マチンガのノート

読書、映画の感想など  

近代と個別の人格について。

2023-11-13 00:46:35 | 日記

近代になるまで、自分の個別の部屋を持ちそこで一人で眠ったり、排泄は周囲から区切られた特定の場所でしたり、

食事の際には自分の皿があったりなど、周囲から区切られた自分というものを持つ事を支える(ギブソン流に言うと

アフォードする)様々な生活習慣自体がなかったので、それまでの人は周囲とは異なる自己というものを

持っていなかったのだろう。

社会の中で周囲とは異なる自己というものを持つ人が出てきた頃に、デカルトが「我思う故に我あり」と

言うことを書いたので、周囲に影響を与え、それが普通と見なされるようになったのだろう。

時代物の映画やドラマを観ると、昔の人でもそれぞれ独立した人格を持っているように描かれるので、

昔から人はそれぞれ独自の人格を持って行動していたような先入観をもっているが、

実際は人のあり方は現代とかなり違っていたのだろう。

日本の場合、ヨーロッパのような近代化の過程を経ていないので、周囲と違う個別の人格と

言うものが生じてきたのは、かなり後からなのだろう。

 


精神科医の社会に関する知識の無さについて

2023-11-09 22:51:11 | 日記

子供の頃から世話をされたり、何かを教わったりすることもなく、親から虐待され続け、

高校くらいから自分が孤立していることも自覚しだし、耐え難くて学校を辞めようとしたら、

父親が家まで精神科医を連れてきて、最初は何かの病気ではないかと薬を渡されたが、

効果がないので、その医者は『甘えてるだけ』と言ってきた。

その同僚が次の主治医になり、時間を取ってもらい一年以上色々話したが、

下を向いて居るのみで、こちらのことを知ろうとしたり、解らないので他のところを

紹介することもしなかった。

こちらとしては、生きていけないということを話していたのだが、伝わっていないようで、

こちらが他の地方の大学を受けるとと言っていると、最初の主治医は「あそこは暮らしにくいだろうに」

等と言っていた。

こちらの言っている事が全くどちらの医師にも解っていなかったようだ。

最初の主治医は、「大学の部活がキツかった」などと言っていたので、学校どころではない家庭などは、

想像もできなかったのだろう。

一流大学医学部卒の医師などは、学校どころではない家庭が身近になく、自身も経済的に困窮したり、

親から虐待されたこともないので、自分や周りの医師が育った恵まれた家庭以外のことは、

想像できないのだろう。


眠りの地 監督 マギー・ベッツ 出演 トミー・リー・ジョーンズ ジェイミー・フォックス 感想 ネタバレ

2023-11-05 22:25:22 | 日記

米映画でよくある裁判物で、普通の人が大企業と裁判をするという映画です。

『burial』とは『埋葬』の意味とのことです。

【あらすじ】

’95年、ミシシッピ州で葬儀屋を営むジェレマイア・オキーフ(トミー・リー・ジョーンズ)は、資金繰りが上手く行かず、

大手のローウェン・グループに一部を売却しようとし契約書にサインしますが、相手はいつになっても契約したことを

実行しません。そうしているうちにどんどん経営が苦しくなってくるので、契約の事で裁判を起こすことにします。

彼の長年の友人で弁護士であるマイクに依頼しますが、偶然知ったウィリー・ゲイリー(ジェイミー・フォックス)という、

陪審員の扱いが上手い黒人弁護士にも依頼するのでした。

【感想】

ジェイミー・フォックスが金満弁護士を演じていて、身なりからくる印象とは違い、善良な人物であることが

描かれていますが、米国でリッチになった人はそれを更に大きく見せようという文化なのでしょうか。

トミー・リー・ジョーンズの方は、田舎の普通の人をうまく演じていました。

陪審員制度だと、その地域の人種の構成も考えて、弁護士を選ばなければならないのは何かと面倒そうです。

一般的な裁判での相場的なものよりも、その地域に住む人が決めるということが重視される法的文化もあるのでしょう。

解りやすい法廷劇として良かったです。

昔の黒人奴隷だった人たちが、墓標もなにもないところに沢山埋葬されているというのは意外なところでした。

The Burial - Official Trailer | Prime Video