1968年のユーロビジョン・ソングコンテスト参加17曲中第11位になった曲。ルクセンブルグ代表として出場している。このユニットはこの時限りの様でこの曲以外にレコードは出ていないと思う。
クリス・バルドは1943年ルクセンブルグ生まれ。16歳の頃から歌を歌っており、ドイツ語で歌った歌がルクセンブルグのヒットチャートにランクインしたこともあるそうだ。
一方、ソフィー・ガレルは1942年フランス領アルジェリア(当時)のオラン生まれ。基本的にはアナウンサーとしての経歴が長いらしい。この曲も主旋律はクリス・バルドが歌っており、ソフィ・ガレルはサビの部分の低音和声の役回り。この曲以降も歌手活動はなくずっとアナウンサー生活らしい。
さて、この曲の印象だが(当時は全く聴いていない)残念ながらメロディラインも余り印象に残らなかったしポピュラーミュージックとしての曲の力が不足していたようだ。また、せっかく男女のユニットとしたものの明らかにソフィ・ガレルは歌手としては力不足で、アンサンブルとしてどんな形にしたいのかも不明瞭だった。
ちなみに、この年の優勝曲はスペインのマシェルが歌った「La, la, la」、第2位はイギリスのクリフ・リチャードが歌った「Congratulations」、フランス代表はイザベル・オーブレで歌ったのは「La Source」だった。
日本でもかなりヒットしたクリフ・リチャードの曲やイザベル・オーブレの曲と比べると、佳曲ではあっても当時のビートルズ時代では得票が伸びなかったのもやむを得ないかもしれない。
また、例えば、フランスでもシルビィ・バルタンの「 Comme un garçon」、クロード・フランソワの 「Comme d'habitude」、ジュリアン・クレールの「La cavalerie 」などがヒットした年で、いわゆる「5月革命」の年でもあった。