爽やかな初夏の風が窓から入ってくる。その風に乗って、「よさこい踊り」とかの音楽が聞こえてくる。肉体の記憶には、中学生の頃の踊った盆踊りやフォークダンスの踊りがある。音楽を聞くと思い出す。匂いの記憶は、伊集院静が短編に書いていた。生々しいエロスの世界の肉体の記憶は映画「愛の嵐」にあった。30代の頃見た映画なので、肉体の記憶という面では理解できた気もする。体が覚えていることはある。交通事故にあったときは、疲れきっていて入院したいと思うほどだった。それが現実となり、皮肉にもベッドの上で休めることになった。そんな話をすると「ずっと働きづめだったんですね」と言ってくれた人がいた。なにかその言葉がうれしかった。まだ週休2日が世間に広まっていない頃、私は土曜日も休みの会社にいた。それでも土日は、着物教室を開いていた。結婚しているときも、ゆっくり家で座っている時はなかった。それが私のとっては当たり前のことで過ぎてきた。それが体に染みついている。だから、今のこの休めるという環境に身体が馴染まない。動けないということに罪の意識さえでる。夏の日の高原の爽やかな風のなかでけだるさのなかでまどろんだ日を思い出した。そんな風に時間にすべてを任せて身体を横たえるのもいいのかもしれない。肉体の記憶とは不思議なものだ。
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