花のさくら通り (集英社文庫) | |
荻原 浩 | |
集英社 |
先にユニバーサル広告社シリーズとして「オロロ畑でつかまえて」「なかよし小鳩組」があります
「花のさくら通り」はシリーズ三作目となります
このあたりは北上次郎氏の解説に詳しいです
妻に離婚されて しかも別れた妻は既に再婚 新しい父親になつかないといけないから娘の早苗には会うなと言い渡されている杉山
けれど早苗は父親が恋しくて葉書を送ってきます
本当は返事を出したいけど 出せずにいる杉山
その杉山のいる会社は家賃が払えなくなって都落ちで引っ越します
引っ越した先はシャッターを下した店もある商店街の中にある菓子店・岡森本舗の上
その二階に暮らさざるを得なくなる杉山
岡森本舗の守は父親から店を引き継いだもののーいまだ口出ししてくる父親
店の経営につき思い通りにならないところも多かった
商店街には会長がいて その会長一派の思惑で商店街はさびれていく一方
皆 なんとかしなきゃ どうにかしなきゃとは思っているもののー
これと言った手段を思いつけない
商店街の祭りのポスターを頼まれた杉山は だんだんに燃えていく
杉山の言動がきっかけとなり周囲の人間も少しずつ変わっていく
新しいお菓子を工夫している守
寺の跡継ぎになる青年と教会の娘の恋
かなり鈍感らしい杉山は自分に寄せられる想いには気づけず
商店街で発言力ある女性の申し出
過疎化してしまった住宅地へ商品を売りに行く試み
商店街は生き残る為に客を増やす為に スパイしてくるスーパーとの駆け引きあり
放火犯をつかまえる騒動あり
商店街に溶け込みあれこれ頑張る広告社の面々
最後 杉山には思いがけぬご褒美がありました
娘の方から会いに来てくれたんです
そうして杉山達が力をふるった広告はー読むだけでもとっても素敵な仕上がりです
「さくら通り商店街 ショートムービー」
頑張ったみんなが幸せになれる そんな商店街
そこは行ってみたくなる・・・ううん!住んでみたくなる街です