24-355「対外秘」（韓国）

これを見たが最後、後戻り出来ませんよ

　1992年、釜山。政治家のヘウンは党の公認候補を約束され、国会議員選挙への出馬を決意する。しかし国政を裏で支配する権力者スンテが、自分の言いなりになる男に公認候補を変えてしまう。

　激怒したヘウンは、スンテが富と権力を意のままにするために作成した極秘文書を手に入れて彼に復讐しようとする一方で、ギャングのピルドから選挙資金を得て無所属で出馬する。

　地元の人々から絶大な人気を集めたヘウンは圧倒的有利に見えたが、スンテが逆襲に打って出て、事態は果てしない権力闘争へと発展していく。（「作品資料」より）

 

　釜山で党の公認を得て国会議員選挙に出馬しようとしていたヘウン。

　しかし直前、政治の裏で力を持つスンテによって公認を外されてしまう。

　怒りの収まらないヘウンは、党から極秘文書を盗み出し、ヤクザのピルドと手を組み、無所属で出馬する。

　権力者に対して、極秘文書を使って一発逆転を成し遂げる爽快な話かと思っていたが、そうではなかったな。

　選挙の結果は早々に出るが、そこからヘウンとスンテの応酬が続いていく。

　形勢は二転三転し、果たして物語はどのように決着するのか読めない展開で惹き込まれる。

　誰が味方なのか、あるいは誰が裏切るのか。

　ラストはやはりヘウンが負けてしまうのかという展開であったが、思いもよらぬ結末となっていく。

　地元民のことを考え、清廉潔白であったヘウン。

　スンテに対する復讐のための行動、あるいは闇を白日の下に晒すという目的だったのだろうが、やはり権力を得たかったのか。

　勧善懲悪でもなく、溜飲下げる話でもなかったが、久しぶりに唸る結末だったな。

　サスペンス要素も大きい面白い１本だった。

/５

監督：イ・ウォンテ

出演：チョ・ジヌン、イ・ソンミン、キム・ムヨル、ウォン・ヒョンジュン、キム・ミンジェ、パク・セジン、キム・ユンソン、ソン・ヨウン

於：シネマート新宿