CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

20-091「影裏」(日本)

2020年03月11日 00時47分53秒 | 日本映画
一瞬光が当たった所しか見ていない
 岩手県の盛岡に転勤してきた30歳の独身男・今野秋一。慣れない土地で心細さを感じていた彼は、同い年の同僚・日浅典博と言葉を交わすようになる。
 やがて一緒に渓流釣りに行くなど交流を重ね、いつしかすっかり心を許すまでの存在に。ところが日浅は何も言わぬままいきなり会社を辞め、姿を消してしまう。
 日浅と音信不通となり、大きな喪失感を抱えて日々を過ごす今野だったが。(「allcinema」より)


 盛岡へ転勤となった今野秋一。
 30歳、独身で、人との交流も少なかったが、同じ年齢で、同僚の日浅典博とは何故か気が合い、交流を重ねることになる。

 部屋で一緒に酒を飲んだり、渓流釣りに出かけたりして、友人としての日々を過ごしていく。

 物語は、冒頭、社員かパートらしき女性、西山が秋一に、課長が行方不明となっており、既に死んでいるかもしれないと告げるシーンから始まる。

 その後、その課長は、日浅のことだと判るのだが。

 秋一は、日浅に対し、自分にはないものを見ているのか、憧れのようなものがあるのかなという印象。

 交流を深めていた中で、日浅は急に会社を辞めてしまう。
 
 突然いなくなった日浅に、秋一は半ば怒りを感じたように見え、交流は途切れたかと思われたが、日浅が再び姿を現し、交流が再開する。

 時代設定は2009年から1年半程が描かれ、その間に東日本大震災が起こり、その後も描かれる。

 震災の被害に遭ってしまったのか、日浅は再び姿を消し、冒頭へと繋がっていく。

 そして、秋一が日浅の家族に会うことによって、日浅に関して隠されていた事実が明るみとなっていく展開。

 人の光と影を描き出したヒューマン・ミステリーというところか。

 何か事件が起きる、起こすというような話ではなかったので、ややまどろっこしい感を受ける印象だったな。

 秋一が日浅に抱いていた気持ちというものが、考えていたものと違ったことには、驚きと納得が交錯する感じ。

 秋一が本社にいた頃に懇意にしていた副島という人物も意外な人物だったかな。

 相手によってあたりが変わる人間。
 自分に見せていた姿が、本当の姿かどうか判別しないということは、意外とあることかもしれないな。

 日浅が秋一に近づいたのは、違う自分を見せる相手を見つけたからかもしれない。

 違う意味で、緊迫感のある話で、どこへ行き着くのか気になる展開だったな。

/5

監督:大友啓史
出演:綾野剛、筒井真理子、中村倫也、平埜生成、國村隼、永島暎子、安田顕、松田龍平
於:シネ・リーブル池袋

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