夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

雨乞いならぬ晴れ乞いをしようかな

2017-09-12 23:17:45 | 子供のこと身辺雑記
月曜日は眼科受診
火曜日は自分の方の墓掃除
水曜日は姑を髪のカットで美容院に送り迎えして 終わってから主人の方の墓掃除に
木曜日は整形外科の受診
金曜日はお寺さんが来る日で姑の家へ朝イチで

そして土曜日は神戸の叔父の家に早目にお彼岸のお供えを届けに行くつもりでいたのだけれどー
天気予報によれば日曜日には台風が来るというーー;
ぎりぎり大丈夫かなあ・・・
いささか迷っておりまする

骨折した時 いっぱいの見舞いを持って来てくれた叔父
今度はこちらから 何か叔父の好きそうな食べ物を見繕って届けたいと思っているのだけれど

台風さん ハンドル切って何処かへ方向転換してくれないかしらん
台風を操れるリモコンがあればいいのにね・笑

焼き加減はお好みで

2017-09-12 20:03:11 | 子供のこと身辺雑記
茹でた素麺を焼いて食べる
目からウロコの料理をネットのお友達が書いておられて

それはとっても美味しそうで見た目も綺麗だったのだけれど
私はこよなく手抜きを愛する横着者・・;

茹でた素麺に切った野菜を混ぜて(その日の気分で むき海老か小さ目に切った豚肉かひき肉か竹輪 もしくはシーチキンを加えて)
薄く油を入れたフライパンで焼く
いい感じに焼けてきたら溶き卵を流し入れ 塩胡椒やカレー粉をふりかけて 
これに醤油かとんかつソースかけて食べる

鰹節・青のりをふりかけても





「消え時」

2017-09-12 09:38:58 | 自作の小説
ー彼ー
午後5時20分 彼女の乗る電車が駅に着く
大抵 降り口になるドア近くに文庫本読みながら立っていて・・・
駅近くの踏切を渡り歩いて帰っていく

店に行く前 僕は彼女の姿を見るのが楽しみだった
むしろ彼女の姿を見たくて少し早目に駅に行っていた
時間があるのをいいことに歩いて帰る彼女をつけたこともある
何処に住んでいるのか知りたかったんだ

それから時々 同じ電車を降りたふりをして 彼女の帰る道を少し先を歩いたりもしたけれど
声をかける勇気は持てなかった

そんな事を続けて半年 僕は勇気を持とうと思った
なけなしの勇気を出そうと

クリスマス・イブの前日
一日早いクリスマスプレゼントを買って 言おうと思ったんだ
「ずっと あなたを見てた 好きです」


それなのに!



ー男ー
好みのタイプだった
目をつけた

それが邪魔な奴がいる
目障りだ




―娘ー
気になる人がいたのだけれど

帰り道 いつからか同じ電車で降りるのかしら
少し先を決まって歩く人がいて

何処に住む人かもどんな仕事の人かも 何もわからなくてー
引っ越したのかしら
暮れ近くから姿を見ることができなくなってしまった




ー消えられない・・・-
ある驚きが彼を襲った
ーこんな事ってあるのだろうかー
だが彼は その幸運を喜び気になる娘に会いに行った
時は金なり
ぐだぐだ迷っている時間は彼には残されていない
行動あるのみ!

午後5時20分 待っていれば彼女は電車を降りて来る
せめてこの想いを伝えたい

記憶にある彼女より少し髪が短くなっている
肩まであった髪は首の下あたりの長さで切り揃えられていた
こういうのもいい 悪くない 似合っているー


踏切を渡り 声をかけようと彼は娘を追った

・・・と娘に声をかける男がいた

しかし娘は迷惑そうにしている

男は・・・路上駐車している車へ娘を強引に連れていこうとしている
「今日こそは送らせて下さい」

そこは人通りの絶える一角

嫌がる娘の腕を掴む男
「取って喰いやしませんから 怪しい者じゃありません」


ーどう見たって充分怪しいー

黙って見ていられず彼は声をかけた
「何をしている!」

男は彼を見ると悲鳴を上げて逃げ出した

娘も彼を見て驚いた表情

少しして気を取り直したか微かな笑みを浮かべて「しつこくされて困っていたんです 有難うございます」
礼を言って頭を下げる

「ああ・・・いや・・・」
彼女の声を聞いただけで彼は感動している
ー会話できた!-
これっくらいで感動しているようでは前途多難
どっかで誰かが溜息つきそうだ


「あのー」と娘が言う
「暫く姿をお見かけしませんでした 冬まではよく駅から歩かれる後姿を拝見したことがあります」

「ああ・・・」返事しながら彼は焦る
「働く店が変わったんだ」


「あら!」

彼は話す 以前は市場で働く人向けに夜から朝まで開けているパン屋で働いていたこと
いつか自分の店を持つのが夢だったこと
ちょっと身体を壊したので今は療養中で 体力回復の為に散歩しているのだと

娘を家まで送ると 彼は気になる男を捜す
ーあの男は許せない
放ってはおけない
何故ならば!ー


ー男ー
やっとほとぼりがさめたと思ったのに
今度こそ仕留めようと動き出したら 何だ これは
これは どういうことだ
独り暮らしの奴はうまく使えた
全部あいつのせいにしてやった


おかげでコレクションが減ってしまったが 身の安全には替えられない
俺が狙う娘の傍をちょろちょろして目障りったらなかったアイツ


「アイツは死んだはずだ」



ー消えない・・・-

「そうだね 死んだよ」
答があり男はギョッとした顔になる

立っているのは血塗れの彼
「見事にばらばらになったさ 拾い集める人間が気の毒だった てんでばらばら
内臓だってさ 見たいかい?」

そう言うと彼は ばらばらぶりを実演してみせた
はっきし言って見たいシロモノではない

男もそう思ったようだ 真っ青になる

宙を漂う唇が喋る
「どうして彼女を狙うかな 僕を殺した上に僕に君がした連続殺人犯の罪をきせてくれてー
しつこく彼女を狙う
おかげで成仏できなかったじゃないか」


ぼこんぼこん 彼の内臓が男の頭をはたく
ばらばらになっては集まる足が男を蹴る

「しかもまだコレクションが置いてあるし 自分が乱暴して殺した相手の一部を眺めるのがそんなに楽しいのかな
悪い趣味だと思うよ」

男の目の前で 粉々になった拳が集まり復活して男の顔を殴る
「殺されてね ばらばらになって僕はとおっても痛かったんだからね」

血走った眼球が男を睨んでいる

失禁しながら男が呟く「なんで今頃 なんで今頃 もう半年も経つのに」

「そんなこと 僕だって知るもんか 君は彼女に手を出そうとした
彼女をコレクションに加えようとした
許さないよ 僕は」

自分を取り巻く 元は人間だったものの姿に耐えられず男は悲鳴を上げる
何も見るまいと頭を抱えうずくまる

それでも声は聞こえてくる
閉じた目の中までその像は追ってくる
「ちょっとした仕返しくらいする権利はあるんじゃないかな 僕」

喚き続ける男の部屋が管理人の手により開けられ呼ばれた警察官が中へと入る


部屋に散らばるのは男がこれまで殺した女性達の無惨な姿の写真や着ていた衣服の一部
陰毛なども入ったファイル
男が克明につけていたコレクションに関する記録と日記

そこには男が狙う女性を仕留めるのに邪魔な青年を殺し 自分の罪を被せる為にどう自分のコレクションを青年の部屋に置いてきたか
 身の安全の為とはいえ コレクションの一部を手放すのは辛かったことまで書かれてあった


かくして殺された彼の汚名は雪がれ ニュースにもなる

そのニュースを観た娘は驚いた

ーだって だって 助けてくれて
去年のクリスマス・イブ前日の踏切事故 あの時死んだ人が彼だったなんて

そんな どうして
わからない
どういうこと?-


「うん・・・こういうことだよ」
娘の部屋のベランダに彼が居た
娘と目が合うと「入ってもいい」と尋ねてくる

こくんと娘が頷くとすうっと窓ガラスを抜けて部屋に入る
「実は僕・・・もう死んでいるんだ」

娘の目に涙が浮かぶ

「僕はさ 君が好きだったんだ
あの日 君へのプレゼントを買った
好きだと言って一緒に映画を観に行かないか
誘うつもりだった

殺されて君へのプレゼントも もう粉々になっちまった
渡せなくて残念だ」

泣きながら娘が尋ねる「何を・・・何を買ってくれたの」

「駅前の商店街 君は通りながらいつも眺めてた
ガラスの中で小さな人形が踊るオルゴール」

娘は彼の手を取った「こうして触れるのに生きている人間と変わらなく見えるのにー
有難う 今 確かにあなたの心を受け取ったわ

そしてね 距離を置いてだけど同じ道を通って帰るのがとても安心で嬉しかったわ
姿が見られなくなって・・・とても寂しかった」


「もっと早く勇気を出せばよかった そうしたらー
おかしな奴と思われるのが怖かったんだ」


「それは 私も私も同じ
有難う 死んでまで助けにきてくれて

だけど これまでどうしていたの」


彼は目を閉じる 思い出そうとするように
「そう 押されて踏切の中へ押し込まれて わ!と思ってからの記憶が全く無いんだ
そこで終わっていたんだと思う
死ぬって そういうことだと

それが急に身体ができてね 
気が付けば 君の帰る時間 駅に行っていた」

彼は娘に言う
好きだってことも言えて もう思い残すことはない
これでさよならだって
君の幸せを祈っているって


「じゃあ・・・・行くよ
そろそろ 消え時だ」


彼は娘の部屋の壁を通り抜けて外へ出る

これで消えられる成仏できるはずだった


ああ・・・なのに
彼は消えられない
思い残すことはない・・・はずだ


いや 違う
今後 娘がしあわせになれるかどうか見届けたいのだ
変な男が娘に近寄らないようにしたい

ああ なんて未練な


娘は彼が自分の部屋から消えたあと泣いている

彼は悩む
ーどうしよう 消えられなかったことを娘に教えるべきだろうかー

どうにも格好悪いよなあーとも彼は思うのだった