CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-145「ガッデム阿修羅」(台湾)

2023年06月17日 11時05分24秒 | 台湾映画
彼の眼の奥には絶望しかなかった
 18歳の青年ジャン・ウェンが、夜市で銃乱射事件を起こした。その動機について周囲の誰も見当がつかない中、親友アーシンは彼に殺意がなかったことを証明しようとする。
 事件の犠牲者シャオセンはあるゲームの人気プレーヤーとして活躍していたが、実生活では平凡な公務員だった。その婚約者ビータは仕事に追われ、2人の間にはすれ違いが生じていた。不良少女リンリンはゲームのためにシャオセンを誘惑して協力を得ていた。
 事件現場に偶然居合わせた記者メイ・ジュンズは、真相を突き止めるべく調査を開始するが。(「作品資料」より)


 冒頭、夜市で銃の乱射事件が起き、一人が持つスマホで、その様子が映し出される。

 そんな銃乱射事件を巡って6人の男女の運命が描かれるサスペンス。

 銃乱射事件を起こす18歳のジャン・ウェンの抑圧された様子を映し出しており、銃乱射事件を起こすまでの様子を描いていく。

 親友で、共にネットに漫画を発表しているアーシンは、ジャン・ウェンには殺意がなかったことを証明しようとして、最後には暴走する。

 そこには、親友以上の感情があったよう。

 唯一犠牲になってしまうゲームの人気プレイヤーのシャオセンとその婚約者でゲームの広告を担当する会社で働くビータ。

 ビータは仕事が忙しく、なかなかシャオセンと話すことが出来ないどころか、彼からの連絡を疎ましく思ってしまう。

 シャオセンを騙してゲームの協力を得ているリンリンは、アル中の母親に愛情を持ちながらも苛立ちを感じてしまう。

 そして、現場でジャン・ウェンを捕らえたバイ菌と呼ばれる記者が絡んでくるが、それぞれが抑圧された感情を抱いており、いつそれが爆発してもおかしくない状況で、心苦しくなる感じである。

 物語は、銃乱射事件の結末に終わらず、もし彼らが違う選択をしていたらという話を終盤に持ってくる。

 タイミング、選択によって先の話が変わるというのは度々見かけるが、本作では別の悲劇を生んでしまうという展開。

 それぞれの苦悩と怒りが表されていく中、物語の行き着く先が気になるサスペンスであった。

 雰囲気的には先に鑑賞した、同じ台湾映画の「青春弑恋」に近いものがあったな。

/5

監督:ロウ・イーアン
出演:ホァン・シェンチョウ、モー・ズーイー、ホァン・ペイジァ、パン・ガンダー、ワン・ユーシュエン、ライ・ハオジャ
於:シネマート新宿

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