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外は消えた
さまざまな人種の住民たちが暮らすフランスの集合住宅。
ある朝、アシタンが目を覚ますと、窓の外が闇で覆われていた。その闇に物を投げ入れると物体は消滅し、体が触れるとその部分が鋭利な刃物で切られたように消えてしまう。テレビやラジオの電波は途絶え、携帯電話も圏外となっているが、なぜか電気と水道は使用できる。外の世界から遮断され建物の中に閉じ込められてしまった住民たちは、知り合いや人種ごとの小さなグループを形成していく。
極限の状況に置かれた人々が徐々に正気を失い争いが起こり始めるなか、彼らは生き残るためにある選択をする。(「作品資料」より)
突然周囲が謎の闇に包まれ、集合住宅に取り残された人々の姿を描いたSFシチュエーション・スリラー。
その闇がいったい何なのか一切説明はされない。
しかし、その闇に飲み込まれると物は消え去り、人間の体は切断されてしまう。
外に出られなくなった人々は、やがてグループを形成する。
白人、アラブ系、アフリカ系など6グループに別れる。
協定は結ぶが、諍いが絶えなく死者も出てしまう。
闇に包まれてから、あっという間に時が経過する。
何故か水は出るが、問題は食糧。
どうやら飼い犬、飼い猫を繁殖させて食べているようである。
こんな究極の状況の下、やたらと妊婦が多いなと思っていたが、終盤ハッキリとした描写はなかったが、匂わす台詞があったな。
様々な人種が住んでいる集合住宅ということで、どうしてもまとまることは出来ないんだな。
アシタンは、弟のドゥマと2人きりであったが、ドゥマの運命が早々に決まってしまうのは、少々意外だったな。
結局、闇に包まれてから10年近くが描かれている。
究極の状況に置かれた人々が生き残るために狂気に走る姿が描かれ、興味深いスリラーであった。
/5
監督:ギョーム・ニクルー
出演:アンジェレ・マック、ハティック、アーメド・アブデル・ラウィ
於:シネマート新宿
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