こんばんは。
ご存知の方は相当な少女マンガ好きと断定させて頂いても良いかと思います。読んだ事のない方も、もしかしたらタイトルくらいは何処かで見かけたかもしれません。何しろ30年の連載記録を更新中、
作者は70才という高齢(先生、誠に失礼極まりなく、すみません)完結してくださいませ!と願ってる作品です。
秋田書店 細川智恵子&芙~みん作 『王家の紋章』
1970年代の絵柄を今も尚描き、コアなファンに支えられて平成の今でも続く大河ロマン。
私は、この古代エジプトを主に古代オリエントを駆けまわるヒロインと7歳の時に出会いました。
家にお客様がいらして、静かにさせておきたかった母が6巻までを手渡したのです。(本日16日、60巻発売)
歴史なんてまだ何も知らない小学一年生の私にマンガとはいえ「読むの?読めるの?」な内容です。蛇足ですが、同じように名作『ベルサイユのばら』も全10巻ポンと翌年8歳で手渡されました。
私の歴史好きは、母の歴史少女マンガ攻めから始まります。
前置きがかなり長くなりましたが、その『王家の紋章』が来夏ミュージカル化されることになりました🙌キャーッ💕
30年の間に出てくるキャラも増え、場面も何処をミュージカル化するか驚きましたが、まあ最初の1巻~4巻辺りと思います。
ファンが増えれば嬉しいです。
軽く内容を書かせていただきます。(手元にマンガがないのでかなり適当)
主人公 キャロル.リードはアメリカのとんでもない大富豪の末っ子で一人娘、両親や二人の兄から(特に長兄ライアン.リード)溺愛されて育ち、無類の考古学好きのキャロルはエジプトの高校に留学して、その熱心さからブラウン教授にも可愛がられるし、同じ考古学科の仲間もキャロルを可愛がり、教授の孫息子ジミーとは後に婚約する程の仲の良さ。
教授の夢はやはり王家の墓を発掘することで、もし発掘できれば投資以上の利益を得るリード財閥は教授の発掘のパトロンになっていました。そして物語の始まりは王家の墓を大発見したことから始まります。(モデルはツタンカーメン王墓と思われます)
世紀の大発見に興奮を隠せないキャロルは教授たちといきなり王のミイラが眠る部屋に入り、ミイラが入った金色の棺に色あせた花束があるのを見て感激します。教授は人型棺を見て「この王は若くして亡くなったんじゃな」と呟きます。(結構重要な言葉です)
ミイラや墓の詳しい研究は明日から、ということで一同は墓を後にします。その時、一枚の石板が欠けてしまいましたがキャロル以外気にすること無く…
【王の眠りを妨げる者 死の翼触れるべし】
と書かれた呪石でした。
ガードマンが警備する王家の墓から夜半不気味な音が鳴り、妖しい風が吹き、呪石に封印されていたもう一つのミイラが蘇ります。
美しい女性として現代に蘇ったミイラは女王アイシス。
アイシスの弟、眠れるミイラのメンフィス王が物語のヒーローです。
アイシスは愛する弟の眠りを妨げた者たちに復讐を誓いますが、例の呪術石が復元された時、現代にいる力をなくし、仕方なく墓を暴いたリード家の娘、キャロルの腕を掴みナイル川に共に飲み込まれて、舞台は三千年の時を超えた古代エジプト、キャロルが見たミイラが現実に生きていて、運命の相手でもある若く女性の様な美貌に長い美しい黒髪をなびかせる、猛々しい少年王メンフィスの治める時代へとキャロルはアイシスによりタイムスリップさせられます。
出会いは最悪で、白人のキャロルは輝く金髪にナイル川の様な青い瞳の美少女なので、メンフィス王は気に入り奴隷としてキャロルを召し抱えるのですが、コブラに噛まれたメンフィスをキャロルは不本意ながらも優しいので見捨てられずに救ったり、二十世紀(連載当初1970年代だったから)に帰りたくて逃げまわるキャロルに怒ったメンフィスはキャロルを辛い建設現場に送り、熱暑の砂漠で働くキャロルは仲間の奴隷たちを使い(こういう所はさすがお嬢様、人を使い慣れてますね😨)泥水を綺麗な水にろ過して喜ばれたり、まだエジプトにはなくヒッタイト帝国が独占していた鉄を剣にして(鍛冶が出来るお嬢様💧)、メンフィスや宰相イムホテップ、ミヌーエ将軍を驚愕させて、いつしか伝説のエジプトを救うナイル川の女神の娘『ナイルの娘』『ナイルの姫』と呼ばれ民から絶大な支持を受け、またメンフィス王もキャロルにメロメロになり王妃にと望みます。
愛する弟がよりにもよってキャロルを愛してしまい、激怒し憎しみの塊になった姉アイシスはキャロルを殺そうとあらゆる手を尽くしますが、何故かキャロルは不思議な力で守られ、アイシスは失敗ばかり。
そんな時、旅商人に身をやつして諸国を偵察していた現代トルコにあたるヒッタイト帝国(マンガではヒッタイト王国なんですが、実際は帝国でした)の王子、イズミルとキャロルは出会います。イズミル王子もかなりのイケメンで、その聡明さは諸国に令名高き王子と知られてます。しかも強い。
旅商人と信じていたイズミル王子に気に入られたキャロルは、エジプトを揺るがす鍵としても使うためにさらわれ、海を超えたヒッタイト国に連れて行かれます。
さぁ大変!大事なナイルの娘を奪われたメンフィスとエジプト国民は怒り、両国で戦争が始まるのです。
何とかエジプトに帰りたくて、逃げるために知恵を使うキャロルにイズミル王子もその美しさと賢さに惹かれ、逃すまいと何度も何度もキスします。(メンフィスもキス魔です)逃げるとムチで叩いたりも。
キャロルの奮闘むなしく、エジプト対ヒッタイトの戦は始まり、エジプトの優勢と見るやイズミル王子は戦場にキャロルを引き出し剣を向けます。「ナイルの娘が大切ならば動くな」という恫喝は効果てきめん、エジプト兵もメンフィス王も動けず、メンフィスはキャロルの前で矢を射かけられます。
再び部屋に幽閉されたキャロルは泣きながらメンフィスの身を案じ、頭の中では教授の「この王は若くして亡くなった」が何度も繰り返し思い出され、キャロルはついにメンフィスを愛してる自分に気付きます。
戦は再開され、密かに城に潜入したメンフィス王とエジプト兵により、城内は火の海と化し、メンフィスと一対一の戦い中に敗北を悟ったイズミル王子は撤退を決めます。
「今は退く。だが、メンフィス王、ナイルの娘よ。再び相見えようぞ」と言って消えます。
悪人のように書きましたが、実はこのイズミル王子はとてもとても優しく、どこまでもキャロルを愛して身を挺して守ったりもするのです。ヒッタイトの唯一人の王位後継者なのに、エジプト王妃キャロルしか愛せず、父王が強いる政略結婚の利益も知りながらも他の女性を妃にすることがどうしても出来ない程キャロルだけを愛し、
「我が愛するは、天にも地にもナイルの姫のみ」と誓います。
さて、運命の二人はエジプトに戻り、婚姻の儀をあげますが最後の儀式のライオン狩りで大惨事が…
と、手元にマンガもないのでかなり間違ってるかもしれませんが、1巻~6巻のあらすじです。多分ミュージカルはこの辺りかなと思います。
キャロルとメンフィスの愛とイズミル王子のキャロルへの愛、アイシスのメンフィスへの愛憎を軸に、物語はエジプト、ヒッタイト、アッシリア、バビロニア、ミノア、インダス、シバ王国、アビシニア、トラキア、現代と舞台を次々移し続いていきます。
現代にキャロルが戻るのは古代では治せないケガを負ったり、メンフィスとケンカして、実家に帰るわ私!の時です。
いやー、実に壮大な話ですが、基本はキャロルがイズミル王子や各国王にさらわれる→メンフィス慌てて連れ戻す ですね。
既にエジプト王妃のキャロルなのにさらわれ過ぎだし、自分から危ないとこに行って、「メンフィス助けて~!」ってやっぱりお嬢様よねぇとため息。
ですが、女性は愛する男性(夫)に助けられたい!めちゃくちゃに愛され守られたい!ついでに夫以外の男性にも追いかけられ、プラトニックに愛されたい! そんなわがままな願望を満たしてくれるのが『王家の紋章』なんです。
ミュージカルキャスト
メンフィス 浦井健治
キャロル 宮澤佐江.新妻聖子
イズミル 宮野真守.平方元基
アイシス 濱田めぐみ
イムホテップ 山口祐一郎
ドラマカセット第一回キャスト(売ってるのかな?CD版)
メンフィス 神谷明
キャロル 藩恵子
イズミル 塩沢兼人
60巻限定ドラマCDキャスト
メンフィス 梶裕貴
キャロル 沢城みゆき
イズミル 櫻井孝宏
第二回ドラマCDは残念ながら持ってないのですが、第一回と60巻のCDの有名声優さんを見たら大体キャラのイメージがわかると思います。
熱血愛情型メンフィスVS冷静沈着ネチネチ愛情型イズミル
天真爛漫だけどどこか威厳あるキャロル。
ミュージカルも楽しみです。
カセットドラマは当時2500円、小学生の私はお小遣いを貯めて買いました。懐かしいです。
長い長い大河ロマン。
読者はやはりキャロル目線になるので、自然にメンフィス派とイズミル派とに分かれます。
私は最初から今に至るまでどちらにも決められず、メンフィス王ステキとなったり、イズミル王子カッコイイとふらふらしているので、甲乙つけがたいイケメンに愛されるヒロインキャロルが羨ましいです。
いかがでしょう?拙いあらすじに呆れた方も興味を持って下さった方もぜひ1巻からコミックや文庫を大人買いして読んで見てください。
王家ワールドにひたって、遥か三千年の時を超えた愛を旅してださい。旅はまだまだ続きます。オリエントやエーゲ海、アナトリアの歴史にも惹かれると思います。
イズミル王子に捕らわれたキャロルとキャロルを案じるメンフィス王
キャロルをめぐりエジプトも手中に入れたい各国の王
またイズミル王子にさらわれたキャロル でも守られてます
あれ?イズミル王子率高いですね。メンフィス王も好きですよ。
読んでいただき、ありがとうございます。
ナイル川に咲くロータスではないですが、同じ蓮の花
いつか行きたいエジプトとトルコ