「半睡、江戸へ」長男の恋の不始末から自ら役目を退き 念願の隠居生活に入った半睡
しかし 張り合いがない 退屈だ 早くふけこみそうだ
そこへ 江戸にて役目についてほしいと頼まれ
江戸での揉め事で兄が死に その痛手から母も死んだ 不運な若者を若党に引き立て 半睡は江戸へ向かう
「赤坂中屋敷」江戸につき知らぬ者ばかりの中で それでもその懐の深さで半睡は じわりと人の信頼を得ていく
「旧友」かつて同じ役目にいた相手は再会した時 既に隠居生活に入っていたが 孫にしか見えぬ息子を連れていた
元々の嫡男 妻は 不慮の事故で死んだと言う
以来 男は人が変わったのだ
「江戸修業」賢く弁も立つが人間的にはアホ!な男が出てくる
{才気秀ずといえど、言語軽躁なるは儒者の下品(げぼん)とする}この言葉を思い出し 半睡は「あやつのことだ」と思うのである
「出世長屋」そこへ入ったものは何故か出世するらしい長屋
そこへ福岡は黒田藩から出て来た男が入った
よく当たると評判の女占い師は彼に「剣難の相がある」と言うが―
「目には青葉」他藩の屋敷から逃げ込んできた若侍が 自分の名前を覚えて頼りにしてくれた―というだけで 命を賭してこれを守ると言う地味に生きてきた男
半睡の考えついた血を流さぬ解決策は・・・・
解説は植村修介氏
半睡の生きたのは江戸時代のいつ頃か
その頃の物価とは―などと言った考察も楽しいです