ガータロウは白黒の野良猫、
どんなにお腹が空いていてもニャーオと鳴いたことが無い。
猫の鳴き方さえ知らない生まれ持っての不幸を背負っているのだろう。
人の顔を見たらガー・ガーと歯をむき出して威嚇するような声を発する。
それでも3食きっちりと餌を求めてやってくる。
以前に茶トラの野良猫が居て3軒で面倒を見ていたけれど老衰で亡くなった。
その茶トラの食べ残しを食べて住み着いているのがガータロウ、
ガータロウはちひろが面倒を見ている。
朝4時ごろには裏の雨戸が開くのを、モード履きの上に座って待っている。
目が合えばガーガーと威嚇するけれどフードを要求しているのである。
時にはお魚の粗をスープを多めにして煮ておいてやると、時間をかけて食べてゆく
ちひろの家はあまり家計が豊かでは無い事もあって、最近は3食食べに来るのは堪忍してといって、
けちる事も増えてきた。
キャットフードだって5~600円かかる。
うちの姫ちゃんのフードやおやつ代やトイレットの砂代が結構高くついているから、
つい野良猫に根性悪をするようになっていた。
そのガータロウが4~5日姿を見せなくなって、毎日野良猫の安否が気になって仕方がなかった。
老衰で死んだのだろうか・・・3食を2食に減らした根性の汚い自分に腹が立つ。
もう15歳は過ぎているかもしれないとキャットフードも15歳以上にしたばかりだし、お魚の粗ももう与える猫がいなくなると、
寂しさを感じるようになって、ガータロウへの哀れみが増すばかりになっていた。
毎朝、裏の雨戸を開ける時はガータロウが座っている事を期待しながら開けていたが、
今朝はガータロウが戻っていた…相変らず目が合うとガーガーと威嚇しているが、目やにだらけの醜い顔がなぜかすっきりとしている。
姫に買っていたお肉入りのフードを入れてやるとまた時間をかけて美味しそうに、がつがつと食べている。
足は怪我か喧嘩で痛めていてふらふらと不自由な歩き方だけど、空腹を満たしてやるのは私だけだと思うし、
ガータロウもここへ来れば食べるものが貰えると信じ切っているのだと思うし、信頼を裏切らないように3食あげるからね・・・
お魚の粗や残り物食べてくれるのガータロウだけだから、感謝しなければね。
生きていて良かった~・・・命あるものは助け合わなければ、と言うのが私の信条だから・・・頑張ろう。
去年、折れた枝を挿し木して置いたら、今年はもうはやお花が咲いた。
ジャスミンが咲いてきた。
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