諦めてタクシーに乗る。近鉄タクシーだ!何となく安心。曲がりくねった山道を30分
着いたのは数軒の茶店に囲まれた少し広めの曲がり角。どちらに行けば良いのか分からずウロウロしていると、運転手が「茶店の間に行けば良い」と教えてくれた。
その道は地元の寺院でも見かけ無いような、2〜3メートル位の幅しかない農道の様な道だった。
高校生の頃の具体的な記憶はすっかり薄れている。しかし、この時期に再訪しようと考えたのは、満開の馬酔木を期待したからにほかならない。
そして、期待に違わず、50年の経過で見事な大木に成長、小さな花が房となる独特の花をたわわに付けていた。
花に埋まる山門は、普通の寺院なら裏木戸か通用門であろう。古い絵図でも大きな山門は描かれていない。仁王像が守る寺院を見慣れた眼には何とも寺らしくない寺である。