ロズモンドの事から自分の事へと心を切り替えるのに リザヴェートは少し時間がかかった
「つまり それは・・・・・」
言わずもがなのことを確認しようとするリザヴェート
「リザヴェート姫 あなたを愛している そういうことです」
「嬉しいと思う自分がいます 何故あなたがわたしを愛して下さるのかはわかりませんが」
「愛していると言ったことに対し あなたが嬉しいと思ったことに 僕は驚いているけれどね」
「わたし達 変ですね」
などと 変に面倒なやりとりをするダンスタンとリザヴェートだった
リザヴェートから離れたベルナーは ディスタン王から聞かされた話に困惑していた
そうそれは少し前のことだが
皇女ファナクは同盟の話を正式なものとする為に ベルナーがレイダンド国の王族リオデールとしてアクシナティ国への彼女の帰国の旅に同行することを知った
まだ あと少しベルナーを見ていられる
その喜びとは別にファナクは船旅にロズモンドに付き添ってほしいと望んだ
心を込めた世話をしてくれるロズモンドを今やファナクは姉のように慕っていた
ファナクの望みの言葉にロズモンドは 慎ましくこう答えた
「レイダンドの姫様方が許して下さいましたら」
ベルナーが先のレイダンド国王ランデールの忘れ形見リオデールであり 身分違いとベルナーへの想いを押し殺し自分の胸の中だけに閉じ込めようともがいている
船の中でベルナーと同じ時間を過ごすことは ロズモンドにとって辛いことであったけれど
ロズモンドの考えを知らず ベルナーへの恋を応援したい姫君達は 短い時間にそれほどまでも頼りにされるようになったロズモンドを褒めたたえ同意
「旅のお土産話を教えてね」
メリサンドとカズール・シャンデ将軍は異国への危険な旅への参加に反対したがー
「皇女ファナク様を無事にお送りしてまいります」とのみ 淑やかにロズモンドは答えるのだった
ディスタン王もまだ同盟が成立していない国への旅を案じている
ベルナーを派遣するのだって止めたいくらいだったが
「だからこそ魔法使いでもある僕の出番かと いよいよ危ない時には術にて身を護りますから」
自分が行くことには笑顔だったベルナー
ー少しの侍女はいるとしても男ばかりの船に・・・・
限られた同じ空間にロズモンドの姿を見て 傍に居て・・・
この俺の彼女が欲しい!その気持ちを抑えきれるのか!
魔法使いとして生きるなら諦めなくてはいけない相手だ
俺自身の想いからさえ彼女を護りきらなくてはならない
すまない ロズモンド
「ベルナー殿」
声をかけられベルナーは立ち止まる「シャンデ将軍」
「皇女ファナク様がロズモンドの同行を望んでおられる話は聞かれたか」
「先程 ディスタン王より伺いました」
「わたしや女官長は止めたのだがな 皇女ファナク様が望んでおられるのだからとー
誰に似たのか全く頑固なー」
「将軍?」
いつになく多弁なシャンデ将軍にベルナーは思い当たることがある
ロズモンドと同じ色のシャンデ将軍の左目
金色の波の中に緑の光がきらめく不思議な色の美しい瞳
「今度はわたしがベルナー殿に頼みたい
ロズモンドを守り無事に連れ帰ってほしい
アイーシャ メリサンドはわたしが死んだと聞かされていたーわたしのただ一人の女性で ロズモンドはわたしの娘だ」
「僕だってロズモンドには船に乗ってほしくありません
船旅は危険だ 父親なら止めてくれませんか」
「女官長とわたしがどれだけ反対したと思う 止めたがきかない
だから君に頼むのだ」
眼を閉じたあと 天を見上げてベルナーは呟く
「これは・・・何の罰なのでしょうね」
「罰?」シャンデ将軍は怪訝な表情になる
「この旅が終われば僕は生活すべき場所に戻らないといけない 一人で」
「やはり 君は・・・」
「ロズモンドを 彼女を愛する人々からひき離せない
それでも世界の果てまでさらって逃げたい
そんな誘惑にかられる弱い男です」
「酷だが わたしは君にお願いする 君にしか頼めない
君自身からもロズモンドを守ってほしい」
「つまり それは・・・・・」
言わずもがなのことを確認しようとするリザヴェート
「リザヴェート姫 あなたを愛している そういうことです」
「嬉しいと思う自分がいます 何故あなたがわたしを愛して下さるのかはわかりませんが」
「愛していると言ったことに対し あなたが嬉しいと思ったことに 僕は驚いているけれどね」
「わたし達 変ですね」
などと 変に面倒なやりとりをするダンスタンとリザヴェートだった
リザヴェートから離れたベルナーは ディスタン王から聞かされた話に困惑していた
そうそれは少し前のことだが
皇女ファナクは同盟の話を正式なものとする為に ベルナーがレイダンド国の王族リオデールとしてアクシナティ国への彼女の帰国の旅に同行することを知った
まだ あと少しベルナーを見ていられる
その喜びとは別にファナクは船旅にロズモンドに付き添ってほしいと望んだ
心を込めた世話をしてくれるロズモンドを今やファナクは姉のように慕っていた
ファナクの望みの言葉にロズモンドは 慎ましくこう答えた
「レイダンドの姫様方が許して下さいましたら」
ベルナーが先のレイダンド国王ランデールの忘れ形見リオデールであり 身分違いとベルナーへの想いを押し殺し自分の胸の中だけに閉じ込めようともがいている
船の中でベルナーと同じ時間を過ごすことは ロズモンドにとって辛いことであったけれど
ロズモンドの考えを知らず ベルナーへの恋を応援したい姫君達は 短い時間にそれほどまでも頼りにされるようになったロズモンドを褒めたたえ同意
「旅のお土産話を教えてね」
メリサンドとカズール・シャンデ将軍は異国への危険な旅への参加に反対したがー
「皇女ファナク様を無事にお送りしてまいります」とのみ 淑やかにロズモンドは答えるのだった
ディスタン王もまだ同盟が成立していない国への旅を案じている
ベルナーを派遣するのだって止めたいくらいだったが
「だからこそ魔法使いでもある僕の出番かと いよいよ危ない時には術にて身を護りますから」
自分が行くことには笑顔だったベルナー
ー少しの侍女はいるとしても男ばかりの船に・・・・
限られた同じ空間にロズモンドの姿を見て 傍に居て・・・
この俺の彼女が欲しい!その気持ちを抑えきれるのか!
魔法使いとして生きるなら諦めなくてはいけない相手だ
俺自身の想いからさえ彼女を護りきらなくてはならない
すまない ロズモンド
「ベルナー殿」
声をかけられベルナーは立ち止まる「シャンデ将軍」
「皇女ファナク様がロズモンドの同行を望んでおられる話は聞かれたか」
「先程 ディスタン王より伺いました」
「わたしや女官長は止めたのだがな 皇女ファナク様が望んでおられるのだからとー
誰に似たのか全く頑固なー」
「将軍?」
いつになく多弁なシャンデ将軍にベルナーは思い当たることがある
ロズモンドと同じ色のシャンデ将軍の左目
金色の波の中に緑の光がきらめく不思議な色の美しい瞳
「今度はわたしがベルナー殿に頼みたい
ロズモンドを守り無事に連れ帰ってほしい
アイーシャ メリサンドはわたしが死んだと聞かされていたーわたしのただ一人の女性で ロズモンドはわたしの娘だ」
「僕だってロズモンドには船に乗ってほしくありません
船旅は危険だ 父親なら止めてくれませんか」
「女官長とわたしがどれだけ反対したと思う 止めたがきかない
だから君に頼むのだ」
眼を閉じたあと 天を見上げてベルナーは呟く
「これは・・・何の罰なのでしょうね」
「罰?」シャンデ将軍は怪訝な表情になる
「この旅が終われば僕は生活すべき場所に戻らないといけない 一人で」
「やはり 君は・・・」
「ロズモンドを 彼女を愛する人々からひき離せない
それでも世界の果てまでさらって逃げたい
そんな誘惑にかられる弱い男です」
「酷だが わたしは君にお願いする 君にしか頼めない
君自身からもロズモンドを守ってほしい」