暁に咲く幻の花

花が咲くように生きていきたいな。日々のあれこれ、嬉しいこと楽しいこと好きな人のことを、花や自然にことよせて綴ります。

頑張りすぎた明治の文学青年たち

2015-07-17 16:14:19 | シンガーソングライター

こんにちは。
台風の話から始まってばかり。やはり、被害も甚大でした。
京都の祇園祭は厄除けの祭り(厄神を鎮める祀り)だったのに、この台風は余程強かったようで、宵山が150年余り天候で取り止めたことがなかったのに今回は負けてしまいました。
私の住む地域には避難勧告は出ていませんが、同じ市内の少し離れた所は、レベルが上がって避難指示が発令しました。
自然災害は本当に怖いですね。

 一日家にいた私と子供たちは、宿題をしたり、一緒に食事を作ったりして過ごしました。
中学生の息子の読書感想文は何を読むか二人で考えました。
私がこんなに本好きなのに、本嫌いな息子ですが何とか二冊選び早速私と夫の書斎に行き、読み始めてました。
推薦図書が書かれたプリントを眺めて、時々西洋の古典を見つけて、私を含めた今の時代の子供たちは恵まれてるなあと思いました。
何が恵まれているかといえば、シェークスピアやトルストイ等の西洋古典文学を自分で辞書を引いて訳しながら読まなくて良いからです。
鎖国を解いた明治期には西洋文化が日本中に広がりました。
初めて触れる西洋の文学作品に、明治の文学青年たちは「おお、これが教授の言ってた『ロミオとジュリエット』か!『ハムレット』もあるぞ。よし、読もう!」とページをめくれば、もちろん知らない単語だらけの英文や露文に仏文です。辞書を片手に必死で訳して読んだことでしょう。もう一回読む時にまた苦労しないため全文訳してノートに書き付けたでしょう。ついでに訳したノートを大学で友人相手に貸し賃一冊○円!出せよ、など商売した人もいるでしょうね。書店から翻訳を頼まれたりして、次々と文学作品は日本語に翻訳されていき、今平成の時代に自分で翻訳して読むのは専門家たちぐらいでしょう。
 明治や大正の文学青年たちや文学乙女の情熱と努力で、私たちは簡単に西洋文学に親しめるわけです。
明治の人より楽した分、私たちは知能が下がったのではないでしょうか? 『山のあなたの空遠く 幸い住むと人の言う』などの詩も
全部訳してくれてます。
本を一冊訳すというのは、並み大抵の語学力では無理です。
直訳したら意味がわからないし、ドイツ語なんてやたらと回りくどく何が言いたいのかジリジリしながら訳した経験があります。
また、そうして文学知識を高めた明治の文豪たち、夏目漱石や森歐外はじめ綺羅星の如く日本に名作を残してくれました。
歐外先生は、帝国陸軍軍医で漢文にも造詣が深く歴代天皇の謚号(天智天皇の天智は漢文書籍、四書五経のどの部分から選ばれたか)の研究書まであります。
漫画家手塚治虫先生も医学博士で仏教にも通じ『火の鳥』『ブッダ』『ブラックジャック』←(好きです)など数多くの名作を残してくれました。
 ゆとり教育については、私の世代(偏差値教育最後組かな)でもないし子供たちは逆に私たちの頃より更にグローバルな知識を必要とされた教育を受けてる真っ最中なので、ゆとり教育を論じる資格もないし、ゆとり世代にも逸材は必ず育ち、今に花開くでしょう。
 平成の文学.理系青年、文学.理系乙女にはぜひ頑張って日本教育水準を上げて、何より自分の頭の知識貯金を生涯かけて増やし続けて欲しいと願っています😉
私も日々減っていく脳細胞と戦い、一冊でも多くの本、一つでも知らない言葉を知識貯金していきます。

読んでいただきありがとうございます。




どの花も美しいですね。
枯れるからこそ美しく、心の花も枯れても必ず咲きます。