悠の食虫植物 ネペンテス普及委員会 (和名 ウツボカヅラを世に広める会)

食虫植物のネペンテスを広めていくためのブログ。

ネペンテス栽培記 73 重要報告 プロトタイプ4 試作品完成

2014年10月02日 00時16分58秒 | 悠のネペンテス栽培記
※本日長文注意


以前から構想していた、

ネペンテスを一般家庭に広めるための、

普及用自作鉢、

プロトタイプ4の試作品ができましたので、

ここにご報告いたします。


試作品としたのは、

構想段階でさらにアイディアが広がったのですが、

現段階では準備不足と判断し、

取りあえず可能な限りイメージを再現したもの、

すなわち試作品となったわけです。


今回はギャグ抜きで頑張りました。


この鉢に、

普及の第一歩が懸かってると真剣に思ってますから、

その覚悟の証として、

最高クラスに大事なネペンテスを投入しました。


しかも、

新たに出来かけの袋がついた状態のを、

敢えて選びました。


何ヶ月も楽しみにしていた袋。


それを犠牲にする覚悟で臨むわけですから、

いかにこのプロトタイプ4に、

ネペンテス栽培記の命運を賭けているか、

おわかりいただけますでしょうか。


これはただの普及目的の鉢ではありません。


ネペンテス界に革命を起こすための、

戦略型決戦鉢なのです。



なにを大げさなって?


毎晩楽しみにしていた晩酌用の酒瓶を新たに開封し、

流しに捨てる覚悟はありますか?


今年はこれが最後と決めて買ったタバコ1カートンを、

水につける覚悟はありますか?


お小遣い残り1万円を、

紙飛行機にしてビルの屋上から飛ばす覚悟はありますか?







私はやったぞ





あんなに!

あんなに楽しみにしていた!

それだけが楽しみだった日もあった!

大事な!

大事な袋を!

潰す覚悟で!

なんとしてもネペンテスを普及するため!

私は!









植付けたんだー!!!









とまぁそんな感じで、

泣きそうになりながら、

順調に育ってたネペンテスを鉢から引き抜きましたよ。



今回の貴重な実験データは、

次回のプロトタイプ5完全版に生かすため、

用意した道具や作業過程は非公開とさせていただきます。


なぜ非公開にするかと言うと、

ここで満足しないよう、

自分を戒めるためです。


自信を持って皆様にお薦めできるようになりましたら、

余さず公開いたしますので、

今は概要だけということをご理解ください。



あ、

もちろん普及が第一目的の鉢ですから、

用土以外は、

一般家庭にあるものだけで作りました。

わざわざ買い揃える必要もないと思います。


100均でも簡単に手に入るものだけで作成しています。




作成作業時間は約40分。

肝心の部分が思ったような仕上がりにならなかったり、

当初予定していた構造に欠陥が見つかったりと、

予想よりかなり難航しましたが、

なんとか出来上がりました。


慣れれば10分くらいで出来ます。





それではご覧ください。






構想期間5日、



半年分の脳内検証データを元に開発された、


ネペンテス栽培の新たな歴史を切り開く、

記念すべき普及予定1号機、








その名も、



N プロトタイプ 







ザ・フォレスト!











え?


ただのプロトタイプ2じゃないかって?
(※画像はプロトタイプ2)









大して変わってねーよって?
(※画像はプロトタイプ2)








よく見るんだ!










全然! 違うぞ!









というわけで、

このザ・フォレストの概要をば。






まず私は、

ネペンテス栽培を続けていくなかで、

以下の仮説を立てました。



1 ネペンテスの袋作成のトリガーは、
根の張り具合である。


2 トリガー充填の条件は、
温度と光と酸性の水分である。


3 トリガー発動後の作成要件は、
温度と酸性の水分である。



この三つを主軸とし、

観察を続けてきました。



根の張り具合と聞きますと、

根が十分に広がった状態と解釈する場合が多いと思いますが、

正確には、

根詰まりした状態。


つまり、

根の量ではなく、

根の密集具合にあると思ったわけです。


実際に、

袋をよくつける種を調べますと、

根が半端ないくらいに密集していることが多いです。


じゃあ比較的、

根の量がそれほどでもないアラタとかはどうなのか。


そう、

それがヒントだったわけですね。


要は種によって、

袋の出来やすさが違うのは、

すなわち、

トリガー発動条件の差

となると結論付けたわけですよ。


ここは私にとって非常に重要なところです。


なぜ重要かというと、

ネペンテスは一般的に、

高湿度のイメージがありませんか?


私が言いたいのは、

湿度は、

ネペンテス本体の育成要件の一つであって、

袋の作成要件では非ずということなのです。


極論を先に申し上げますと、

ネペンテス、

特に交配種は、

湿度がなくとも生育可能ということなのです。


なぜ交配種なのか。


それはやはり、

特性の違う両親を持つことによる、

温度差と日照量の守備範囲の広さが関係しています。


つまり、

温度と光、

この二つを補うものが湿度であって、

温度と光の二つが適正であれば、

湿度が低くても大丈夫ということになります。



これを検証するため、

夏場は十分な日光と温度を与えてみました。



ほとんど枯れたけど






で、

生き残ったものは袋をつけずに成長を続け、

中には徒長を開始するものまでいました。



そこで試しに、

日陰組と直射日光組に分けて観察したところ、

日陰組が圧倒的な着袋率を叩き出したのです。



これはどう考えても、

ネペンテスが、

日光を主軸とした養分生成と、

袋からの養分吸収を天秤にかけ、

それぞれの環境に素早く適応したとしか考えられません。


強光下の乾燥状態では袋の生成が困難だったという見方もあるでしょうが、

私は袋が必要ない状態だったと解釈しています。


なぜなら、

どちらも葉の生成だけは継続的に行われていたからです。


徒長を開始するのは、

決まって直射日光組でした。


つまりこれは、

一枚の葉の作成にかける時間を極限まで減らし、

小さめの葉を次々とつけることで、

水分の蒸発を抑えつつ、

光の恩恵を最大限に吸収しようとした形ではないかと思うのです。



この時、

用土内では何がおこっているかというと、

日光組は成長をすべて地上部に任せ、

根は水分の吸収に集中し、

日陰組は、

足りない栄養分を求めて根を伸ばし始める、

そう私は考えました。


そして根が行き詰まり、

成長維持に必要な温度も下がり、

日光も乏しくなってきたとき、

伝家の宝刀である袋が抜き放たれる、

そう思ったわけです。


ただ、

袋を作るには、

ある程度のエネルギーが残されていなければなりません。


そのエネルギーを維持、

或いは変換する要素として、

酸性というキーワードが出てくると思うんですよ。


なので、

この仮説が少しでも合ってれば、

成長が順調な時に、

いかに根か袋に酸性を吸収させるかがキーになるわけですよね。




そ こ で!


お待たせしました!


ザ・フォレストの出番なわけです。



簡単に、

かつ確実に、

室内で袋をつけさせる便利ツール。







ザ・フォレストの特徴は、

この中央部分にすべて集約されています。





生命球って聞いたことあります?

その球の中で、

酸素や養分のサイクルが出来上がってるってやつですが、

それと同じような原理で考案しました。


生命球って見たこと無いから、

実際どうなのかわかりませんが。



ザ・フォレストは、

中央部分がエンジンと言いますか、

エネルギー変換器の役割を果たしています。


二酸化炭素過多の時は酸素に変え、

湿度不足の時は水分を放出し、

その間も絶え間なく栄養分(酸性)を供給し続けます。


エンジンに必要な燃料は、

水と光だけ。

点火に必要なのは温度だけというエコ仕様。


人間の技術力から見ると、

夢のような装置ですが、

これは太古から、

原生林で普通に行われてきたことなのです。


そんな自然に、

畏敬の念と願いを込めて、

ザ・フォレストと名づけました。





ネペンテスにとって、

生命のゆりかごになり得るかどうか、

今後の観察結果に期待したいところです。





室内専用鉢なので、

窓際に置くことを前提に設計してあります。


上からではなく、

横からの光に対応しているのが、

このザ・フォレストの特徴の一つでもあります。



水は表面が乾きそうになったら、

湿らすだけでいいので、

タイミングで悩むこともありません。


仮説が正しければ、

冬場に、

枯れない程度の最低温度さえ気をつければ、

年中袋をつけ続けるはずです。



そして、

まだはっきりとした実験方法は考えてませんが、

ザ・フォレストにはもう一つ重要な役割があります。


それは、

脇芽発生率の検証

です。


もし、

いま私が密かに考えている仮説が、

ある程度正しければ、

ザ・フォレストで育ったネペンテスは、

脇芽をつけるものとつけないものが、

明確に分かれるはず。


これがフィードバックできれば、

次期制作予定のプロトタイプ5、

コードネーム“スフィア”を完成させることができます。


うまくいけば、

ネペンテス普及委員会の活動が、

磐石なものとなること間違いなし。



だって誰もが安心して栽培でき、

簡単に増殖可能となるんですよ?



逆転の発想で、

今後開発するであろう植物全般用プロトタイプを、

一般家庭に普及させた後に、

ネペンテスを広めるという方法も出てきたわけですから、

これは盛り上がらずにはいられますまい。



ネペンテス栽培用鉢の完成系、

“スフィア”は、

構想通り成功すれば、

適当に霧吹きをかけるだけで、

袋はナスみたいに鈴なりになります。


さらに、

鑑賞しやすく、

霧吹きの水気は飛び散らなく、

転倒防止付かつ万が一の衝撃吸収構造で頂点芽を守り、

そしてなんと、

屋外対応となる予定です。


ネペンテス栽培と言ったら“スフィア”だよねっていうくらい、

一般普及を目指します。


小学生の観察日記はアサガオではなく、

ネペンテスってなくらい、

誰もが簡単に栽培できる鉢です。




そのためにも、

頼むぞ、

ザ・フォレスト。


ネペンテス普及委員会の夢をのせ、

ネペンテスと共に成長し、

大いなる可能性を示してくれ。





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