娘に勧められました。
もともと私の父、つまり娘にとってはおじいちゃんが「はやっているから」という理由で買ってくれた本です。
朝の読書習慣で10分ずつ読んで、半年ほどかけて読了し、
「とっても面白いから読んでほしい!」
「なんというかね、とっても考えさせられる」
感じ入った感想を漏らしておりました。
主人公のコペルくんは、娘と同い年です。
まさに彼女の年代の子どもたちに宛てて、
コペルくんの日常を通して、
「どう生きるか」問いかける
シンプルでどっぷり深いやつでした。
銀座に路面電車が走っていた頃の古い話なのに、
現代の私たちに言葉が刺さりまくります。
人間の根本は変わらないから、だと思います。
ちなみに、帯がダメじゃない?
年間で60冊読むという目標がなかったら、
娘が買ってもらって家になかったら、
この帯では私は決して手に取らなかったでしょう。
だって、「いい本だ」って言われて、生き方を指示されるなんて、嫌じゃない。
説教の塊かよ
って思ったんですけど、もちろん全然、そんな本ではありません。
冒頭で、解説の方が、
そして内容の中で、コペルくんの周りの大人たちが、
子どもに「こうあってほしい」という、親の目線が出てきます。
文中では「立派な人」という表現が使われています。
まさに、そのとおりで、
言語化できない「こうあってほしい」そして「こうありたい」ということが
非常に簡単な言葉で表現されていて、感動しちゃったよねー。
親は子供の成長を願っている。幸せになりますように、って。
でもそれは、どういうことだろう。
私はこの本を読んで初めて深く考えました。
そして答えが見つかった。
私は、
娘に「豊かな人間」になってほしい。
どうせ死ぬのだから、その生涯を「生ききって」ほしい。
喜楽ばっかりじゃない。
苦いも、酸っぱいも、経験して、そして幸せであるということが、どんなに喜ばしいことか、知ってほしい。
考えて、もがいて、苦しんで、それも人生の醍醐味だ。
いろいろやった、楽しかった!って、人生の後半に思えますように。
そして、私もそう生きたい。
娘とこの本の話をして、
「私たちは人生を楽しむんだ!絶対に!」
と確かめ合って、抱き合って、少し泣いたりして、「おー!」となった。
良い話でしょう。
本の力、言葉の力はすごいねぇ。