著者が創り上げた架空の町に住む人々は・・・アクが強いというか 実に個性豊か
「ゴブリンシャークの目」
辛夷ヶ丘署生活安全課には恐るべき女性がいる
身長175センチ これに7センチから10センチのヒールある靴をお履きになるので
たいていの男性は見下ろされてしまう
舌先三寸 働く悪知恵
相手の弱みはとことん利用
邪魔な奴は抹殺
しかし信じられないのは彼女ばかりではない
事件をこさえたり無かったことにしたりーと自由な署の気風
火炎瓶投げつけ放火事件で人も死んだ
高額ひったくり事件も
利益をふんだくれる側に寄り添う砂井三琴
「丘の上の死神」
市長選をめぐる騒動あり
当選確実な女性候補の夫が死ぬ
現市長を推す砂井の上司は これを女性候補の夫殺しに仕立てろーとの無理難題
自分のことをバカ大女 不倫が原因で飛ばされたーなどと噂流すこの上司を砂井は許さず 体よく追い出す
幽霊を見たーという話から 女性候補の夫の死の真相も見抜く
けれどこうした情報は 自分に利益あるようにのみ使うのだ 砂井は
「黒い袖」
その砂井が出席する披露宴の主役の花嫁の姉は 可愛い妹の披露宴が無事に終わるように力を尽くしていた
その邪魔になる厄介ごとは片づけるのみ
彼女が妹のためにしたことはー
「きれいごとじゃない」
ハウスクリーニングサービス 清掃会社の社長の娘はよく働く
砂井が捜査に協力をと言ってきて 砂井を「新人です」と顧客にも紹介していたが
砂井の言動に不穏なものを感じる
この働き者の社長の娘も決して足元が明るい人間ではないゆえに
「葬儀の裏で」
姉の六花の葬儀 六花の孫息子は自分を跡継ぎにしろーとサクラに迫る
けれどサクラは これまで本家を守ってきた人間
一致団結する一族の・・・・・
「殺人鬼がもう一人」
連続殺人鬼と疑われ・・・ついには寝たきりになった弟
治療代を稼ぐために・・・ある仕事を始めたその姉
ある仕事で訪れた家では 標的は既に殺されていた
それは弟が犯人と疑われた連続殺人事件と同じ手口
この連続殺人の真犯人とは・・・・・
そして砂井がやってくる
ホラーより恐ろしい最悪・最凶の女が
解説はミステリー評論家の千街晶之さん