私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

マクドナルドの賃金不払い

2005-08-02 21:57:18 | なんということはない日常
アルバイトの時給計算や、社員の残業代を算出する際、時間を30分単位で丸めていたことを労働基準監督署に指摘され、是正することになったマクドナルドの話を聞いて、「私の残業代は?」と思った人も沢山いるに違いない。勤め始めてからずっと人事関係の仕事をしていた私にとってもこの話は他人事ではない。

新人だった頃、タイムカードのチェックの仕方を「残業代は15分刻みでカウントしますが、最初の1時間まではカウントしませんからね。つまり残業は1時間を越えた時点で1時間とカウントするけれど、55分で残業を終了した場合は、残業時間は0ですからね」とこんな風に説明された。それに対して疑問をぶつけると、「あなたが残業代を払えるの?」と逆に怒られたりしたものだ。

残業時間は分母となる月の総労働時間も重要だが、その管理もいい加減で、総労働時間が減ったにも関わらず、分母の時間をそのままにしていたため、支払うべき残業代が少なくなっているのに、気が付いた時も同じように注意されたものだ。

「法律っていうけれど、法律を守って経費がかさんで会社がつぶれたりしたら、誰が責任を取るの?法律でつぶれた会社を救済でもしれくれるの?」若気の至りで正義感を振りかざすのもいい加減にして頂戴といった口ぶりで注意を受けたりしたこともある。
以前勤務していた零細企業では「法令順守」等という文言とは無縁の労務管理が行われていたのだ。

ここまで酷くなくても、10分単位で残業を切り上げるだとか、時給者の計算は15分単位というのは現在でも普通に行われていることだと思う。
マクドナルドを擁護するわけではないが、今の基準法は昔の工場のような、生産活動と労働状況をきっちり管理しやすい職場を想定して作られているものだし、労働時間の管理に関しては現状とそぐわず、法律を守ろうとすると馬鹿みたいな事務処理を行わなければいけないことは確かだから、管理する仕事をしてきたものとしては、正直同情してしまう。

更に残業代の支払いだけでなく、法定調書の合計表だの、所得税だの、それに付随する雇用保険の支払いはどうするのかとか、過年度分の営業費用は総て損金で処理するのかとか、付随する事務処理は膨大な量になるだろう。

時代の流れにあわせて法律を変えてこなかったこと、法律をかえる努力をしてこなかったことのつけがこんな風に影響してしまったのだろう。
喩えは悪いが、「悪法でも法は法」というのを改めて思い知らされる。

「あなたが残業代を払えるの?」と注意された会社は、数年前に売り上げ不振で倒産してしまったそうだ。法令順守が疎かだったことが影響したのかどうかは今となっては確認のしようもない。



マクドナルド、超過勤務時間の計算法是正 労基署指導で (朝日新聞) - goo ニュース