CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

22-194「天使の涙」(香港)

2022年08月31日 00時10分34秒 | 香港映画
誰しもパートナーが必要
 孤独な殺し屋の男と、そのエージェントを務める女。仕事に私情を持ち込まないことが彼らの流儀だったが、2人の関係は揺らぎつつあった。
 一方、口がきけない青年モウは、夜ごと他人の店に入り込んで勝手に営業している。
 ある日、モウは失恋したばかりの女に出会い、恋心を抱く。(「作品資料」より)


 1995年製作、日本では1996年に公開された作品。

 今回、ウォン・カーウァイ監督作品5作が、4Kレストア版として公開されることとなり、その一本の本作を鑑賞。

 初公開時にも劇場で鑑賞したが、26年ぶりに鑑賞。

 殺し屋とそのエージェントの女性の関係をメインにして、殺し屋が出逢った金髪の女性、そして口の利けない青年、モウと失恋したばかりの女性、この5人の恋愛模様を描いた群像劇的な話。

 恋愛ストーリーではあるが、そんなに甘い雰囲気の話ではなく、どことなく硬質、そして退廃的に描かれる。

 特徴的なのは、やはりクリストファー・ドイルが務める撮影だろうな。

 少しスロー、そしてダブらせたように見せる映像。

 言葉では表現しにくいが、若干観辛いと感じさせる部分もあるが、それ以上に惹き込まれる映像である。

 メインの人物はスローな動きで、バックは速い速度で動いているというシーンも興味深い。

 本作は「恋する惑星」の後に製作された作品だと思うが、「恋する惑星」に被るような設定も幾つかあったな。

 モウが口を利けなくなった理由である、期限切れのパイン缶。

 そのモウが時折開いている店や、殺し屋とエージェントが使用しているロッカーなどは「恋する惑星」でも使われていた場所のよう。

 ストーリーとしては、微妙に絡み合う5人の恋の行方が描かれることとなるが、必ずしもハッピー・エンドへとは向かっていかない様相である。

 夜な夜な他人の店を勝手に使用しているモウと、やたらとモウに引っかかる男のエピソードは笑えるものがある。

 スタイリッシュな映像で綴られた青春恋愛群像劇。

 音楽もちょっとハードボイルドな雰囲気を漂わせ、久しぶりに観たが、惹き込まれる一本である。

/5

監督:ウォン・カーウァイ
出演:レオン・ライ、ミシェル・リー、金城武、チャーリー・ヤン、カレン・モク
於:グランドシネマサンシャイン池袋

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