原作 ダシール ハメット
脚本と監督 ジョン ヒューストン (初監督作品なのだそうです)
ハードボイルドの代名詞にもなった探偵サム スペード物
舞台はサンフランシスコ
探偵事務所への依頼人はワンダ リーと名乗る美女(メアリー アスター)
サムの相棒のマイルズ アーチャーが その依頼を引き受けサーズビーの尾行をするが マイルズとサーズビーは死体で発見される
警察 ダンデイ警部補(バートン マクレーン)は マイルズの未亡人とサムの仲を疑う
ワンダはブリジットの偽名とわかる ブリジットはある企み持ちサムに近づいたのだ
男好きする魅力持つブリジット 美貌と肉体を武器に生きてきた雰囲気がある
一方サムの探偵事務所を手伝うエフイ(リー パトリック)は落ち着いた雰囲気の金髪美人
150センチくらいの小男のカイロ(ピーター ローレ)は サムに5000ドルで黒い鷹をみつけてくれーと言ってくる
恋を仕掛けるブリジット サムは巧みに立ち回り少しずつ謎を解いていく
皆が欲しがる黒い鳥とは 黒い鷹とは何なのか
サムの作戦が当たり黑い鷹を求める男カスパー ガットマンからホテルの部屋に来るように電話がかかる
サム「ガットマンさん 待ってました12Cですね」
銃持つ男ウイルマー クックが サムへの敵愾心むきだしに待っていた
ガットマンとサムの会話のセリフの一つ一つが楽しい
ガットマン「よろしい 無口な男は信用ならん」
ガットマン「エゴを認める男は信用できる」
一度目には黒い鷹の説明はしないし手を組むともいわないガットマン
サムは激昂する芝居をし 相手の出方を探る
帰るサムと入れ違いに ガットマンの部屋へ向かうカイロ
二度目に会った時にガットマンは黒い鷹についての話をする
昔の騎士団の富 聖なる戦いは略奪でもあったのだ
スペイン王へと騎士団が贈るためにこしらえた黄金の鷹 とりどりの宝石が埋められた
形容しようなき宝
船と共に沈んだはずの黄金の鷹は 1840年に姿を現した時黒いエナメルが塗られていた
ギリシャの美術商がそれが「黄金の鷹」であることを見抜き 再び黒く塗った
用心したもののギリシャの美術商が殺され 鷹も行方不明となる
ガットマンはもう17年も鷹の行方を捜し続けている
ガットマン「必ず手に入れる」
話を聴くうちサムの様子がおかしくなる 意識を失う薬をもられたのだ
倒れたサムの頭を強く蹴るウイルマー
カイロも一緒に男達はホテルの部屋を出ていく 倒れたサムを残して
意識を取り戻したサムは探偵事務所に電話してブリジットがいなくなったことを教えられる
サムを演じるハンフリー ボガートは時々歯をむき出す
これは日本の俳優ジェリー藤尾も時々する表情だ もしや意識してマネていたのだろうか
サムはホテルの部屋の新聞からか ザ パロマ号の記事に目を留める
船は火事
事務所に戻ったサムはエフイに頭の怪我の手当てをしてもらう
そこへ入ってきた男は新聞紙に包んだ荷物を「鷹だ」と投げ出し こときれる
ここまで歩けたのが不思議なくらいの傷を負っていた
男は火事になった船のジャコビ船長(ウオルター ヒューストン)
ウオルターはこの映画の監督ジョン ヒューストンの父親なのだそうです
ブリジットから助けを求める電話がかかりました
サムは警察に鷹の包み以外は本当のことを警察に話すように指示します
黒い鷹を預け いちおう今後の行動のこれを保険にします
フランクが運転するタクシーで教えられた場所に向かいますが ブリジットの姿はありませんでした
エフイに家に戻るよう公衆電話から連絡し 事務所へ向かうと
「ずっと待っていたの」とブリジットが姿を現します「ずっと待ってたの」
部屋ではガットマン カイロ ウイルマが待ち伏せしていました
絡んだ糸を解いていくサム
誰が誰を殺したのか
船長を殺したのはウイルマー
やがてサムの指示でエフイが船長がもってきた黒い鷹の置物を届けにきます
しかしそれは偽物でした
殺されたギリシャ人の美術商の用心でした
ガットマンは言います「手にしたものが所有者だ」
彼はくじけず 鷹が消えた場所まで探しにいくのです
彼らが逮捕されるように警察に通報したサム
サムにはもう一つ仕事が残っていました
一緒に探偵事務所をしていた相棒のマイルズを誰が殺したのか
それはブリジット
彼女も黒い鷹 黄金の鷹 マルタの鷹に魅せられた一人
そのためなら他人の命など惜しくはないのです
マイルズなんてたいした男じゃないーと言うブリジット
「マイルズを殺した罪を償え
男というものは 相棒が殺されたなら カタをつけるものなんだ
探偵というものは探偵殺しを逃がしたらー」
私を愛してるでしょ 二人の愛のほうがマイルズの命より大切なはずーとブリジット
サム「君を信用できない」
男たちを操り死に至らしめた女
サムの金に汚いという評判は探偵の仕事のための偽りの看板
事務所へやってきた警察にサムはブリジットを引き渡します
黒い鷹に目を留めたサムをよく知る刑事が尋ねると サムは答えました
「こいつは夢がつまった鳥さ」
警察へと連行されるブリジットと目が合うサム
しかし それだけです
ブリジットはサムの相棒を騙して殺した女
自分の目的のためなら 男を愛しているふりもする
ひかれていたかもしれない
しかし事件が解決した 今は もう過去の女
この時代の男たちはやせ我慢を貫きます
心の奥底には正義
それが美学
たとえ孤独でも己が決めた倫から外れは 堕落(お)ちはしないのです
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