CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

20-096「ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏」(アメリカ)

2020年03月19日 00時09分53秒 | アメリカ映画
喪失感がある、心が求めている
 アメリカ、サンフランシスコ。親元を離れ、兄を頼ってやってきた若い娘サヴァンナ。ちょうどその頃、兄のパートナーのローラは、架空の少年作家J・T・リロイとして自伝的小説を発表し、それが評判となっていた。
 自分の存在をひた隠すローラは、サヴァンナを男装させ、J・T・リロイとして売り込むことを思いつく。
 軽いバイト感覚で引き受けたサヴァンナだったが、たちまちミステリアスな美少年作家として注目を集め、ついには映画化の話まで舞い込んでくるのだったが。(「allcinema」より)


 未見ではあるが、「サラ、いつわりの祈り」の原作者である、J・T・リロイという作家の秘密を描いた伝記ドラマ。

 1990年代に天才美少年作家としてセレブにも人気のあったJ・T・リロイが、後にローラ・アルバートが作り出した虚像であったことが発覚し、大騒ぎになったいうことがあったらしい。

 ローラは、パートナーであるジェフの妹、サヴァンナと出会い、ボーイッシュな彼女がJ・T・リロイのイメージにぴったりだと考える。

 これまで電話でしか取材などに応じなかったローラは、サヴァンナにT・J・リロイとして、取材を受けたりするように依頼する。

 何となく引き受けてしまったサヴァンナは、何度かJ・T・リロイとして取材を受けるうち、その架空の人物になることに快感を覚え始める。

 そもそも、少年の実体験を記した衝撃作を、実は女性が書いていたということが、ビジュアルだけのJ・T・リロイを生み出したよう。
 そして、ボーイッシュといえども、女性のサヴァンナに少年作家を演じさせる。

 すぐにばれそうな気もするのだが、記者や信奉するセレブたちは信じている様子。

 しかし、いつばれてしまうのかという危うさがあり、緊張してしまう。

 更に、ローラ、サヴァンナそれぞれの苦悩と葛藤、更に喜びが描かれていく展開。

 サヴァンナは彼氏っぽい男性がいながら、原作を映画化することに尽力し、監督も務めるという女優、エヴァに恋をする。

 J・T・リロイを演じることで、どこか喜びを感じ、やがて傷ついていくサヴァンナの姿を映し出し、どこか惹き込まれる部分もあったな。

 男は蚊帳の外の話だったな。

 ラストは顛末の結果をハッキリさせないような感じで終わったので、ちょっと物足りなさも感じたが、爽やかな感じもして、良かったのかな。

/5

監督:ジャスティン・ケリー
出演:クリステン・スチュワート、ローラ・ダーン、ジム・スタージェス、ダイアン・クルーガー
   コートニー・ラヴ、ケルヴィン・ハリソン・Jr、ジェームズ・ジャガー
於:新宿シネマカリテ

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