u t a u k u j i r a
詠う鯨 - Whale that sings -
次女出産記11
いつしかGCUの主になっていた。
7月も終わりに近づいた頃、先生より説明がある。
「肝臓の腫瘍らしきものは大きくはなっていませんね。α-フェトプロテインの値も正常値に近づいています。」
・・・安心していいのかな? でもなぁ・・・
「そこでですね、やはりお母さんや家族と一緒にいた方が、お子さんにとってもいい環境だと思うのですよ。特にお母さんとのスキンシップは大切ですから。」
・・・それは我々も望むところだ。
「肝臓については定期的に検査することにして、退院としましょう。」
かくして退院することとなる。手放しで喜べないのが辛いのだが。
8月3日、143日間の入院の後、退院する。
くじらGOODS 81
マクドナルドでもらった。
クジラと潜水艦を左の噴水でつなぐ。
上手くすれば、力をかけずに外せる。
が、未開封。
次女出産記10
次女は「チョット小さい赤ちゃん」状態に。体重も2500gを超えている。
4ヶ月で体重3倍以上、このままいったら1歳になったら10kg超える、
・・・ワケはないな。
7月頭、ミルクもほ乳瓶で飲むようになり、奥さんのオッパイを吸う練習も始めていて、呼吸補助用のチューブも外れている。ボチボチ退院かな、と言う雰囲気が漂う中、先生から説明がある。
「体重も十分増えましたね。眼底の血管の発達具合、手首の骨は、まあ、大丈夫かな、と言う具合です。血液中の鉄分はやや低いので、しばらく鉄剤は続けることにしましょう。」
はいはい、もう大丈夫と言うことですよね。
「で、退院しても大丈夫だろうと言うことになりまして、昨日、総合的な検査をしたのですが・・・」
・・・?? なにかあったのかな?
「腹部のエコーをしまして、これは腸や腎臓とかを見る為だったのですが、たまたま肝臓も一緒に写ってまして・・・」
・・・??
「肝臓に腫瘍らしきものが見つかりました」
!!!!!
「まだはっきりとは言えないのですが、肝芽腫の可能性があります」
肝芽腫、子どもの肝臓に発生する悪性腫瘍(要するにガンである)のうち、最も頻度の高いもの。
小児の腫瘍タイプのガンとしては,神経芽腫、ウイルムス腫瘍(腎芽腫)に次いで多いそうだ。
日本における肝芽腫の年間発生数は、およそ30~40人程度。乳児数万人から数10万人に1人の割合だが、超低出生体重児では約40倍、発生しやすく、進行している例が多い。
因果関係は不明だが、新生児期や乳児期に酸素投与すると肝芽腫が発生しやすくなるらしい。
低出生体重児に肝芽腫が発生しやすい理由は、今のところ不明だそうだ。
私も奥さんも言葉を失った。
長い沈黙の後、先生が続けた。
「一応、経過を見たいので、退院はもう少し先にしたいと思います。」
我々はうなずくしかなかった。
「今はそれほど大きくありません。1cm程度です。今後は血液中のα-フェトプロテインという成分の値と、エコーを定期的に行います。」
肝芽腫と確定すれば、化学療法や外科治療を行うことになるだろう。
次女は笑うようになっていた。
スタンプラリー
我が茨城県では、「かがく大好き スタンプラリー」なるものを平成14年からやっている。
で、全県下の小学3年生にスタンプ帳が渡されて、「(なるべく)5以上のスタンプを押すこと」と、ノルマが課せられるのであった。
期間は5月くらいから翌年3月上旬くらいまで。
長女が今年度3年生なので、対象となった。
スタンプは、夏のうちにつくば方面で6~7個押したので、ノルマは達成してるのだが、『もう少し集めたい!』と言っていたので、東海村方面で押してくることにした。
なぜ東海村方面か? それは一覧を見ればわかるとおり、入場無料の施設が3つもあるからであった。
・・・お金払って、ツマラナかったら腹立つもんね。
まずは日本原子力研究開発機構 アトムワールドへ、次に茨城原子力協会 原子力科学館へと行く。
どちらも遊び感覚の実験やスタンプラリーなど、大人、子供とも楽しめる内容であった。
見学者は少なかったけど。
東海村ラストは、日本原子力発電株式会社 東海テラパークへ。
前の2つは、所謂フツーの科学館という感じなのだが、ここはチョット違う。
まず施設へのアプローチなのだが、国道から正門までの道路約150mに渡って、コンクリート製のバリケードがジグザグに設置してある。
車はスラロームをしながら出入りする事になる。おまけにそのスラロームは車1台しか通れない。
更に正門では、ガードマンに止められ、簡単な質問(尋問?)をされる。
テラパーク見学の旨を伝えると、見学者用駐車場に誘導されるが、この駐車場入り口でも係員に質問される。
やはりテロ対策だよね、と、奥さんと話す。間近に原子炉が稼働しているのだ。
見学者は少ないが、前2つと同様、結構楽しめた。
今回はスタンプGETがメインのはずだったが、家族全員、展示や体験モノに夢中になってしまう。
『30分くらいで切り上げようね』と事前に話していたのだが、どこも1時間以上いた。
遅めにお昼を食べ、更にラリー続行。KDDI茨城衛星通信センターへ。
・・・到着したのだが、門が閉まっている。休日は閉園?? そんな馬鹿な。
インターホンがあったのでコールしてみると、見学OKとのこと。電気仕掛けの門が開き、中に入れる。
展示施設へ行く、が、これ・・・?? って感じだ。見学者は他にはいない。
私と奥さんは巨大アンテナを間近で見られて楽しかったのだが、子供達は全然楽しくなかったらしい。
『つまらな~い!!』と長女。
このままでは「つまらない休日」として思い出に残ってしまうので、日立シビックセンター科学館へ行くことにした。
入館が4時過ぎだったので、2時間弱しかなかったが、かなり楽しめた。流石結構な入場料取ることはある。
どの施設も1~2時間程度ではモッタイナイところであった(KDDIはビミョー)。
今度はじっくり見ましょう。
くじらGOODS 79
500mlペットボトル用ケース。
内側はアルミコーティングされていて断熱機能あり。
と言ってもあまり効かない。100均で購入だから仕方ないか・・・
次女出産記9
!! いない
「あ,こちらですよ~」と看護婦さんが声をかけてくれる。
次女はGUC(回復期集中治療室)に移っていた。
と言っても隣の部屋で,入室は今までどおり殺菌&防護は必要なのである。
密閉な箱から,オープンな箱に入っている。チューブとコードは同じように付いているが,抱くことができるようになった。
抱いてみる。小さいな~ ついつい長女と比べてしまう。
周りを見ても,やはり一番小さい。
ミルクは1回30~40ccを4,5回あげているそうだ。いっぱい飲んで早く大きくなってくれ。
「おむつ交換してみますか?」と,看護婦さんから言われる。
はいはい,任せてください!
長女の時と比べると,2まわり位小さいおむつを交換する。
当然手際は良いぞ。
一緒に入っている他の子のお父さんやお母さんは,チョット苦労している。
『何なのだ?? アイツは?』という視線を感じる(W
6月も中旬を過ぎた頃,先生より説明を受ける。
「眼底の血管と手首の骨は,ほぼ順調に発達しています。ただ,血液中の鉄分が低いので,鉄剤を入れています。」
やはり,いろいろあるな・・・
「体重は増えていますが,増え方がイマイチなので,今月末の退院はちょっと厳しいですね。」
はいはい,焦らずいきましょう。
「今月末か来月頭にまた状況を説明しますね。」
よろしくお願いします。
口から胃に入っていたチューブも抜け,呼吸補助用のチューブも様子を見ながら外すようになっていた。もう少しだ,頑張れ!
「乳首(ほ乳瓶に付いているヤツ)吸うの,あまり上手じゃないんですよね~」
看護婦さんが言っていた。う~ん・・・
bB結果
くじらGOODS 78
全面にクジラが泳いでいるTシャツ。またまたUSPP。
これは女性用。
柄のUP
次女出産記8
4月中旬には投薬用のチューブも足(!)から抜け、肺に入っていた呼吸用のチューブも抜けた。
ミルクを入れる為のチューブが口から、呼吸用補助用のチューブが鼻の穴に張り付き、心拍モニターの電極が背中に貼られ、体温モニター用のセンサーが足の裏に巻かれているだけになった。
・・・こう書くともの凄い重装備に思えるが、初めから比べるとかなり身軽になっているのであった。
平日は長女の幼稚園があったので、奥さんはなかなか面会できなかった。
流石に大学病院だけあり、面会時間は厳守。平日は3時から7時まで、土日は1時から7時までだった。
幼稚園が終わるのが2時過ぎ。幼稚園児に病室の前で一人で待っていろ、と言う訳にはいかない。
母乳を運んで面会無し、ということが多かった。
そのため、毎土日は病院へ通うこととなった。私もこの時にしか会えない。
面会は
私と奥さんが1~2時間で交代するというパターンだった。
長女は退屈だったろう。待っている間は、なるべく遊んであげるようにした。
・・・おかげで病院の内外を隅々まで探検できた。
次女は順調! とまではいかないが、育っていった。体重はソコソコに増えていった。
「退院の目安は、出産予定日から1ヶ月位ですかね」
先生より説明を受ける。
「基本的には体重が2500g以上が目安です。あと、眼底の血管の発達具合と、手首の骨の発達具合もみます。」
6月末か7月頭か・・・ まあ、あわてて退院してもしょーがない。じっくりといこう。
くじらGOODS 77
長女のランドセルにつけてある。
反射材となっているので、暗い道でもライトで光る。
ダイソーで購入、クジラとリンゴのセットだった。
リンゴは次女のカバンにつけてある。
次女出産記7
次女が産まれたとき、長女は幼稚園の年中さんだった。
3月13日は「もうすぐ春休み」だったので、そこで年中終了とした。
わずか5歳だったが、母親がいなくても聞き分けがよく、妹の誕生を本当に喜んでくれた。
我々はかなり励まされたと思う。
次女の命名だが、お腹にいるときから長女が『ジャスミンちゃん(仮名)』と言っていた。
女の子なの?
「そう、いもうと」
ジャスミンちゃん?
「そうだよ、ジャスミンちゃんだよ。おねーちゃんだよ。はやくあそびたいね。」(奥さんのお腹をなでる)
名前はこれにすることとした。
当然のことながら、長女は漢字は解らないので、字画を合わせて命名。
次女の名付け親は長女なのだ。
3月末、奥さんが退院することとなった。
母乳は思ったより出るようだ。
これからは、母乳パックに入れて冷凍し、病院に届ける事になる。
次女はよく泣く、と、看護婦さんが言っていた。
声は出せないが、いっぱい泣いて、体力をつけてくれと思う。
「なんでこんなに暖かいの!? 桜咲いているし。病院入ったときは寒かったよね!?」と、奥さん。
季節は春になっていた。
桜と長女
バレンタインデー
どーもありがとね オトーさんはとてもウレシイ
早速開ける
奥さんからはゴディバの詰め合わせ。
『1個すっごく高いんだぞ! 全部で1万円もするんだぞ!!』
と、長女に説明する(をい)
大人の味だからヤメロと言ったのに、次女が1つ食べる。
・・・途中で吐き出しやがった
長女からはドライストロベリー入りホワイトチョコ
『六花亭のと同じだね。おいしいよね』
長女と食べる、が、奥さんは「いらない」
次女からはm&m’sのマーブルチョコ
中は白・ピンク・赤のマーブルで、とてもカワイイ。
長女、次女ともハグハグ食べる。
くじらGOODS 76
水遊び用おもちゃ
水に浮かべて遊べる。
黄色い子クジラを押すと、ピンクのクジラが潮をふく。
次女出産記6
栄養は点滴から母乳になった。
次女は、当然のことながら自力では飲めない。そのため口から胃にチューブを入れられていた。
自力呼吸も厳しいため、鼻からは肺にチューブが入っている。
泣いても声が出ないのだ。これはかなり痛々しい。
母乳は最初は5cc、しばらくして10ccという感じで徐々に増やしていく。
「初乳だけは絶対にあげたい」と奥さんは頑張って搾っていた。
次女が退院するまで、ほぼ母乳で育てることができた。
奥さんの方も、1週間くらいで落ち着いてきた。しかし、目はやはり網膜剥離一歩手前、血圧はしばらく薬が必要とのことだった。
「3月頭から、ほとんど見えなかったんだよね・・・」
失明しなくて本当に良かった。
「これ、渡されたけど、どうする?」
出生証明書だ。
そうか! 名前つけなければ! 全然考えていなかったぞ・・・
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