草臥れオヤジのハードボイルド

こんにちは。

エルです。


今日のタイトルはこちらの本。

伊岡瞬『いつか、虹の向こうへ』


これは横溝正史ミステリ大賞受賞作。

ミステリーって謎解きはすごく苦手なのだけど、この主人公が全然格好よくなくて(笑)。
元警察官だけど刑務所帰りで、警備の仕事をしつつ安酒を飲んで帰る日々。

ちょっと変わってるな～と思ったのが

家には赤の他人が３人も住んでいて、そこにもう一人、家出少女のような女の子が入り込んできて、物語が動き出すのです。


寄せ集めの家族ごっこ？と思ったけれど、そこには理由を抱えた人間達が
まるで江戸時代の人情長屋みたいに、干渉はしないまでも身を寄せあっている感じがある。


話は殺人事件、美人局、ヤクザが絡んできたりと、そこはハードボイルドの王道？なのだろうか。

読者を煙に巻いたようなラストは選考でも問題視されたそうだけれど


登場人物たちが、時にひどく魅力的で、哀しくもあり、
(タイトルにも繋がる『虹』の話を翻訳する美形の男性、愛娘を殺された人情波の弁護士など)
それは作者に実力があるということなのかと感じました。





今日の良いこと・今日から１０月なんですね。もうあっという間にオリンピックが来そう。
頭痛のせいにして午後はダラダラ寝ておりました。そんな些細なことが幸せ。
いや、頭痛は嬉しくないですが(笑)。







皆様に幸運を！