ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

エベレスト 3D

2015年11月10日 | 映画

エベレスト登頂にまつわる実話の映画化。1996年5月ににエベレスト公募登山隊のいくつかがベースキャンプから次第に高度を上げてキャンプを設営し登頂を目指すのだが、そのうちのニュージーランド人ガイドによる隊とアメリカ人ガイドに率いられた隊の悲劇が描かれている。このNZ隊には日本の難波康子さんも参加していた。

この2隊の他にも同じ日に登頂しようとするツアーグループがあってルートは渋滞するありさま。それがその後の悲劇を生んでしまう。下山が遅れ天候が急変し、登頂に成功した人も下山できなくなってしまい、難波さんも下山中に命を落としてしまう。NZ隊とアメリカ隊ではガイドの方針も違い、より顧客満足度を目指すNZ隊のチーフガイドは顧客に寄り添って命を落としてしまう。そんなツアー会社の内実も描かれている。映像は3Dだが、人間ドラマとしてなら3Dにする必要なんてないような気がするのだが。

山は登るより下る方が難しい。無事に下って初めて「登った」といえるのだと思う。この映画の原作も読んだが、難波康子さんが頂上を極めたあと酸素が切れ動けなくなり瀕死の状態で取り残される場面には胸が詰まる思いだった。しかし極限状態では自分の命を守るのがせいいっぱいで誰も責めわけにはいかない。彼女はいわゆるセブン・サミッターで、エベレストが最後のひとつだった。こうなると山もコレクションのようなものに思えてくる。

エベレスト登頂が国の威信を賭けた登山隊に率いられた大掛かりなものだった時代とは違い、ツアーによる公募隊で登れるようになって飛躍的に挑戦者が増え、今はエベレストに登ることがそれほど偉業とはいえない時代だが、それでも頂上を目指す人は後をたたないようだ。

強いこだわりを発明や発見、進歩に結びつける人もいるが、何が何でもエベレストという命がけのこだわりを持ってしまう人間もいるのだ。100名山にこだわる気もなく、自分の気の向くまま好きな山に登っているだけの私にはわかるようなわからないような・・・。


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