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きっと呪われたマットレスだ
あるカップルが暮らす部屋に置かれたマットレスにカビが生え、その部屋からラブホテル、病院など各地を転々とさまよっていく。
カビは旅の途中で出会った人々から、心臓に近い5番目の胸椎を奪って土台にし、人々が抱く愛や悲しみなどさまざまな感情を養分にしながら、マットレスの中で徐々に生命体へと成長していく。(「作品資料」より)
マットレスから生えたカビが人を襲っていくホラー。
とは言え、観ている者を怖がらせるような話ではなく、少し幻想的とも言える映像で綴られるファンタジック・ホラーという感じ。
あるカップルが引っ越した部屋に置いたマットレスにカビが生える。
そしてそれは人を襲う。
最初は背中から人の体に入り込む寄生虫のようなものかと思ったら、その後もマットレスの中に潜んでいるよう。
やがてマットレスが捨てられると、次から次へと人の手に渡っていき使用されるが、それを使用した人たちが襲われる。
人を殺すというわけでなく、作中ではよく判らなかったが、5番目の胸椎を奪っているよう。
あるところまで行くと、そのカビは思わぬものへと変化していく。
そしてマットレスを使用した人々のちょっとした感情も取り入れているようである。
使用者は次々と変わっていき、時は流れていく展開。
果たして、成長したカビの行き着く先はどこなのか。
マットレスの上にいる人がいつ襲われるのかという緊張感はあったが、基本的には怖い作品ではない。
カビが思いもよらないものに成長していく驚きはあったが。
〝マットレスに咲いたカビのロードムービー〟という謳い文句。
幻想的で特徴ある映像が興味深く、話の展開も興味深いファンタジック・ホラーであった。
/5
監督:パク・セヨン
出演:パク・ジヒョン、ムン・ヘイン、ハム・ソギョン
於:新宿バルト9
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