破裂 下 (幻冬舎文庫 く 7-3) | |
久坂部 羊 | |
幻冬舎 |
夫のいる身ながら 江崎に心を寄せる枝利子は 自分を求める夫にこたえられない
江崎もまた 枝利子への欲情を持て余す
江崎を慕う看護師の安倍は切ない
香村の手術ミスを認めさせようとする弁護士の露木だがー
江崎は中毒の為に職場で失敗し 身を隠す
半ばホームレス状態になった江崎にも 献身的に尽くす安倍
事件を追う松野は 生きながら焼き殺された
厚労省のマキャベリと呼ばれ あらゆるあくどい手を使ってきた佐久間だが 遂に報いを受ける
野望でジタバタしていた香村も 恨み持つ人間により殺された
このままでは高齢者大国になるとして 人為的なポックリ病で高齢者に死んでもらおうと企む佐久間
香村の研究する成功してない欠陥ある治療法が 佐久間の企みに丁度良かった為に 香村を取り込み研究だけ横取りする予定だった
医師がその職業の良心を失ったらー
しかも良心を失っている医師を患者は見分けられない
患者は医師を信じるしかない
医師の処方する薬を信じて服用するしかない
「信頼」を裏切らない医師であってほしいと願いながら