嫉まれて小町娘と呼ばれる顔に傷つけられたお吉はしかし 強く生きる事を決意する
時の権力者だった老中に返り咲く騒動の中 お吉はある密命を受けて
お吉の顔を傷つけながら お師匠さんが贔屓するからと 反省もせず逆恨みし 男に遊ばれて捨てられ あてつけの自殺騒ぎを起こし まだ我が儘言うお糸
我が身さえよけりゃ 妹弟子が死んでもかまわない
世話になったお殿様の為なら
楽しめる筋立て 人間関係です
ただ 最後が余りに呆気なくて
願わくば登場人物が その後どうなったか 少し書いて欲しかったなと
お吉は幸せになっただろうかと
知りたいなと思うのです
小川はエレベーターの中で意識を失い 気がつくと 周囲に見知らぬ三人がいた
怪しい関西弁男
バッタのような服のオタク男
奇妙ないでたちの黒いずくめ魔女もどき
エレベーターに乗る前 小川は妊娠中の妻から「お腹めっちゃ痛い」と 助けを求める連絡が入っていた
なのに三人は教える
我々は閉じ込められた
エレベーターは動かないと
二転三転
乗り合わせたのは偶然でない事がわかる
エレベーターの扉が開く時
死体ができる
以前ドラマ化もされております
永江朗さんの解説も楽しく読みやすいです
エレベーターに乗ると扉以外の脱出口を何故か探してしまう私ですが
最近のエレベーターって 天井から出られないように 照明とか障害物のトラップ(笑)あったりして 中からは出られないのが 多いです\(☆o☆)/f^_^;
下駄職人であった父は 不貞の妻を刺し 自殺するが 父親に殺されそうになった三男の平吉は逃げ出し サーカスに引き取られる
そこで母と会っていた男丈吉に芸を教えられ そこそこにシアワセな日々を過ごしていたが
ある志持つ丈吉は サーカスを抜けてしまう
怪人二十面相なる大怪盗になる為だった
名探偵明智小五郎と好勝負を繰り返し
ある事件を最後に姿を消した
敗戦後 復員した平吉は サーカスで仲間だった吉三と再会し 力持つ張に紹介される
みなし子の葉子と暮らし
二代目 怪人二十面相となることで 丈吉と再会し 生きているかもしれない母を見つけようと 決意するのだった
江戸川乱歩の小林少年はここでは 正義の味方ではありません
明智も人形のような整った顔はしているが
蛇のような眼の持ち主であると
善悪入れ替わるー
怪人二十面相 誕生の物語
「ママがいなくなると寂しいな・・」次のママになるアイコが呟く
「同類じゃないことは わかってたけど あたし達は ママのまりいさんへの一途さ見るの好きだったの」
店で二番手に古いケイコが言う
「かなわぬ恋・・・ そう思いながら ママのまりいさん見る目にときめいていたのよ
気付かないのは・・・まりいさんだけ」
これはリカ ふりふりのミニスカートが似合う脚線美が自慢のコだ
「悪かったわ・・」アタシは頭を下げる 今更かっこつけることじゃない
知っててこのコたちは働いてくれた 仲間に加えてくれてたのだ
店は数日休んでちょっとお色直しして アイコママのもと開店となる
「ママまた連絡頂戴よ 」「絶対よ」「ママ泣かないでよ」
有難う心優しき妖精達・・・ 異形の天使
店の前で 別れる
それなりに頑張ってきた店
アタシから「俺」に戻るのは・・・・ひどく簡単で寂しい・・・
一夜明けて 俺は 久しぶりにまりいにメールを入れた
「会えそうなら連絡がほしい」
返事は なかった・・・・・
まりいの相手の男を見て確かめたかったが
いつもなら 新しい男を見せようとするのに それもない それだけ本気なのだろうか
いいさ
俺は携帯を変えた
部屋の鍵も
前の鍵は まりいがスペアを持っている
深夜・・・・騒ぎは起きた
ドアが どんどん叩かれる
「どういうこと どういうこと ツマコ 開けなさいよ!開けろ いるんでしょ 開けなさいよ」
大きくドアを開ける
白いコート 乱れた長い髪 両手をコブシにして ふりあげて まりいが立ってた
「もう・・ツマコじゃない 小妻正太郎だ」
「何よ それ それ そんなのどうでもいいわよ 店はママが変わったって・・電話は使われてないって
全部いったいどうしたって言うの」
俺は まりいの腕を掴んで部屋にひきずりこんだ
「痛い 何するのよ 」
部屋を見回す「なに・・・これ 何もないじゃない」
「女が夜 男の部屋に乱入したんだ 何もないじゃ 終わらないんじゃないのか」
「ツマコ?」
「付き合ってる男がいるんだろ 俺のことはほうっておいてくれないか」
棚からブランデーをグラスに注ぐ 自分のだけ 一息に煽った
「どうしたの?」
「君が見てるのは どうしたって届かない思いに絶望した男だ しかも諦めきれずにいる自分に気付いちまった」
「何 言ってるのか わからないわ」
「だろうな・・いいさ・・・ 今度の男は どんなやつだ? 座れよ 寒そうだ ホットオレンジ作るから」
冷たくはしきれない 俺は君をずっと愛してきた
最後の思い出に 力づくでもーとも思ったが・・・・・
結局 泣くまりいを見たくはないんだ
「今度の男って・・・ こないだの結婚式に付き合ってもらったツマコと同じことをしてるだけよ
ろくでもないボンボンで 同じ女性を続けて連れると 女が勘違いをする
だから一応連れの女性は必要
だけど・・いい出会いがあったら 姿を消してあげるーって
こっちもあちこち行けて退屈しないから いい時間つぶしになるんだわ」
「ふうん」
「何よ 信じないの そっちこそ 中島華子と付き合ってるんじゃない だから男に戻るんだわ
店も閉めて」
できたホットオレンジのカップをテーブルに置いた「ほら」
まりいがマグカップを抱え込む
「華子ちゃんはカワイイ」と言ってやった
「今夜のツマコは意地悪だわ」
「意地悪のやきもち焼き それが本当の俺さ」
まりいの白い指 形の良い唇 細い首
目に焼き付ける
「飲み終わったら帰れよ 」
「う・・うるさいわね 言われなくても 飲み終わったら帰るわよ バカ
頼まれたって もう もう来てあげるもんですか」
「うん」俺は少し笑った
部屋を出て行くまりいに声をかける
「さよならだ まりい」
一瞬 まりいの動きが止まる
腕を捉え 顎を奪い・・・口付ける 一瞬抱きしめて・・部屋の外に追い出した
当然のことだが・・・・久しぶりに味わうまりいの唇は・・・オレンジの香りがした