一関市東山町松川にある「石と賢治のミュージアム 太陽と風の家」で10日、鉱物科学研究所所長で理学博士の堀秀道先生による鉱物の講演会と鑑定会が行われました。
堀先生をお迎えしての鉱物の講演会と鑑定会は4年前にも行われ、今回で2回目。
前回鑑定会の応募が多数で要望も多かったことから、開催するに至りました。
前回同様20名限定を超える申し込みがあり、講演会にも40名ほどの人が集まりました。
講演会では、イーハトーブの鉱物一覧表に沿って、宮沢賢治作品に登場した石の説明をしました。
登場回数最多22回の「硫黄」について、活火山や農業肥料の面でこの地方との結びつきがあり、賢治にとっては身近な石としながら、先生は意外な結果だと話されました。
聴講者の方からは、「過去に豊沢川(花巻市)の奥に硫黄が採れた鉱山があって、現在は閉山しているが、賢治もその硫黄を見たのではないか」と話を掘り下げる場面もありました。
また賢治が好きだった雲母を火で温め、ひる石、パーミュキュライトに変化する実験を行ったり、蛍石に紫外線を当て緑色の蛍石が青に発光する様子等も披露しました。
岩手県内にある北上山地(北上高地)が超大型加速器・国際リニアコライダー(ILC)計画の候補地の一つとして注目を集めています。
ILCは宇宙誕生の謎を解明するために建設されるようですが、地下を利用するため地下100メートル長さ31キロにわたる頑強な岩盤が求められます。
候補地はスイス・ジュネーブの欧州合同原子核研究所(OERN)近郊や米、シカゴのフェルミ国立加速器研究所(ENAL)近郊のほか、日本では九州の福岡、佐賀両県にまたがる脊振山地も名をあげています。
北上山地のどの辺かというと岩手日報の記事によれば第1期計画の直線31キロは「千厩ー人首花崗岩岩盤体」(奥州市ー一関市)となっています。
赤い線で囲まれているところが花崗岩体です。この中の直線31キロが候補地ということでしょう。
幽玄洞の近くなので、期待はますます高まるのでした。
一関市東山町にある「石と賢治のミュージアム 太陽と風の家」では2月29日より「手作り雛と和紙ちぎり絵展」が開催されています。
町内在住の佐藤郁子さんと「しゅんこう和紙ちぎり絵会 千草会長坂教室」先生と生徒さん6名による共同出品で「風のホール」に展示されています。
千草会の方々による作品約30点は平面の世界の中でおひな様の優美さとかわいらしさを繊細に表現しています。
佐藤郁子さんは布雛、はまぐり雛など10組50点を出品し、郁子さんが幼少の頃に袖を通した着物や帯など思い出に残るものをリフォームしたものです。
お雛様の着物の生地はすべて絹。素材の良さがお雛様を引き立たせます。
展示は3月8日まで。ぜひご覧ください。