ミュージカル映画です
原作そのままではないので ちょっと度肝を抜かれるような始まり方をいたします
お腹を空かせた姪の子供の為にただ一個のパンを盗んだ為に捕えられ苛酷な労働を強いられたジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)
囚人24601号としての19年
下向け 下向け 死ぬまで徒刑の身 あと20年 この生き地獄 どうか聞いてくれ
イエス様は知らぬ顔
下向け 下向け とっくに忘れたさ
ここを出たら一目散 消え失せる
囚人たちは希望の無い暗い歌を歌っています
ジャベール(ラッセル・クロウ)が番号でジャンを呼び 水に浸っている旗をとってくるように命令
太い木に結わえられとっても重い大きな旗を背負うようにして持ち上げるジャン
ヘラクレス並みの膂力が無ければできることではありません
その許可証は一年もの赦免で出ることとなったジャンですが 完全なる自由ではありません
許可証には危険人物と書かれており その為に何処に行っても仕事をもらえません
盗みの罪は5年ですがジャンは度々脱走を企てた為に19年もの囚人暮らしとなったのでした
ーついに自由だ 奇妙な気分だなーとジャン
けれど生涯 仮釈放の身
仕事はなく人々は冷たく 心はますます荒んでいきます
ジャンを見つけた司教様(コルム・ウィルキンソン)は「持てる物はわかりあわねばー疲れた様子だね 心の痛みも恨みも今は忘れて」と
手厚くもてなしてくれましたが ジャンはその教会にある品を盗んで逃げて捕まります
ジャンはもらったのだと盗んだ品について言い訳してました
司教様は言いました「そうです だが友よ 急ぎ過ぎて うっかりなされたな これも差し上げたのにー最上のものを置いていくのかね」
司教様の言葉はジャンの心にもしみました
「神の御心です この銀の燭台を使って正しい人に
殉教者たちの証言とイエス様が流された血により 私は数多の魂を救い神に捧げよう」
「神よ 俺はなんてことをした! こそ泥になりさがるとは!
別の人生があるというのか
恥ずかしさで胸がはりさけそうだ
悔い改める
ジャン・バルジャンは死んだ
俺は生まれ変わるのだ」
そう誓ったジャンは8年後 名前を変えてマドレーヌとし 市長となって尊敬される人物に
しかし ここにジャベールが警部として赴任してまいります
事故にあった老人を救う為に動いた市長の怪力ぶりに ジャベールはジャンを思い出してしまったのでした
ひそかに当局にジャンのことを問い合わせます
ジャンがもめごとの解決を工場長に任せた為に ファンティーヌ(アン・ハサウェイ)は工場をクビになりました
娘のコぜット(イザベル・アレン)を預けた宿屋の主人からは コゼットが病気だからお金を送れと手紙が届いているのに
ファンティーヌの美貌を妬む女達の嘘と工場長の意地悪により
長く美しい髪を売り 歯も売って それでも足りずに自分の身も売るしかなくなったファンティーヌ
夢破れてー嘆きの歌を歌います
乱暴な客のからかいに殴ってしまったファンティーヌは 通りかかったジャベール警部にその客から嘘の訴えをされます
捕まれば娘にお金を送れない ファンティーヌはジャベールの慈悲を乞いますが 実はジャベールが一番憎むのは娼婦なのでした
自堕落な生活送る売春婦
それはジャベールの母親 ジャベールの母親は監獄でジャベールを生んだのでした 父親も犯罪者だった
だからジャベールは法しか信じません
人の情よりも 法こそ正義
ましてや身を売る娼婦なんぞの言うことなど
その場に居合わせたジャンは 工場で働いていたファンティーヌだと気付き驚きます
自分がもめごとの解決を安易に工場長に任せたためにー
痩せ細ったファンティーヌをジャベール警部の制止も聞かず 抱き上げて病院へ運ぶジャン
ファンティーヌの願いは娘に会うこと 一緒に暮らすこと
彼女の命は もう長くありません
ジャベール警部はジャンに謝罪に来ます
ジャン・バルジャンという逃亡者ではないかと市長を疑っていたが 既にジャン・バルジャンらしき男はとらえられており裁判を待つ身であること
立派な市長を疑った自分に処分をーと言いだすジャベール
しかし職務の上のことだーと許すジャン
ジャンは悩みます
このまま黙っていれば尊敬される市長として生き続けることができます
けれどそれでは別人が苦しむことになるのです
無実の罪で
彼は決意し裁判に乗り込み 自分がジャンだと名乗り出ます
やっぱりそうだったんだーと捕えようとするジャベール
川に飛び込み逃げて ファンティーヌとの約束を果たす為にコゼットを迎えに行くジャン
ファンティーヌの死の間際の願い その約束をー
狡猾で強欲な宿屋の夫婦からコゼットを買い戻し 逃げるジャン
コゼットの髪の輝き その存在に
彼女を大切に守り育てることを決意するジャン
執拗にジャンを追うジャベール
かつて助けた人間のおかげでジャンは住む場所も得ました
貧しい人々への慈善も続けています
コゼット(アマンダ・サイフリッド)は美しい娘に育ち マリウス・ポンメルシー(エディ・レッドメイン)に一目惚れされました
コゼットの心にもマリウスが
あの宿屋の主人夫婦の娘のエポニーヌ(サマンサ・バークス)はマリウスを想っておりましたが その気持ちに気付いてもらえません
幼い頃 遊んだこともあるコゼットであることにも気づきました
両親のあくどい仕事の手伝いもしているエポニーヌはパリの街に詳しいです
コゼットにこがれるマリウスの為に 家まで案内もしてあげるのでした
けれどエポニーヌはとても辛い
宿屋の主人は娘を奪われたとしてジャンのことをジャベールに教えます
ジャンを見つけたジャベールは 今度こそ捕えると喜びます
両親がジャンとコゼットの家へ強盗に入ろうとしたのを悲鳴をあげて邪魔するエポニーヌは 父親から殴られました
その声を聞いて暮らす家を移すことにするジャン
嫌がるコゼットを馬車に乗せて
学生達は国の現状を憂え革命を起こそうとしていました
かつてのフランス革命のように 再び市民の力で立ち上がるんだ
その動きをジャベールは知っており 学生達の中に潜入してきます
前の家にコゼットが残していった手紙はエポニーヌが奪っており コゼットの行方がしれず絶望するマリウスも学友たちの起こそうとする闘いに身を投じます
マリウスが少年に託した手紙で コゼットへの真剣な想いを悟ったジャンは マリウスを救うべく向かいます
手紙をジャンの所に届けた少年により警部であること スパイであることを暴露されたジャベールは捕えられておりました
ジャンは襲ってくる兵達との戦いに参加して ジャベールの処分を任してくれとー
ジャベールの両手を縛る縄をナイフで切り 外して撃ってジャベールを逃がすジャン
激しく雄々しく戦った学生達ですが弾丸も不足し 少年はバリケード外で死んでいる兵の武器と弾を奪いに出てー兵に撃たれ息絶えました
賢く勇敢な少年であったのに
エポニーヌも撃たれてーマリウスの腕の中で死んでしまいました
次から次に学生達は殺されていき マリウスも負傷し倒れます
ジャンはマリウスを背負って下水から逃げるのです
死者を眺めるジャベールは 少年の亡骸に目を止め 自分の胸の勲章をつけてやりました
この男にも情があったのです
ジャンの死体が無いことから 下水から逃げたのではと上がってくる先を予測し向かうジャベール
下水の中で落ちている死者たちから金目のものを奪っていた強欲な宿屋の主人テナルディエ(サシャ・バロン・コーエン)はマリウスも死者と思い込み
その指から指輪を抜き取り 今度はジャンに向かいます
起き上がったジャンはテナルディエを殴り出口を聞き出します
マリウスを肩に担いで地上へ向かうジャン
立ちはだかるジャベール
ジャンはマリウスを医者に診せる時間をくれと頼みます
その頼みを黙認する形をとってしまったジャベール
彼は苦悩していました
今迄 自分が信じてきたもの 法こそ正義とは正しかったのか
答えの見つかりようもなく 彼は自分の存在を消しました
川に向かって身投げをしたのです
マリウスはコゼットの看病もあり元気になりました
マリウスにジャンは自分の過去を話し だから姿を消す コゼットには旅に出たと話してほしいと伝えます
やがてマリウスとコゼットの結婚式に あのテナルディエ夫婦がこそ泥のお仕事しようと招待客のふりをしてやって来ます
テナルディエを捕え追い出そうとしてその指にはまる自分の指輪を見つけたマリウスはジャンこそが自分を戦場から救い出してくれた命の恩人であったと知りました
テナルディエからジャンの居場所を聞き出したマリウスはコゼットの手を取り 二人してジャンのもとへ駆け付けます
ジャンの命はもう長くなく 天国よりファンティーヌが迎えにきています
ジャンの罪はゆるされたのだと
マリウスとコゼットはジャンの危篤に間に合いました
ジャンは喜びの中で死んでいきます
肉体を抜け出た魂はあの恩ある司教様に再会するのでした
そうしてこの世を去った者達は その中にはあの少年も学生達もエポニーヌもいます
力強く歌いながら 映画は終るのでした