日々草創

「清く、楽しく、気持ち良く」、、、アホのままでもいいんです。

鉄人の定義

2010-02-07 | 日記
先日、テレビで阪神タイガースの主砲「鉄人金本」がインタビューされている場面を偶然目にした。
金本といえばフルイニング連続試合出場の世界記録を持ち、時には骨折しようとも強行出場してヒットを放つという強靭な肉体と不屈の精神力を持つ人物である。
まさしく「鉄人」というニックネームが日本一似合う男といっても過言ではないだろう。
そんなインタビューの中で「怪我をしないコツは何ですか?」という問いに対し、鉄人金本はこのように答えていた。

「怪我は、怪我と思った時点から怪我になるのです」

すばらしい・・・
ドラゴンズファンの僕ではあるが、この瞬間から大の金本ファンになった。

確かに「怪我」の定義は曖昧で、これといって定められたモノはない。
しいていえば、医者から何らかの診断をされれば「怪我」と言ってもいいだろう。
しかし「スリキズ程度では怪我をしたうちに入らない」という考え方があったとすれば、金本のように「肉離れ」をしたとしても、痛いのを我慢し打席に立ち続け、そのまま治ってしまえば怪我をした事にはならない。
それどころか骨折さえも怪我とは認めず、そのまま打席に立ち続け、何も無かったかのように治してしまえば、骨折を怪我どころか「骨が痛い」程度に終わらせてしまう事が出来てしまうというのだ。
さすが鉄人。
ここまでくるとアホである。
いや、冗談でもそんなことを言えないほど尊敬すべき根性である。

この鉄人の名言は病気などに対しても当てはめる事が出来るだろう。

とある医者が、こんな事を言っていた。
「『風邪』という医学的病名は無い」
ようするに「風邪」にも定義が無いのだ。
多少の微熱程度なら「疲れが溜まっているだけ」と考え、インフルエンザのようなウィルス性の風邪じゃない限り普段通りの生活をし続けてしまえば、風邪をひいた事にはならない。

これを同じと言っていいのかは分からないが、僕にもこんな体験がある。
数年程前までの僕は「肩こり」というものを知らなかった。
しかしある日、散髪後に軽くマッサージをしてくれる美容師さんから「肩、こってますね」という言葉を言われてから、それまでは「今日は腕がダルいなー」程度にしか思っていなかった何でもない違和感が「肩こり」になってしまったのだ。
どこからが肩こりか?という定義がなかった為に、他人の言葉によってその瞬間から自分の中で「肩こり」と決めてしまったのである。

ここまでの流れを考慮すると、鉄人の言葉から一つのキーワードが見えてくる。

「定義の無い言語の基準は、自己の判断に委ねられる」という事だ。

という事は、このような場面にも当てはめる事が出来る。

以前、ある女の子からこんな質問をされた。
「どこからが浮気だと思う?」
この質問には、恐らく人それぞれ色々な答えが出てくるだろう。

「デートしたら」
「キスしたら」
「SEXしたら」
「相手にバレたら」

このような回答からも、浮気には定義が無い事がわかる。
という事は、

「浮気は、自分が『浮気』と思った時点から浮気になる」

と、当てはめられるのだ。

「浮気なんてしてないわよ。ただ、一緒にゴハンを食べに行っただけなの・・・」
「成り行きでキスをしてしまっただけで、浮気なんてしてないぞ」
「気付いたら裸で抱き合ってて、知らないうちに彼のオチンチンが私の中に入ってただけで浮気なんてしてないもんっ」

そう、法で何らかの裁きが無い限り「浮気」にも人それぞれ違った定義があるのだ。

以前、無類の女好きなヒロ君と飲みに行った先で、このような会話のやりとりがあった。

「ヒロ君は、どこからが浮気だと思う?」

「中で出したら」

ようするに、彼も「鉄人」なのである。

アホの限界

2010-02-01 | 日記
ちょっと前、親友のマーくんを中心に地元でクラブイベントが行われた。

地元で行われる自ら主催するイベントや身近な友人が主催するイベントは、昔からの知り合いが大勢集まって和気あいあいとした雰囲気がとても心地よく、僕にとっては楽しみな行事の一つである。

先当たってマーくんからイベントの宣伝を頼まれていた事もあり、周りの友人にも声をかけたが残念ながら仕事が入っていたり風邪をひいていたりと、僕がDJをしないという事もあってか殆どの友人は来ていなかった。
しかし会場は、お客さんの数が多過ぎず少な過ぎずで心地よい賑わいを魅せ、とても楽しい空間が出来上がっていた。
普段はあまり飲まない事もあって運転手になる事の多い僕ではあるが、たまたま友人に送迎してもらえるという事もあり、久しぶりにビールを飲む事にした。
とはいうものの僕は非常にお酒が弱いので、一杯で充分に酔っ払いになれる安上がりな人なのだ。

そんなこんなで酔っぱらった僕が踊っていた時、一人の女の子から電話が入った。

「なんか大きい音が聞こえるけど、どこで遊んでるの~?」
「あ、友達のイベントだよ」
「えー!聞いてないよ!誘ってよー!」
「あれ?仕事じゃないの?」

電話の相手はハナちゃん。
ここらでは、ちょっと有名なキャバ嬢だ。
タトゥーが体中に入っているものの、モデルのような体型と男ウケばっちりな顔、そしておちゃめな喋り方と天然っぽい話し方が男心をくすぐり、どこの店へ行っても人気抜群。
そして女の子の面倒見もいい事から他のキャバ嬢からも慕われていて、ローカルではあるがキャバ嬢の中ではちょっとしたカリスマ的な存在である。

そんなキャバな子なのだが、どうやら出勤途中の車の中で急に店へ出るのが嫌になり、Uターンして帰ってきたものの、する事がないので僕に電話をしてきたのだ。

「今から行くーっ」
「そんな理由で店を休むなよ・・・」

しばらくすると、お店に出る格好なのか可愛らしい服装で現れた。

「可愛いじゃん」
「あたりまえー」

そんな派手な女の子なのだが意外にも人見知りが激しく、僕の友人が大勢いる中でもいつもなかなか輪に入れない。
その為か頑張ってお酒を飲むものの、幸か不幸かお酒が非常に強く、いつまで経っても酔いが廻らずにずっと僕の近くでモジモジしていた。

「可愛いじゃん」
「うるさい」

そんなシャイな一面を覗かしながらモジモジするハナちゃんの手元を見ると、携帯がメールを受信しまくっているのに気が付いた。

「ほっといていいの?」
「いいよー、お客さんだから」

さすが人気キャバ嬢だけあって夜中だろうと頻繁に常連客からメールが入ってくる。
そして働いているお店がクラブっぽい所だからか、そのメールの相手も会社の重役や起業家など、ある程度の地位やお金を持った人が多いのだそうだ。
そんな中、いくつかそのメールを僕に見せてくれた。

「この人はねー、ぞのさんっていって、40歳過ぎで起業してウエディングプランナーやってる人なんだけど、結構仕事が出来る人みたいでお金も持ってるから常に指名してくれるしワガママも聞いてくれてすっごくイイお客さんなんだー」


題名「ハナちゃんえ」
本文「ぞのチャンだぴょん。こんどわ、いちゅお店に出るなりかぁ~????」


なんてこった。

ある程度仕事で成功し、その副産物で小金持になった人が少しぐらいキャバクラなどの飲み屋で若い女の子をからかいながら飲んでいても、軽いご愛嬌といったところだろう。
しかし何だ、このメールは。
少なからず会社内では人の上に立ち、若手社員の手本となるべきオッサンが、キャバ嬢と云えど年頃の女の子に向かって「だぴょん」とは何たる事。
こんな事だから世間の若い女子達がオジサンを馬鹿にするようになるのだ。

と思いつつも、面白くて笑いが止まらないメールのオンパレード。
そしてそれは、役職や地位が高いほど面白い。
そんな貴重なメールを見ておいて言うのは何だが、恐らくこうやってスキャンダルな記事などが生まれてくるのだろう。

壁に耳あり、クロード・チアリ。

最もプライベートで癒される空間だからと思っていても、油断は禁物。
そこに第三者が存在すれば、誰に見られ、どこにそんな恥ずかしい醜態が漏れるか解ったものではない。

アホな大人が悪いとは思わない。僕もその一人だ。
何よりコスプレした時のハナちゃんの写メを見せてもらい、萌えっとしてしまったほどである。。
しかし、これだけは心得ているつもりだ。

アホにも節度があるって事を。