モノクロ作品
原題「TO KILL A MOCKINBIRD」
語り手はスカウト
成長し 回想している 1932年の夏は暑かった
アメリカ南部の町メイカムで スカウトの父親アティカム・フィンチ(グレゴリー・ペック)は弁護士をしていた
不景気が続き 農作物で弁護費用が支払われたりする
スカウト(メリー・バダム)は6才だった
ズボンをはいて髪も短く男の子のようである
兄の名前はジェム(フィリップ・アルフォード)
母は死んで アティカムは男やもめ
黒人の通いの家政婦キャルがいた
夏の間だけ町にくる男の子ディルに 兄妹は近所の事を教える
ブーって息子 ベッドに繋いで家に閉じ込めている
恐ろしい人なんだ
ハサミを持って座ったまま何を考えているか 誰にも分からない
大人も教える「あの家には危険な人がいるから近づいちゃ駄目」
夕方5時になり仕事が終わり帰ってくる父親アティカムを迎えに行く子供達
口うるさそうな老夫人デュボースにも アティカムは「こんにちは 今日もお美しいですね (あなたの家のお庭は)この街自慢の場所ですな」
さすが言葉を操る商売 如才ない
庭を褒められ老夫人 悪い気はしない
父親の事を子供達は「アティカム」と名前で呼んでいた
「人の噂は良くないぞ そっとしておくのが思いやりだ」娘を諭すアティカム
母の記憶が殆どないスカウトは 母の父親に贈った時計に触るのも嬉しいが 懐中時計は父親から息子に渡すのが慣わしだとアティカムは言う
「わたしには」と尋ねるスカウトに お母さんのものだった真珠の首飾りと腕輪がある
眠りにつくまでのひととき 父親との会話もスカウトには楽しみだった
兄のジェムが6才の時に死んだ母
美しい人だったのだろうか
母親に憧れ 焦がれる気持ち
夜ポーチのベンチで考え事するアティカム
訪ねてきた判事が依頼する 「トム・ロビンソンを明日警察が告訴するから 弁護を引き受けて欲しい」
少し考えてからアティカム「引き受けます」
判事「では明日な 有り難う」
それを知ったロバート・ユーウェルは脅してくる
「娘を強姦した野郎を弁護か
大きな間違いをしている
俺の言うことより奴を信じるのか
それでも人間か
あんたにも子供がいるだろう」
ジェム スカウト ディルの3人は夜 家を抜け出し 怪物の噂あるブーの家を覗く
ラトリーさんが不審者を脅した銃声に驚いたり
ジェムが逃げようとして金網にズボンを引っ掛け どうしても外れないから ズボンを脱いで逃げ 後で取りに戻ったら ズボンが畳んでおいてあったことも
また子供達は仕事中の父親を覗き 泣いている黒人の姿を見る
6才になり学校へ行くスカウトはワンピースを着せられる
いつもズボンだったから 恥ずかしい
「こんな服なんて着たくない」
学校に行っても男の子とケンカする
スカウトは正義感が強いのだ
父親の依頼人でもあったカニンガムの息子ウォルターは 貧しくて学校に弁当を持ってこられない
その事をからかう子供がいた
妹からケンカの原因を聞いたジェムは ウォルターを夕食に招待する
「パパは友達だ」
食事中の話題で銃の撃ち方を覚えた話になる
最初は缶を撃っているが鳥を撃ちたくなる
言われた
アオカケスなら いくら撃ってもいいが
モッキングバード(マネシツグミ)は駄目だ 美しい声で鳴くし益鳥だから
スカウト ウォルターがパンケーキにシロップをかけすぎることを指摘し 叱られる
「お客様の食べ方にケチをつけてはいけません」キャルに注意されます
スカウトは父親に言います「もう学校へは行かない」
ー先生はウォルターに お金をめぐむのよ
あの子は乞食じゃないわー
アティカムは言います「相手の立場で考えてみることだ
想像力を働かせてご覧」
続けて「先生だって間違うことはある
学校には毎日通う」
子供達はアティカムに解決出来ない問題はないと思っていた
それだけが父親の優れたところだろうと
ある日 子供達が登校しようとすると
家に向かい狂犬が歩いてくる
キャルは子供達を家の中に戻し
アティカムへ連絡する
駆けつけた保安官とアティカム
保安官は「あなたの方が腕は上だ」とアティカムに武器を渡す
アティカム 眼鏡を外し狙いをつけ 一発で狂犬を仕留める
驚く子供達に「死んでも危険だ 絶対に近づくなよ」
保安官は子供達に「何びっくりしている アティカムは街一番の腕なんだ」
仕事で出掛けるアティカムに一緒に連れて行ってとせがむ子供達
トムの裁判のことで妻のヘレンに話をしに家にアティカムが入り 子供達は車の中で待っている
子供達を脅すように車に近づくユーウェル「ニガーの犬め」
ジェム 黒人の同じ年頃の子供にアティカムを呼ぶよう頼む
帰宅してからアティカムはジェムに「世の中には汚い部分もある」
帰るまでいてくれたキャルに「(スカウト)この子を寝かせてから送っていくよ」
ポーチのゆり椅子で父親の帰りを待つジェム
不気味な気配に怯える
妙な物音
ブーの家が気になる
ブーの家の前近くの木の穴には 何か置いてあった
スカウトは喧嘩を学校でしてしまう
セシル「ニガーの弁護」アティカムを悪く言うから 我慢出来ない
アティカム「黒人のトムの弁護をするのは本当だ」
スカウト「反対されているのに どうして」
アティカム「引き受けなければ不公平な人間になるからだ」
アティカムはスカウトに言う
「絶対に喧嘩しないこと 何を言われてもーだ」
木の穴には ジェムとスカウトに似せた人形が置いてあった
ジェムは木の穴で見つけたものを箱に仕舞っていた
スカウトに見せる
そうして畳んであったズボンの話もする
「ブーは僕たちを見ていたんだ 僕がズボンを取りに戻ると知っていたんだよ」
一年後の夏 子供達はディルと再会する
裁判が始まるから安全の為アポッツビル留置所にいたトムが街に戻ってくる
アティカムに街に戻ったトムに何かやろうとユーウェル達が企んでいることが知らされる
アティカムは今夜は帰らず泊まるよう また外出もしないよう キャルに注意する
アティカムはトムの家で張り番をしていた
夜 子供達は家を抜け出し 何か起きるのか様子を窺う
子供達が諦めて帰ろうとすると
男達が何台もの車でやって来る
男達はアティカムに言う「目的は わかるな」
アティカム「家に帰った方がいい 保安官が来るぞ」
子供達 父親のところへ走る
スカウト「カニンガムさん 農作業は忙しい? わたしジーン・ルイス・フィンチよ
わたしを覚えてない 前に農作物を届けてくれたわね
あなたの子供と学校で一緒なの
いい子よ よろしく伝えてくれる
今年は不作なのよね
いい作物は時間がかかるし
悪く言うつもりじゃないの」
カニンガム「わかってる せがれにも言っとく
皆 帰ろう」
男達 帰っていく
アティカム「3人とも帰りなさい わたしは遅くなる」
やがて裁判の日を迎える
ジェム「我慢できない 裁判を見に行くよ 叱られても 見たいんだ」
裁判所の傍聴席はいっぱいだった
黒人の牧師に「牧師さん 二階で見るの」
子供達は牧師について二階へ行く
二階は黒人ばかりだ
アティカムは確認する
重傷だった娘の状態を
被害者の右目 顔の右側 両腕には痣 首全体に指の跡
ロバート・ユーウェルの証言
森から帰る途中 娘の叫び声を聞き家に急いだ
娘にトムが乗っていた
奴は急いで逃げたが 顔は見間違えない
保安官を呼んだ
アティカムはユーウェルに字を書かせ左ききであることを確認
トムは12才の時に左腕が機械に挟まれ 全く麻痺し動かない
8月21日に何があったのか
毎日 家の前を通るトムをメイエラ・ユーウェルは好きになった
抱きつきキスし誘惑しようとしたところを 父親に見られた
娘の傷は激昂した父親がつけたものだ
白人女性が黒人に拒まれた
恥の証しのトムの存在を消そうとした
ユーウェル父娘は その罪を消そうとトムを犯人に仕立てた
アティカムの「神の名の下に被告に公正な判断を」
希(ねが)いは届かなかった
陪審員の評決は「有罪」だった
アティカムは挫けず上告を考える
子供達を連れ帰宅するアティカムに隣人の女性「残念だったわ」 ジェムには「慰めにならないけれど 聞いてほしいの
世の中には嫌な仕事を引き受ける人が必要よ」
車が停まりアティカムが聞いたのはー
「トムが死んだ
護送の途中 逃げて 保安官補佐は足を狙ったが
外れ 死んだ
トムは狂ったように走ったそうだ
絶望せず再審を待つように言ったのに
勝てる見込みはあったのに
救えたかもしれないのに」
アティカムはトムの家族に知らせに行く
ジェム「僕も行くよ」
父親についていく
トムの父 スペンサー「再審の話をしていた いつ頃になりそうです」
アティカム「トムは死にました 」
知らせに出てきたヘレン泣き崩れる
室内に入るアティカム
そこへユーウェル
「アティカム・フィンチを呼んでこい 早くしろ」
出てきたアティカムの顔に唾をかけるユーウェル
アティカム こらえてかけられた唾を拭く
何もしないのに ユーウェルの方がびびる
黙って車に乗り去っていくアティカム
10月になり 街は再び静かになり
スカウトはブーのことが気になる
ハロウィンの夜 ジェムとスカウトは会場へ向かう
やがてハロウィン・パーティーが終わり スカウトの着替えが見つからないため ジェム達は会場を出るのが最後になる
スカウトはハロウィンの仮装のまま帰ることに
ジェムは被り物を着たままで視界が狭いスカウトを庇うように歩いているが 不審な物音に立ち止まる
暗い暗い森の中の道 兄妹は家路を急ぎます
スカウトは突き飛ばされ 妹を庇ったジェムの悲鳴
何か揉み合う物音
誰かが倒れて動かないジェムを家へと運んで行きました
仮装の被り物を脱ぎ捨て スカウトも家へ走ります
アティカムはスカウトの無事を確かめると「レイノルズ先生を」 医師と保安官とを呼びます
レイノルズ先生は手当てを終えてから言いました
「無理やり腕を引きちぎろとしたようなー ひどいな
骨折だ」
ジェムは眠っています
やって来た保安官は言いました
「ユーウェルが横腹を刺され 横たわり死んだ」 続けて保安官「これで子供達は安全だ」
ジェムを運んでくれたのはブー(ロバート・デュバル)だった
ジェムの部屋のドアの影にいたブー スカウトを見て微笑む
森でユーウェルから兄妹を助けてくれたのはブーだったのだ
ブーは怪物などではなかった
むしろ顔立ちは整った金髪の青年だ ハンサムと言ってもいい
アティカムが名前をスカウトに教える「アーサー・ランドリー」
スカウトはブーに言う「ジェムにおやすみを言う」
「寝ているから 撫でてあげて 起きていると触らせてくれないから」
ブーは 恐る恐るジェムの頭を撫でる
スカウトはジェムをポーチのブランコに誘う
外ではアティカムと保安官が話している
保安官「ジェムは12か13か」
アティカム「ジェムがユーウェルを殺したと」
裁判を覚悟するアティカム
保安官「息子さんじゃない」
保安官はブーを見ながら言う
「ユーウェルはナイフの上に転んだ
無実の黒人が死んだんだ
このシャイな男を人前に引きずり出すことも罪だ
ユーウェルは自分で転んで死んだんだ」
スカウトもアティカムに言う「保安官の言う通りよ
マネシツグミを殺すことは罪なんだよね」
アティカムはブーに「ありがとう」礼を言って握手をして「子供達を救ってくれた」
スカウトはブーを家へ送る
死の時には食べ物 病気には花を 隣人は心を通わせる
ブーは隣人だった
彼は人形 壊れた時計の鎖 ナイフ そして命をくれた
アテイカムはよく言っていた
「その本人になって想像を働かせてみろ」と
そのポーチに立つだけで 十分だった
数年後の秋 ブーは姿を見せた
アテイカムは父は 負傷したジェムが朝目覚めるまで 眠らずに待っていた
原作は著者ハーバー・リーの自伝的小説と言われています
セットでつくられた街を見て 自分が育った街に驚くほど似ていると感嘆したそうです
古い映画は 他の映画とごちゃ混ぜに記憶していたり すっかり記憶の中から抜け落ちている場面があったりします
DVDを観ながら 自分の記憶力のいい加減さを感じて(笑)おります
ヘンリー・フォンダ 西部劇なら保安官 似合いますねぇ
グレゴリー・ペックは どんな役柄を演じてもー大好きです
「オーストラリア」この映画でのヒュー・ジャックマンさん 今まで観た役の中で一番好きです
西部劇のエッセンスが いっぱい入っているように感じました
死んでしまうラム酒大好き ハモニカも得意なよいどれさん おいしい役でしたね
↓『オーストラリア』は、もうちょっとふざけてもよかったかなぁと思いました。監督が、ケレンたっぷりのひとですからね~。