夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

三上延(みかみ えん)著「ビブリア古書堂の事件手帖 7 ~栞子さんと果てない舞台~」 (メディアワークス文庫)

2017-04-22 21:57:12 | 本と雑誌
ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)
三上 延
KADOKAWA



ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ7作目で一応完結
でも番外編とか 本シリーズで書き残された話はまだ書き続けられる予定なのだそうです

推理力ある聡明で美しい篠川栞子さんはビブリア古書堂の女主人

そこでバイトするうちに栞子さんに想いを寄せるようになり 晴れて両想いとなったのがシリーズの語り手 五浦大輔

栞子さんには進学を控える妹がいます

姉妹を置いていなくなっていた かなり厄介な性格の栞子さんによく姿が似た母親も

その母親の智恵子さんの父親が生前仕掛けたコトを 引き継いだような吉原が今回あれこれかき回してくれます

本にまつわる謎を栞子さんが解いてきたシリーズ 

栞子さんと大輔 
どうやら結婚となりそうです

「いつかヒョウ柄で無くなるまで」

2017-04-22 11:04:49 | 自作の小説
門柱までがヒョウ柄の家を見下ろす存在があった

残念ながら人間には普通は見えない存在だが

それは全身を覆うローブというか ロングガウンというか ヒョウ柄のそうしたモノで身を包んでいた
白皙の眉間に刻まれた深い縦皺
不機嫌そうな美貌が 家中ヒョウ柄という家を見下ろしている


「特定の人間が気になったら それはもう恋だ」
陽気な声をかけられたヒョウ柄美男はますます眉間の皺を深くした

新たに登場したモノは ゆったりした仕立てのフリルつきのブラウスもパンツも全身白で何故か背中にスライスした鴨を入れた袋と葱を背負っている

「おお いつもながらヒョウ柄が良く似合っているぞ」
と爆笑するのだった


ヒョウ柄美男は嘆く「ああ あの時 じゃんけんに負けたばっかりに このザマだ」

そう このヒョウ柄はもともとはカモネギ背負い男のモノだった

おそろしいほどじゃんけんに弱いひょう柄美男は カモネギ背負い男とのじゃんけんに負けたその日からずうっとヒョウ柄を着ている

カモネギ背負い男は もう二度とじゃんけんをしてやらないでいる
恐ろしく身勝手だった
「もう じゃんけんをする気分じゃない」


「なんでそのスタイルで鴨と葱を背負う?」

「これぞ俺のポリシーだ 何しろ俺はカモネギ大魔王なのだから」

カモネギ大魔王とヒョウ柄美男の神様は どういう家族構成かきょうだいなのであった

カモネギ大魔王は兄の権限をふりかざす

ヒョウ柄美男は神様なのに おにいちゃんに勝てない
じゃんけんだけでなく

「お前もヒョウ柄信者をふやしているようで めでたいぞ」


ヒョウ柄美男神は 実はヒョウ柄は嫌いなのだ

なのにヒョウ柄を信仰する ヒョウ柄好みの女性を気にしてしまう

「お前があの娘を応援するならば 俺は弟の方を応援してやろう」
とカモネギ大魔王は言いだした

完全に面白がっている

さてこのカモネギ大魔王とヒョウ柄美男神の ひどくゆるいずっこけたやりとりは 地上の姉弟にどんな影響を及ぼしていくのだろうか

そしてヒョウ柄美男神は いつかめでたくヒョウ柄を脱げる日が来るのだろうか

桜木紫乃著「硝子の葦」 (新潮文庫)

2017-04-22 01:17:00 | 本と雑誌
硝子の葦 (新潮文庫)
桜木 紫乃
新潮社


火事で女が死んだ

そこから物語は過去に遡っていく

母親の愛人だった男と結婚した節子
夫の勧めで歌集を出している

その夫は交通事故で意識不明

節子と正反対の歌風の倫子は娘のまゆみを節子に預ける

節子は前妻の娘の梢にバイト代わりにと まゆみを預けた

倫子の夫は どうしようもないDV夫

覚悟を決めた女達は 軽々と人殺しをやってのける


節子の以前の雇主の澤木は 節子の結婚後も男女の関係を続けていた


節子が火事で死んで 節子の夫の葬儀も終わってから 刑事の都築が澤木を訪ねてきた

ある疑問を持って・・・


節子と節子の母親の律子は姉妹と間違えられるくらいによく似ていた

行方不明の律子

火事で死んだのは本当に節子だったのだろうか


澤木はある場所へ確かめに行く


ー生きていてくれたらいい それでいいー

逃げてくれ
逃げてくれ

刑事が疑っている


都築はそこまで来ている



暴力をふるう夫を殺した倫子
その娘のまゆみ

まゆみが どういう人間に成長するのか
ひどく不気味でもある



普通に幸せに生きることもできない
幸せを選べない人間もいるのかもしれない

そんなふうにも思わされる物語です