同じ「いちのすけ」の名前から 道場仲間の武藤一之介(たけふじ いちのすけ)と 騎山市之介(きやま いちのすけ)は互いに 武一 騎市と呼び合う仲
しかしながら騎山の家は家中でも十指に入る名家
武藤の家はしがない四人扶持
されどそうした事とは関係なく無二の親友の二人だった
箱根の関で理不尽な扱いを受けた武一は それきっかけで箱根の関の役人となる
ひそかな友の計らいもあったのだが
「せき越えぬ」
「氷目付」
「涼暮れ撫子」
「相撲始末」
「瓦の州」
「関を越える者」
武一が難儀している時に水を分けてくれた女性
忘れられぬ女性が人見女として関所につとめることに
けれどその女性・理世には・・・別れたけれど夫が居た
理世は今もその人を想い続けている
その別れた夫は 騎市の学問と人生の師でもあった
親友と想う女性の為に・・・武一はある禁をおかす
入り鉄砲に出女ー
教科書で習う言葉だ
江戸から出ようとする女は殊更厳しい目を向けられた
難癖つける役人もいたかもしれない
関所の中に様々な役目の人間がいた
物語の終わり まだ独り者の武一
それから どんな人生をたどったのだろうかと
この先の物語が知りたくなる