CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-351「PERFECT DAYS」(日本)

2024年01月03日 23時20分25秒 | 日本映画

何にも変わらないなんて、そんなバカなことはないですよ

 東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。

 昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。

 そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。(「作品資料」より)

 

 渋谷の公衆トイレの清掃員である平山の日常を描き出すドラマ。

 「ベルリン・天使の詩」等のヴィム・ヴェンダースが監督を務めたということ、そして平山を演じた役所広司が、カンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞したことで話題の1本。

 アラームではなく近所の箒を掃く音で目覚め、仕事に出かける平山。

 ほぼ毎日ルーティンのような決まった行動をしている。

 時折、思わぬことが起きたりするが、それを楽しむ余裕もあるよう。

 仕事には時計を着けていかず、休日に出かける時には時計をしていく。

 公衆トイレの清掃ということで、もっと汚いシーンがあるかなと思っていたが、そんなシーンもなく、しかも清掃するトイレが結構綺麗でちょっと近代的なものが多い。

 知らなかったが、渋谷の公衆トイレを世界的な建築家やクリエイターが改修するというプロジェクトがあるらしく、そんなトイレを清掃する様を映し出している。

 淡々と進む、と言うか、繰り返される日常を描きながら、ちょっとした出来事も起きる。

 平山はかなり寡黙で、発する言葉も少ないのだが、表情で多くを語っている。

 あまりいいイメージのないトイレ清掃員を描きながら、日々を慈しむ平山の姿を描き、大きな事件などもないが、惹き込まれる話であった。

/5

監督:ヴィム・ヴェンダース

出演:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和

於:グランドシネマサンシャイン池袋


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