赤穂浪士 [DVD] | |
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東映ビデオ |
東映創立10周年記念
大佛次郎原作
松田定次監督
昭和36年の作品です
大石内蔵助(片岡千恵蔵)
脇坂淡路守(中村錦之助ー後年「萬屋錦之助」と改名)
堀部安兵衛(東 千代之介)
浅野内匠頭(大川橋蔵)
仙(丘さとみ)
お咲(桜町弘子)
おはる(三原有美子)
おやえ(藤田佳子)
桜(花園ひろみ)
瑤泉院(大川恵子)
傅吉(中村賀津雄)
大石主悦(松方弘樹)
上杉綱憲(里見浩太朗)
柳沢出羽守(柳 永二郎)
梶川与惣兵衛(宇佐美淳史)
松造(堺駿二)
全助(田中春男)
佐吉(多々良純)
赤垣源蔵(加賀邦男)
千代(長谷川祐見子)
おりく(花柳小菊)
梶(青山京子)
浮橋太夫(千原しのぶ)
およね(木暮実千代)
立花左近(大河内傳次郎)
清水一角(近衛十四郎)
片岡源佐衛門(山形勲)
堀部弥兵衛(薄田研二)
多門傳八郎(進藤英太郎)
堀田隼人(大友柳太朗)
吉良上野介(月形龍之介)
千坂兵部(市川右太衛門)
町の高札にいたずら書きをされている
それは時の権力者 柳沢出羽守を揶揄したものであった
高札を書き換えても再び金権政治を皮肉った言葉が添えられている
深編笠の浪人・堀田隼人は吉良が柳沢に贈り 柳沢が送り返した金の茶釜を奪いーこれが吉良から柳沢への賄賂の品と高札の下に晒す
堀田を追う全助は見失い 堀田を庇う人間により堀田の着物を着ていた浅野家家臣・堀部安兵衛が追う相手かと思い込む
この誤解により浅野内匠頭は更に吉良よりいびられることになる 今までも嫌がらせを受けていたのに・・・
柳沢は吉良に言う
「主君の浅野がいたぶられたゆえの家臣の腹いせ もっといたぶっておやりなされ 他の(賄賂を嫌がる)清廉潔白へのみせしめになりもうそう」
などと吉良上野介をけしかけるのであった
一方 淡路守は吉良から連日いじめられていると噂を聞いて案じており浅野内匠頭の屋敷を訪ねる「窶れが顔に出ておるぞ」
同じ頃 堀田隼人は清水一角らとの斬り合いになるも堀部安兵衛が助太刀に入り事なきを得る
浅野の屋敷には江戸での噂を聞いた赤穂の国元の家臣達が殿を励ます為に競うように釣った浜焼きの鯛が届けられていた
淡路守が訪ねてくれている折も折
喜ぶ浅野内匠頭
久々の明るい笑顔となる
松之亟(のちの主悦 大石内蔵助の長男)の釣った鯛をことのほか喜ぶ内匠頭
淡路守は内蔵助の釣った鯛を選び 長居をしたと暇を告げるが別れ際にも辛抱するように励ましの言葉をかけていく
家臣達にも懐かしい国の味を味わうようにと鯛の浜焼きを分ける内匠頭
淡路守の父も以前 吉良にいじめられ 藩や子供のことを思って歯を食いしばって耐えたのだ
ならぬ堪忍するが堪忍
吉良は人ではない 犬猫だ そんな畜生相手に怒るなと
そんな淡路守に内匠頭の正室も感謝の言葉を「淡路殿の心づかい 嬉しゅうございます」
饗応役としての礼儀作法を教える役にある吉良上野介であるがもらう賄賂で態度を使い分ける
挨拶に鰹節しか寄越さなかった内匠頭をイモ侍・田舎侍 世間が分かっていない 自分を馬鹿にしているーなどなど色々吉良は思っている
つまりは賄賂寄越せ もっとええもん寄越さんかいアホウ!である
淡路守は見送りの片岡源左衛門にどういう品を吉良に贈ったかを聞いて嘆息する
たとえ主君が言おうとも・・・見合った品を届けて事なきを得てから 主君の命にさからいましてーと腹を切るのがーと
内匠頭と同じ饗応役をなった大名は豪勢な品々を吉良に届けていた
心正しい者が報われるとは限らない
辛抱すれば良いのだ いかほどの辱めを受けようとも 内匠頭はそう覚悟していた
後少しで終るのだからーなんと罵られようとも
そして吉良上野介はもっともっと内匠頭をいじめてやろう いびってやろうと決めていた
まずは迎える衣装が違う 烏帽子でなければならないのに尋ねてきた浅野の家臣に吉良は偽りを教えていた
それでも用心していた浅野の家臣が正しい衣装を届けてきており 吉良のいじめをあんまりと思う人間の助けもあり 内匠頭は急いで着替える
梶川はこのあとの運びなども教えてくれるがー
吉良が急ぐ浅野を止めて言いたい放題 罵り放題
挙句はこんな人間には大切な饗応役は任せておけぬ
他の人間に役目を変えるとまで言い出す
ー登城に遅れるような御仁に(役目を続けさせることは)はなはだ心もとない(自分が違う衣装を教えておいてねーー;)
だまらっしゃい!言い訳は武士の恥
教えられて育てられてきたーそれを牛のよだれみたくー
どの衣装を着るかは当然ご存じと思い 衣装を問われてもさて冗談かと冗談に返したに
その冗談を真に受けるとは
田舎侍が!
この上野介を逆恨みとは笑止千万(-などとも実に意地悪い口調で罵り続けあざ笑う)
まこと太平の世は楽なもの 能無しでも家臣のー
お役御免だけは どうか いかようにも詫びますると縋る内匠頭の頭を叩き腕を扇子ではらい「ええい!どかっしゃい!そのような手で触られては この上野介の着る物が汚れるわ」
堪えに堪えてきた浅野内匠頭
勝ち誇り 罵り続ける吉良上野介の言葉に 遂に遂に内匠頭の辛抱の糸が切れる
自分までならまだしも家臣のことまで こうまでひどく言われてはー
武士の意地 立たぬ・・・
抜いてはならない松の廊下
刀を抜いて吉良上野介に斬りかかり 額に傷を負わせる浅野内匠頭「覚えたか!」(この遺恨)
そんな浅野内匠頭を梶川が止める
内匠頭「お放し下され!今ひと太刀」
梶川「刃傷でござりまする!」
背中から梶川に押さえられ「武士の情けじゃ! 武士の情けじゃあ~~~~~」
人に支えられ額を押さえて吉良上野介は遠ざかって行ってしまう
この後 騒ぎに現れた淡路守は吉良上野介と行き会い わざとその身体に突き当たり「慮外者が!この脇坂の衣服を血で汚したな」と
丁度家紋についた血を示し 吉良を激しく打ち据える
せめてもの内匠頭の意趣返し
ー我慢できなかったかーその表情は暗い
吉良上野介の横暴をよく思っていない多門傳八郎は内匠頭の取調べに当たり 「乱心」であったのだろうと事を収めようとするも
その多門の温情は気付きつつも内匠頭は答える「(吉良上野介に)些かのお恨み・・・堪えがたき恥辱を加えられ 遺恨を持って刃傷に及んだ次第ー」
「一時の乱心という所業と思うが いかがじゃ」
となおも含みある言葉を向けてくれる多門なのだが
家臣の不憫とも言葉を重ねる内匠頭でもあった
浅野の家臣たちは殿の刃傷に大騒ぎするが古参の武士の言葉に一同涙するのであった
「余程 我慢のならぬことがあったのであろう 思えば殿がおいたわしい」
上杉家に養子に入った藩主の綱憲は 実の父の吉良上野介の身を案じ贈り物を持って柳沢に会う
柳沢は綱憲を労わり「何のおかまいもこれなくー」
対して浅野内匠頭は「ただちに切腹」と教える
切腹と決まったことを内匠頭に告げた多門は脇坂淡路守が吉良にしたことを教えてやり 吉良は傷重く寝込んでいるそうなーと言ってやる
内匠頭が粗末な庭で罪人として切腹で 事の原因を作った吉良上野介がおとがめなしは余りに片手落ちーこれまでの吉良上野介の所業や人としての評判からも思っているのだった
吉良上野介にいじめられた人間は浅野内匠頭だけでは無いゆえにー
駆け付けた家臣との対面も廊下で家臣は庭から見上げるのみ
これが最後というのにー
美しい辞世の句を遺し浅野内匠頭は切腹する
この事は赤穂にも知らせが行く
そして上杉家の家老の千坂兵部にも
上杉綱憲は千坂兵部に言う「わたしの父が嫌いであろう たとえどのようなお方であれ 綱憲にとっては大切な父上じゃ 兵部 お願いだ
父上を守ってくれ」
江戸の町では傳吉らが怒っている「片手落ちが気に入らない 江戸は喧嘩は両成敗と決まっているんで」
吉良上野介を守る為に腕の立つ浪人を集める清水一角ら
以前 立ち会ったことのある堀田隼人を誘おうとする
赤穂城では大石内蔵助が浅野内匠頭の辞世の句を家臣らの前で読み上げる
「風さそう 花よりもなお 我はまた 春の名残りを いかにとやせん」
泣き崩れる家臣達
千坂兵部と大石内蔵助は若い時代からの友であった その親友がいかなる運命のいたずらか敵として向かわなければいけなくなる
千坂から大石に届く文
松之亟は内匠頭から可愛がられており 仏前に供える為の釣に出たが 涙が溢れて止まらず手元が狂い こうした魚しか釣れなかったと
「さぁ お召し上がりくださいませ」
一方 堀田隼人を怪しくおもう全助はつけている
もう一人 吉良方の密偵お仙もつけていた
この二人の尾行に隼人は気付いており連れの佐吉に話す
隼人は大石の親戚筋の男で堀田家に養子に入ったが 吉良上野介の為に切腹となりお家断絶
同じく吉良上野介に恨みがあるのだった
佐吉は隼人が若様と呼ばれた時代から仕えている
赤穂城は明け渡しすることになる
大石は話す 内蔵助がどんな手を打とうと兵部殿には手に取るようにー
ただ一つ こちらには命を賭けた者が50数名
千坂は ただ一人
城明け渡しの使者は脇坂淡路守 「内蔵助 案内いたせ」
掛け軸の「義」の一字にも目を止める
人払いして二人きりとなり「鯛の浜焼き 舌鼓を打って食ろうたわ」
大石「内蔵助 面目を施してございます」
脇坂は教えてやる 多門から聞いた話を
ー乱心の上であろうと言い含めたが 内匠頭は 乱心とあっては内匠頭が吉良殿を切った意趣が立ちません
家臣は不憫と存じますけれどー
吉良方から大石内蔵助への刺客が放たれる
刺客を放った武士をお仙は それは千坂様の考えとは違うことと その武士を殺した
大石内蔵助らを襲う刺客「天に代わって不忠不義の大石を斬る!」
大石内蔵助と同行の松之亟に伴の者
そこへ堀田隼人が顔を布でかくして現れ助太刀をする
その太刀筋から大石内蔵助は堀田隼人の素性に気付く
江戸では傅吉が城を明け渡し戦いもしなかった赤穂の家臣について毒づいている
そして知らずに居合わせた千坂兵部にどう思うか尋ねる
すると千坂兵部は大石らが仇討ちをする方に賭けると言うのだった
この頃 山科で遊び呆けてみせている大石内蔵助
自分の正体を怪しむ会話をしている堀田隼人の前に現れたお仙「教えてあげましょうか」
そして堀田隼人に「赤穂に縁のある者のはず」
堀田「いかにも しかし拙者はあほう浪士」ととぼける
そして「撃たれて死ぬ それもよかろう 大石のあのザマ(遊びうかれぶり)を見ては(生きる気持ちも無くなった)
撃て!」
銃を構えているお仙に言い お仙に撃たれて膝をつく隼人
大石内蔵助の放蕩ぶりの評判を聞いた千坂兵部の表情が暗くなる 何故ならば
「内蔵助 内蔵助 裸 裸でぶつかりおる これで腰抜けとの素振りを通し
俺を欺く為 いかなる破廉恥の所業をするとは
若き日 論じあった方策を内蔵助はしている
何一つ隠そうとせず 丸裸でわしにぶつかりおる
裸 裸で!」
血を吐くように言葉を吐き倒れる千坂兵部
彼は病身なのであった
千坂兵部の妻女「お医者様 お医者様を早く!」
江戸の堀部安兵衛から大石内蔵助に「千坂兵部が倒れた」と書状が届く
大石内蔵助「兵部をこのようにしたは この内蔵助」
江戸では町人姿となり吉良方の動向を探る赤穂の元家臣達
「(堀部)弥兵衛76歳 大事決行の前に命果てねば 何の貌(かんばせ)あって(あの世で)殿に御目通りかなうものか」
じりじりする想いで仇討ち決行の日を待っている
大石内蔵助が遂に京の山科を発つ
立花左近の名前を借りて 同じ宿に泊まり合わせた本物の立花左近(大河内傳次郎)はニセモノの正体見てやると大石内蔵助に会いに行く
そしてー立花左近の証拠の書状を「お目にかけるでござる」と大石が白紙を出した時に浅野の家紋に目を止めた
大石「いざ 御覧下され」
立花「いかにも左近殿に相違ござらん」
深く頭を下げる大石
左近 大石の本意を知る「左様 恐れ入り仕る ではこれにて (懐から出して)偽の身分証(実は九條家の家紋入りの正真正銘の身分証)なれど お役立て下さい
首尾よくー陰ながら(討ち入り成功を祈っております)」
左近にただ礼の挨拶をしに出向いた大石は廊下で千坂兵部と鉢合わせする
これが最後と生きた大石に出会うのは そう思い病身を押して出向いてくれた千坂兵部
ただ見つめ合う大石と千坂はすれ違い別れる
部屋に戻った大石は松之亟に言う「今宵 この場において元服いたせ」
これからは主悦(ちから)と名乗ることになる
お仙は撃った堀田隼人と暮らしていた「わたしは貴方の妻でございます」
討ち入りに参加してほしくないお仙
加わりたい隼人「俺の父も腹を切らされたのだ!」
お仙「嫌!嫌でございます」
吉良は腕を買い集めた浪人達を前に「皆 頼もしい これだけ集まれば心強い 来年3月までじゃ 春になって米沢に行くまで宜しく頼む」
傅吉は親方に呼ばれる
傅吉は親方の娘のお咲と賭けをしていた
お咲は赤穂の浪人達は討ち入りをする方に 傅吉はしない方に賭けている
お咲が勝てば傅吉は十年間ただ働きだ
傅吉はお咲に惚れてもいる
座敷には堀部安兵衛がいて傅吉を大石内蔵助に引き合わせる
大石内蔵助は傅吉に確かめてほしいことがあったのだ
吉良邸の絵図面 これに間違いがないかどうか
事の大きさに傅吉は言う「あっしがべらべらと べらとでもしゃべったらー(大石に見込んでのことーと言われて)
あっしを見こんで? あっしを・・・・・
赤穂の人は仇討ちをできねえほうに賭けている男ですぜ?
俺 俺みたいな奴をー」
畳替えを頼まれたのだと見咎められて言う傅吉だがー吉良の男達は信じず傅吉を激しく殴り暴行する
覚悟を決めている傅吉はぼろぼろになりながらも「さあ殺せ 殺しやがれ!」
屋敷外では心配そうに覗う堀部安兵衛ら
そして元禄15年12月14日
内匠頭の正室の瑤泉院に大石は会いに来ている
瑤泉院「松之亟は達者ですか」
大石は松之亟が元服したこと さる大名に召し抱えられたので暇乞いに来たのだと話す
瑤泉院「心からお祝い申そうぞ」
手に持った水晶の数珠を大石に贈る
その帰り 外で待っている堀田隼人がいた「なにとぞ このとらのすけの命の捨て場所を」
大石「ついて参れ」
その店の別室ではすでに討ち入りの支度をした赤穂の元家臣達が揃っている
討ち入り前の大石の言葉を部屋の外から聞いている堀田隼人
淋しそうな悟ったような表情になり一階へ階段を降りていく
大石内蔵助は店の人間に礼を言う「迷惑をかけたな 礼はゆっくりと冥途で」
よね「めでたくも御本懐をー」
よねは城代家老の屋敷で働いていた女性
この店の人間は皆 赤穂藩ゆかりの者であった
奥に控える隼人に声をかける大石「とらのすけ」
隼人「わかりました」
自分には討ち入りに参加する資格がないのだー気付いてしまった
彼等と共に死ぬ資格がない
隼人はお仙のいる長屋へ駆けて戻り 赤穂浪士が吉良邸に討ち入ることを伝える
そしてー討ち入りは魂を打ち込んだ赤穂浪士だけに許されることなのだー
雪の中 吉良邸に着いた赤穂浪士達は持ち場に散っていく
大石内蔵助の叩く太鼓の音が夜の中に響く
その音に目覚める清水一角
二刀流の清水一角は強い いかに強くても堀部安兵衛始め複数の浪士にかかられては斬られて落命
そうして探しても捜しても 吉良上野介が何処に隠れたのか見つからない
傷を負いながらも吉良邸を抜け出した男が上杉藩の屋敷に急を告げて死ぬ
槍を持ち家臣を連れて出ていこうとする上杉綱憲を止めるは千坂兵部
綱憲「その父上を見殺しに致せと言うのか」
千坂「さりながらこの者は吉良の人間 あなた様は上杉藩のー
上杉藩の為じゃ
この兵部が恐れるのは正義
片手落ちの政道 悪を憎む人々の正義感
上杉藩が出て行って赤穂浪士を皆殺しにしてはー万民は背を向けましょう
(どうしても行くというのならば)殿! 兵部を突き殺して 兵部の屍を越えてお出まし下さいませ」
千坂兵部はここで綱憲がうって出たならば お家断絶となった赤穂藩の二の舞にもなるとも言う
その頃 漸く隠れていた吉良上野介が見つかり 赤穂浪士達の前に引き据えられていた
白髪頭の白い寝間着姿
その顔には浅野内匠頭のつけた刃傷
大石「みしるし(首)頂戴仕る 覚悟召されい」
雪の中を赤穂浪士達が歩いてくる
道の両側には一目赤穂浪士を観ようとする町人たち
その中には深編笠を被った千坂兵部の姿もあった
頭に包帯巻いた傅吉は これも笑顔のお咲に話す「(賭けに負けて向こう十年 ただ働きなのだが)俺ァ 賭けに負けてこんな嬉しいことはない」
赤穂浪士の忠義の心をその主君の仇討ちの成功を口々に褒めたたえる人々の中を整然と進む赤穂浪士は橋を渡っていく
そして「終」の字が浮かび上がる
東映では別格の大スターでその専用の個室の位置から「西の御大」と呼ばれた市川右太衛門さん 「東の御大」と呼ばれた片岡千恵蔵さん
それぞれ普通の俳優さんより倍の広さの部屋であったとか
そしてこのお二人が同じ映画に出演される時には 台詞の量や出演者の名前の出る順番までにも気を使ったそうです
(もしくは家の場所から 片岡千恵蔵さんは「山の御大」 市川右太衛門さんは「北大路の御大」とも呼ばれたとか)
どちらかが より目立ってはいけないのだと周囲は大変であったのだとか
他にも大友柳太朗さん 里見浩太朗さん 大川橋蔵さん 萬屋錦之助さん 東千代之介さん 松方弘樹さんーとそれぞれ主役をはれる俳優さんが揃った豪華な映画です
悪役も多かった山形勲さんや進藤英太郎さんが 良い人間の役をしているーとこちらも面白いのですが
そうそう松方弘樹さんはお父様の近衛十四郎さんと父子共演でもありますね
堺駿二さんは堺正章さんのお父様になります
市川右太衛門さんは北大路欣也さんのお父様 当たり役は「旗本退屈男」シリーズの早乙女主水之介でした
これだけのスター俳優さんの中で得な役柄は中村賀津雄さんの職人の役かもしれません
実はこの映画を観る数日前に大映の「忠臣蔵」も見ているのですがー
ついつい見比べてしまいました^^;
12月14日前後は 赤穂浪士の討ち入りの映画などやっぱり観たくなりー
そちらの感想も近々アップしたいと思います
続けてアップしようと思っていたのですがー来客があったりしてくじけました(笑)
御存じかどうかー市川右太衛門氏は10代で俳優を始めたそうです
そうした古い出演映画は観ることが叶わなくてー残念な思いがあります
それどころか両親もまだ知り合ってもいないんじゃないかな(笑
そう思うと松方弘樹や里見浩太朗はもうこの頃からしっかりした役をもらっていたってすごいな〜☆