2016年は申(さる)年 「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿
2016年(平成28年)は申年で、動物にあてはめると猿になります。そこで、申と猿に関する豆知識を紹介します。
※2016年の干支は「丙申」(ひのえさる)となりますが、一般的には十二支のほうをさすため、ここでは「申」をとりあげます。 十二支としての申について ・十二支の9番目。
・申の方位は西南西 (正しくは西南西よりやや南寄り)。
・申の刻は、午後4時およびその前後2時間。
・申の月は旧暦7月。
<申年生まれの特徴> 器用で明朗活発。好奇心旺盛で要領がいい反面、落ち着きがないといわれています。
「申」という字は稲妻の形で、左右に光が屈折している形を縦線の横に並べて「申」という形になったといわれています。この稲妻は天の神の威光を表した形で、神の発するものであるという考えから「かみ」の意味となり、「申」が「神」のもとの字になりました。 申という字の成立ちは、とても神聖なのですね。
猿についての豆知識
人間に似ている猿は、古代エジプトや中国など世界各地で神聖なもの、神秘的なものと考えられてきました。日本でもニホンザルを神の使いと捉えた例がたくさんあります。また、猿は「去る」に通じるため、難が去ると信じられていました。
【猿神(さるがみ)】 猿を山の神、太陽神の使者として祀ったもの。日吉大社の神猿(まさる)が有名です。
【厩神(うまやがみ)】 猿は馬の守護神とされていたため、馬を守る存在として厩(うまや。馬小屋のこと)に猿を祀っていました。
【猿まわし】 猿は馬の守護神と考えられてきたので、猿の芸は厩の魔除けや厄病除けとして重宝されました。また、「去る」に通じることから、難が去る縁起の良い芸として正月などに盛んに行われるようになり、大道芸として広がっていきました。
【猿ぼぼ】 岐阜県飛騨地方で作られる人形で、赤い体に黒い頭巾と腹掛けをしています。「猿ぼぼ」とは、飛騨弁で猿の赤ん坊という意味で、魔除けのお守りです。
【身代わり猿】 猿のつるし人形で、奈良町庚申堂・庚申信仰のお守りです。赤い体で手足をくくってあり、災いを代わりに受けてくれるので「身代わり猿」といいます。また、背中に願い事を書いて吊るせば願いが叶うとされ、「願い猿」とも呼ばれています。
【三猿】 3匹の猿が両手でそれぞれの目、耳、口を隠した姿で、「見ざる、聞かざる、言わざる」という叡智の3つの秘密を示しています。 「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿 江戸初期の左甚五郎作と伝えられている日本で最も有名な三猿といえば日光東照宮の三猿 日光東照宮の三猿で、神馬をつなぐ神厩舎(しんきゅうしゃ)に彫られています。猿が馬の守護神とされているためです。この三猿は、猿の一生を表した8つの場面の幼少期を示しており、世の中の悪いことを見たり、聞いたり、言ったりせず、良いものだけを受け入れて素直な心で成長しなさいという教えを表しています。
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