蛇行する月 (双葉文庫) | |
桜木 紫乃 | |
双葉社 |
高校時代 仲の良かった女友達
学生時代 谷川先生が好きで騒動も起こした順子は和菓子店に就職し そこの店主の子供を妊娠し 店主と東京へ逃げた
1984年 清美は順子から「東京に行く」という電話を受けた
自分の生き方 暮らしを見直した清美は転職し 実りない交際相手とも別れる
1990年 桃子は家庭持ちの男と関係を持っている しあわせだという順子の暮らしを見に東京へー
桃子の思う幸せとは違うけれど 順子は生きていた
1993年 弥生は店の女の子の順子と逃げた夫の居場所を知る
もう失踪宣告を受けようと手続きを進めている今になって尾崎とのことを考えていた
けりをつける為に東京で夫と会う弥生
2000年 美菜恵は学生時代に想いを寄せていた谷川と結婚することになった
友人の順子との経緯も気になる美菜恵
谷川は穏やかで優しい男
このまま結婚していいのだろうか 美菜恵の中にある逡巡
はっきりしないもやもやする想い
2005年 静江は一人で生きていた 一緒に暮らしていた男は若い女へ走った 回される仕事はキビシイ
娘の順子に会いに行く静江
真っ直ぐに生きている順子
静江は きつい仕事を続ける
2009年 直子は看護師を続けている 両親も看取った
順子からの手紙の文面が気になり 直子が会いに行くと 順子は病気で死期も近いのだった
男所帯には母の静江が来てくれる
自分の目は 角膜移植で息子の目となる
そう明るく話す順子
両親の死へのわだかまりがあった直子は順子の様子に 溶けて行くものを感じる
いつも一生懸命だった順子
友人たちや関わった女性へ なにがしかの影響を与えている
人の数だけ幸せも不幸もある
不幸と思えば不幸
幸せと思えば幸せ
この手で掴んだと思った幸せは ずうっと続いていくものか
それでも 生きて行く明日へ向かって