著 者 胡金定
出 版 社 第三文明社
著者は、1956年中国福建省生まれ、現在甲南大学教授。月刊『第三文明』の連載が単行本になった。
日中両国の友好往来の歴史を、特に近現代を重点に判り易く書く。
冒頭で著者は「自分は、中国で古くから《庚申の日生まれは大泥棒になる》と言われている申年である。我が子の将来を案じた両親は、名前に金を付ければ生涯金が着いて回るだろうと金定とした。同じ庚申の日生まれの日本の漱石も、我が子の厄除けを願う両親によって金之助と名付けられた」と微笑ましい逸話を紹介している。
両国民の相手への嫌悪感が最悪の今、その現状を何とか好転させたいとの強い思いが行間から伝わってくる。しかし半面、人によっては、習近平中国の言い分を正統史として、日本国民に理解させる意図ありとも受け取る向きもあろう。何はともあれ、両国友好ガイダンス本として一級である。
中国四千年の歴史は、王朝の歴史。現王朝(共産国家)は成立して精々67年。まだ若い。若さゆえのトラブルはつきものだ。そうした太っ腹の史観にたって、お付き合いをして行こう。
各章で取り上げている主な友好の人士やマターは次の通り。初めて知ることも数多い。
池田大作、内山完造、高碕達之助、岡崎嘉平太、朱鷺、魯迅、西村真琴、梅屋庄吉、呉清源、高倉健、遠山正瑛、鄭成功、隠元、武林唯七、楊貴妃、徐福、媽祖。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます