岸田文雄首相は10日午前(日本時間同日深夜)、米ワシントンのホワイトハウスで、ジョー・バイデン大統領と首脳会談を行った。
覇権主義的な動きを強める中国に対し、日米が緊密に連携する方針で一致したほか、自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しで合意したと、島田氏。
「私はきょう、大統領に『今こそ、グローバルなパートナーとして真価を発揮すべきときだ』と申し上げた」
岸田首相は共同記者会見で、日米同盟の果たす役割を、こう語った。ただ、緊張のためか「同盟国たる中国」と言い間違える場面があった。直後に慌てて「同盟国たる米国」と言い直した。
主要メディアは「日米同盟強化」「日米新時代」と報じたが、識者はどう見るのか。
福井県立大学の島田洋一名誉教授は「『グローバルなパートナーシップ』という表現が気にかかる。優先順位を付けることが重要で、台湾の防衛・抑止力強化に力点を置いて、『日本は踏み込んでやる。その代わり、他の地域、例えばウクライナの支援・復興問題は欧州諸国の責任範囲だ』などと言えたのかどうか。すべての問題で、日本に『お金を出せ』という話にならないよう、明確にすべきだったのではないか」と指摘。
島田氏は「中国の習近平国家主席は、自らのレガシーとして『台湾併合』という意識を常に持っており、抑止力を高めなければならない。中国を牽制(けんせい)する強いメッセージを出すべきだった。
例えば、日本と米国、台湾の合同軍事演習を視野に入れた話ができたのかどうか。中国は言葉より行動を見ており、日米台の緊密な軍事演習の実施が一番の抑止力となる」と!
両首脳は、自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しに合意した。
バイデン氏は「指揮・統制を現代化し、切れ目なく効果的に協力するため相互運用性も向上させる」と語った。
この点をどう見るか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は、「日米同盟はこれまで、有事が起きた場合、日本は『盾』として守りに徹し、米軍が『矛』として攻撃を担うことが想定されてきた。だが、現代では双方とも攻守の役割が求められる。
今回合意した見直しは、自衛隊と在日米軍の異なる指揮統制系統を『一つの部隊』として一体化することに向けた動きと推測できる。今後は役割の境界線が薄くなり、仮に台湾周辺で米軍と中国軍との間で偶発的な衝突が起きた際には、日本は『わが身に起きた事態』として事態にあたる覚悟が求められるだろう」と!
ただ、林芳正官房長官は11日の記者会見で、日米首脳会談で合意した自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しを巡り「自衛隊の統合作戦司令部が米軍の指揮・統制下に入ることはない」と述べました。
米軍との共同対処を含めた自衛隊の全ての活動は「わが国の主体的な判断の下、憲法や国内法令に従って行われる」と説明。その上で「自衛隊と米軍は独立した指揮系統で行動している」と強調したのだそうです。
林官房長官「自衛隊統合作戦司令部が米軍の指揮・統制下に入ることはない」 - 産経ニュース
従来の日本は『盾』として守りに徹し、米軍が『矛』として攻撃を担うという概念から脱却したのが肝。
バイデン氏の言う「指揮・統制を現代化」とは具体的にはどういう体制なのか。
世良氏が指摘する、自衛隊と在日米軍の異なる指揮統制系統を『一つの部隊』として一体化するとはどのような体制なのか。
林官房長官の言う、「自衛隊と米軍は独立した指揮系統で行動」では、有事の行動で戦力の迅速で効率の優れた行動が可能なのかが問われます。
有事には、日米の合同作戦本部体制とされるべきですが、それは自衛隊と在日米軍なのか、自衛隊とアメリカインド太平洋軍(USINDOPACOM)なのか。
具体的には、これから詰めるのか。
いずれにしても、従来の「盾と矛」論は消滅し、日本は自国を護るのに米国におんぶにだっこではなく、対等な同盟関係での自立を求められることになったのが、岸田氏訪米のお土産ですね。
ウクライナ支援の予算が議会を通らない現状の米国。大統領選の行方の世論調査では、トランプ氏が優勢とされる事態。
日本の対応体制整備が急務ですね。
# 冒頭の画像は、首脳会談で握手を交わす岸田首相とバイデン大統領
この花の名前は、ドイツスズラン
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覇権主義的な動きを強める中国に対し、日米が緊密に連携する方針で一致したほか、自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しで合意したと、島田氏。
日米首脳会談、岸田首相が「同盟国たる中国」とまさかの言い間違い 島田氏「台湾問題で強いメッセージを出すべきだった」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト 2024.4/11
岸田文雄首相は10日午前(日本時間同日深夜)、米ワシントンのホワイトハウスで、ジョー・バイデン大統領と首脳会談を行った。会談は 1時間半近く行われ、共同声明には、日米両国の「グローバルなパートナーシップ」という文言が随所に盛り込まれた。覇権主義的な動きを強める中国に対し、日米が緊密に連携する方針で一致したほか、自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しで合意した。
岸田首相がまさかの言い間違い「同盟国たる中国」
「私はきょう、大統領に『今こそ、グローバルなパートナーとして真価を発揮すべきときだ』と申し上げた」
岸田首相は共同記者会見で、日米同盟の果たす役割を、こう語った。ただ、緊張のためか「同盟国たる中国」と言い間違える場面があった。直後に慌てて「同盟国たる米国」と言い直した。
主要メディアは「日米同盟強化」「日米新時代」と報じたが、識者はどう見るのか。
国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一名誉教授は「『グローバルなパートナーシップ』という表現が気にかかる。優先順位を付けることが重要で、台湾の防衛・抑止力強化に力点を置いて、『日本は踏み込んでやる。その代わり、他の地域、例えばウクライナの支援・復興問題は欧州諸国の責任範囲だ』などと言えたのかどうか。すべての問題で、日本に『お金を出せ』という話にならないよう、明確にすべきだったのではないか」と指摘する。
会談で、両首脳は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、中台問題の平和的解決を促す方針で一致した。
島田氏は「中国の習近平国家主席は、自らのレガシーとして『台湾併合』という意識を常に持っており、抑止力を高めなければならない。中国を牽制(けんせい)する強いメッセージを出すべきだったのではないか。例えば、日本と米国、台湾の合同軍事演習を視野に入れた話ができたのかどうか。中国は言葉より行動を見ており、日米台の緊密な軍事演習の実施が一番の抑止力となる」と話す。
両首脳は会談で、日米同盟の抑止力、対処力の強化が急務とし、自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しに合意した。
バイデン氏は「指揮・統制を現代化し、切れ目なく効果的に協力するため相互運用性も向上させる」と語った。
この点をどう見るか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は、「日米同盟はこれまで、有事が起きた場合、日本は『盾』として守りに徹し、米軍が『矛』として攻撃を担うことが想定されてきた。だが、現代では双方とも攻守の役割が求められる。今回合意した見直しは、自衛隊と在日米軍の異なる指揮統制系統を『一つの部隊』として一体化することに向けた動きと推測できる。今後は役割の境界線が薄くなり、仮に台湾周辺で米軍と中国軍との間で偶発的な衝突が起きた際には、日本は『わが身に起きた事態』として事態にあたる覚悟が求められるだろう」と話した。
岸田文雄首相は10日午前(日本時間同日深夜)、米ワシントンのホワイトハウスで、ジョー・バイデン大統領と首脳会談を行った。会談は 1時間半近く行われ、共同声明には、日米両国の「グローバルなパートナーシップ」という文言が随所に盛り込まれた。覇権主義的な動きを強める中国に対し、日米が緊密に連携する方針で一致したほか、自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しで合意した。
岸田首相がまさかの言い間違い「同盟国たる中国」
「私はきょう、大統領に『今こそ、グローバルなパートナーとして真価を発揮すべきときだ』と申し上げた」
岸田首相は共同記者会見で、日米同盟の果たす役割を、こう語った。ただ、緊張のためか「同盟国たる中国」と言い間違える場面があった。直後に慌てて「同盟国たる米国」と言い直した。
主要メディアは「日米同盟強化」「日米新時代」と報じたが、識者はどう見るのか。
国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一名誉教授は「『グローバルなパートナーシップ』という表現が気にかかる。優先順位を付けることが重要で、台湾の防衛・抑止力強化に力点を置いて、『日本は踏み込んでやる。その代わり、他の地域、例えばウクライナの支援・復興問題は欧州諸国の責任範囲だ』などと言えたのかどうか。すべての問題で、日本に『お金を出せ』という話にならないよう、明確にすべきだったのではないか」と指摘する。
会談で、両首脳は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、中台問題の平和的解決を促す方針で一致した。
島田氏は「中国の習近平国家主席は、自らのレガシーとして『台湾併合』という意識を常に持っており、抑止力を高めなければならない。中国を牽制(けんせい)する強いメッセージを出すべきだったのではないか。例えば、日本と米国、台湾の合同軍事演習を視野に入れた話ができたのかどうか。中国は言葉より行動を見ており、日米台の緊密な軍事演習の実施が一番の抑止力となる」と話す。
両首脳は会談で、日米同盟の抑止力、対処力の強化が急務とし、自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しに合意した。
バイデン氏は「指揮・統制を現代化し、切れ目なく効果的に協力するため相互運用性も向上させる」と語った。
この点をどう見るか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は、「日米同盟はこれまで、有事が起きた場合、日本は『盾』として守りに徹し、米軍が『矛』として攻撃を担うことが想定されてきた。だが、現代では双方とも攻守の役割が求められる。今回合意した見直しは、自衛隊と在日米軍の異なる指揮統制系統を『一つの部隊』として一体化することに向けた動きと推測できる。今後は役割の境界線が薄くなり、仮に台湾周辺で米軍と中国軍との間で偶発的な衝突が起きた際には、日本は『わが身に起きた事態』として事態にあたる覚悟が求められるだろう」と話した。
「私はきょう、大統領に『今こそ、グローバルなパートナーとして真価を発揮すべきときだ』と申し上げた」
岸田首相は共同記者会見で、日米同盟の果たす役割を、こう語った。ただ、緊張のためか「同盟国たる中国」と言い間違える場面があった。直後に慌てて「同盟国たる米国」と言い直した。
主要メディアは「日米同盟強化」「日米新時代」と報じたが、識者はどう見るのか。
福井県立大学の島田洋一名誉教授は「『グローバルなパートナーシップ』という表現が気にかかる。優先順位を付けることが重要で、台湾の防衛・抑止力強化に力点を置いて、『日本は踏み込んでやる。その代わり、他の地域、例えばウクライナの支援・復興問題は欧州諸国の責任範囲だ』などと言えたのかどうか。すべての問題で、日本に『お金を出せ』という話にならないよう、明確にすべきだったのではないか」と指摘。
島田氏は「中国の習近平国家主席は、自らのレガシーとして『台湾併合』という意識を常に持っており、抑止力を高めなければならない。中国を牽制(けんせい)する強いメッセージを出すべきだった。
例えば、日本と米国、台湾の合同軍事演習を視野に入れた話ができたのかどうか。中国は言葉より行動を見ており、日米台の緊密な軍事演習の実施が一番の抑止力となる」と!
両首脳は、自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しに合意した。
バイデン氏は「指揮・統制を現代化し、切れ目なく効果的に協力するため相互運用性も向上させる」と語った。
この点をどう見るか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は、「日米同盟はこれまで、有事が起きた場合、日本は『盾』として守りに徹し、米軍が『矛』として攻撃を担うことが想定されてきた。だが、現代では双方とも攻守の役割が求められる。
今回合意した見直しは、自衛隊と在日米軍の異なる指揮統制系統を『一つの部隊』として一体化することに向けた動きと推測できる。今後は役割の境界線が薄くなり、仮に台湾周辺で米軍と中国軍との間で偶発的な衝突が起きた際には、日本は『わが身に起きた事態』として事態にあたる覚悟が求められるだろう」と!
ただ、林芳正官房長官は11日の記者会見で、日米首脳会談で合意した自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しを巡り「自衛隊の統合作戦司令部が米軍の指揮・統制下に入ることはない」と述べました。
米軍との共同対処を含めた自衛隊の全ての活動は「わが国の主体的な判断の下、憲法や国内法令に従って行われる」と説明。その上で「自衛隊と米軍は独立した指揮系統で行動している」と強調したのだそうです。
林官房長官「自衛隊統合作戦司令部が米軍の指揮・統制下に入ることはない」 - 産経ニュース
従来の日本は『盾』として守りに徹し、米軍が『矛』として攻撃を担うという概念から脱却したのが肝。
バイデン氏の言う「指揮・統制を現代化」とは具体的にはどういう体制なのか。
世良氏が指摘する、自衛隊と在日米軍の異なる指揮統制系統を『一つの部隊』として一体化するとはどのような体制なのか。
林官房長官の言う、「自衛隊と米軍は独立した指揮系統で行動」では、有事の行動で戦力の迅速で効率の優れた行動が可能なのかが問われます。
有事には、日米の合同作戦本部体制とされるべきですが、それは自衛隊と在日米軍なのか、自衛隊とアメリカインド太平洋軍(USINDOPACOM)なのか。
具体的には、これから詰めるのか。
いずれにしても、従来の「盾と矛」論は消滅し、日本は自国を護るのに米国におんぶにだっこではなく、対等な同盟関係での自立を求められることになったのが、岸田氏訪米のお土産ですね。
ウクライナ支援の予算が議会を通らない現状の米国。大統領選の行方の世論調査では、トランプ氏が優勢とされる事態。
日本の対応体制整備が急務ですね。
# 冒頭の画像は、首脳会談で握手を交わす岸田首相とバイデン大統領
この花の名前は、ドイツスズラン
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遊爺さんの写真素材 - PIXTA
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