ろくでもない街で私立探偵する「俺」は 頭の回転と少々の腕っぷしでハッタリきかせ どうにか生きのびている
「死人の逆恨み」
暴力団の企業舎弟で通称「コマシのテツ」こと窪木徹治が 「俺」の事務所で自殺していた
テツはかねてから「俺」に恨みを持っており最期の嫌がらせらしい
しかも死体の首には奇妙な爪痕があった
テツが背負いこんだ借金
行方不明のテツの息子
「俺」が動くうちに見えてきたもの
第一発見者を疑うゴリラ刑事をかわしつつ 「俺」は悪い奴から 金を巻き上げる
「犬も歩けば」
「俺」の得意先である暴力団山藤組組長の山藤虎二こと山虎からの依頼は 愛犬ベルちゃんを見つけてくれというものだった
ブルテリアのベルちゃん探しに犬好きの電話番の由子と一緒に乗り出す「俺」
ベルちゃんは 死んだ老女の張り番をしていた
自分を可愛いがってくれた老女が起きてくれないかとベルちゃんは食べ物を運んだりしてたのだ
そんなベルちゃんが頭蓋骨を運んでくる
老女には行方不明となった孫娘がいた
ベルちゃんの習性と行動から「俺」は 消えた孫娘についての真相にたどり着く
ゴリラ刑事に手柄をあげさせてもやるのだった
「幽霊同窓会」
情報源としてもアテになる山藤組の若頭の近眼のマサが行方不明になる
モアイ似の顔に厚化粧のマサの女房と 組長の山虎から見つけるように言われる「俺」
マサは幽霊騒動に巻き込まれていた
死んだ男の幽霊が出ると言う
「俺」は裏にあるモノに気付くのだった
「ゴリラの春」
ゴリラ刑事が愛妻について調べてほしいと言ってくる
描けなくなった画家の企み潰し 希望を奪われた若い画家の為に 一肌脱ぐ「俺」
「五月のシンデレラ」
電話番の由子はお姫様?!
その血筋目的で若手実業家からの縁談が暴力団経由で持ち込まれた
公営カジノ絡みで 「俺」の街のやくざさん達が騙されているようでもある
動いた「俺」は 岸川の事情を知りー
悪銭身につかず
なれど由子さんの血筋については意外にもー
「恋する組長」
この女に惚れた 何が何でも一緒になりたい
この女を捜してくれ
そう組長は言った
しかしその女性はゴリラ刑事の妻
手術前のゴリラ刑事から 自分に何かあったら俺の恋女房と一緒になって面倒みてくれ
と頼まれた「俺」だが
途方に暮れて 近眼のマサに知恵を借りに行く
組長にゴリラ刑事の妻を諦めさせる方法
電話番の由子も ボーナスの為 おおいに協力する
由子の怪演もあり 「俺」の仕事はうまくいく
狡くしぶとく調子よく
少しは「義」の心も
生きていくには金がいる
救いようない卑劣な悪ばかりが世に溢れても面倒だ
虐げられた割くった人間には 救いの手を
可愛いげ失っちゃいけないのが 人間だよと
由子は今後の人生考えて 「俺」に言葉の罠を仕掛ける
「俺」はかわせるだろうか
「俺」
また逢いたい探偵さんです
畳の上で死ねると良いねと案じつつ
解説は百々典孝(どど のりたか)さん
「‘おれ’と由子はその後どうなったのだろう? ネオ探偵小説のムーブメントを牽引するであろう本作の続編にも 勝手に期待しているのです」
はい 全く同感です
楽しい解説ですので 読み落としがありませんように
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