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テレビっ子のひとり突っ込み

『薔薇とチューリップ』感想・あらすじ(ネタバレ注意)

2021-08-24 23:56:48 | 日本の映画
       
2019年 日本の映画

◆おススメ度
★☆☆☆☆


◆キャスト
・デウォン/ネロ:ジュノ(2PM)
・かおり:谷村美月
・ミョンア:玄理
・悦子:ふせえり
・ジンイル:チャンソン(2PM)


◆感想・あらすじ(ネタバレ注意)

"2PM・ジュノが天才画家とピュアな留学生の一人二役に挑んだ胸キュン・ラブコメディ"っていうキャッチコピーなんだけど・・・・ナニコレ?

全然ラブコメじゃねぇ!!!!!

びっくりです。
あまりに衝撃的だったので、珍しく、昨日見た映画の旬な感想です。
(もう、過去に見終わった韓国ドラマ、中国ドラマが溜まりすぎて、全部処理しきれるのかって感じ・・・)

うーん、内容としては、けっこう単調系な映画にはありがちな、モラトリアム期における青年の成長を描いた作品、みたいな?

この映画向けのコピーと予告動画作った人すごいわ。ダマされて見ちゃったよ。

あらすじとしては、
          
現代アートのカリスマと言われる韓国人画家、ネロ・パーク(JY・Park的な?)が、イベントのために日本に来日する。ネロは世界的に人気があるため、
コピー(偽物)画も多く出回っていて、ファンがそれを見つけてはSNSに投稿するっていうのも流行っている様子。そこで、ネロはふと、ある地方の温泉
旅館にあった絵をネロのコピーだとする投稿に目を止める。

時を同じくして、日本に留学中の大学生デウォン。友人ジンイル(チャンソン。ここでしか登場しない。)とどっかの食堂でランチタイム。テレビで
ネロ来日のニュースを見てジンイルが、「あいつ、お前に似てないか?」というが、興味のないデウォンは「現代アート?現代(ヒュンダイ(ヒョンデ))
の車に絵でも描いてるの?」と聞き返す。デウォンがテレビに目を向けると、ちょうど痛車にスポットを当てたニュースに切り替わっていて、勘違い
しちゃうデウォン。(「あれは"痛車(イタシャ)"だ」と説明するジンイル。韓国でも痛車はイタシャらしい。)
そしてデウォンは、アキバで握手会に行くというジンイルと別れて大好きな温泉旅館へ。
       
実家の旅館で母親の葬儀を行うかおり。かおりは、花が好きで数年前に家を出て東京で花屋のアルバイトをしている。いつか自分のお店を持つのが夢
らしい。
母親が一人で切り盛りしていた旅館をどうするか問われ、戻ってきて続けるのは無理だと告げると、とりあえず、今の予約がある分だけでも営業しないと
と中居頭の悦子に諭され、若女将的な仕事を始める。

悦子に言われ、お風呂掃除をしていたかおりは、休館日のはずなのに温泉に入っているデウォンと出会う。
男湯にいる女性にびっくりし、慌てて湯から上がったデウォンは、落ちていた石鹸を踏んで滑って転び、気を失ってしまう。

自分がそのままにしていた石鹸で足を滑らせてしまったデウォンに謝り、好きなだけここにいていいよと話すかおり。
喜ぶデウォンはまたお風呂へ。

そこに、SNS投稿にあった絵画を求めてやってきたネロ。
お風呂でデウォンに会ったネロは、デウォンに100万円で入れ替わりを提案し、ネロの服を着て歩いていたデウォンは、たまたまいいタイミングでネロ
を探しにやってきたマネージャのミョンアに連れ去られてしまい・・・・。

残ったネロをデウォンと信じて接するかおり。ネロは、目的の絵を見つけるとかおりに商談を持ち掛ける。
札束をぽんぽんと出すネロに、これで借金が返せると喜ぶ悦子だが、ネロにはある目的があり・・・。


◇◆◇

掃除中のかおりとデウォンがお風呂で出会ったり、その後裸でデウォンが気を失ったり、かと思ったらネロと入れ替わった瞬間デウォンにとっては
見知らぬ人に連れ去られてしまう・・・・っていうここまではほんとコメディって感じで面白く、期待値大だったんですが、待てど暮らせどかおり
とのラブに発展する場面がやってこない・・・。

最初の内はデウォンとのラブコメ展開かなと思ってたのに、あっさり連れ去られて離れて行ってしまうし、かおりは入れ替わったことにすら気づか
ないし、だったらネロ路線かと期待して、ようやく信頼関係を築き始めたかなって時に、ネロが改心してマネージャのミョンアに電話したかと思ったら
ミョンアに対する「サランヘ」の言葉で絶望に・・・。

そしてその後特にかおりとの接点もなく終盤へ。
けれど、ようやく最後の最後にデウォンがかおりの旅館で働かせてほしい!って言ってきて、即採用されたはいいが、そのままオワリって言うね。
        

東村アキコが、2PMジュノのために描いたマンガをそのまま脚本に起こして映画化したみたいなんだけど・・・うーん、海月姫とかタラレバ娘とかで
実績積んだからけっこうすんなりジュノ映像化の希望が通ったみたいな?ほんとに東村アキコの趣味の映画なのかも。
(でも、ジュノのために書き下ろし、って言ってるから、先に企画ありきで書いたものなのかな?テルマエロマエ要素も入れてみてー、みたいな。)


この映画公開の年に同じく東村アキコ原作の「偽装不倫」のドラマやってたけど、そっちは主人公の相手役は原作の韓国人設定からフツウに日本人
(宮沢氷魚)になってたけど、映画製作途中で、あ、これ駄作だわ、って誰かが気づいたんだろうか(笑)それとも国家間の情勢的な問題かなー。

この映画、「日本人が作った反日映画だ!」ってネット上で煽ってる人いるけど、主人公はちゃんと日本語を話せるし、日本の温泉が好き!っていう
設定だし、日本の画家の才能を見抜いて盗作してしまう、っていうストーリーなので、ほんと、東村アキコがただただ2PMのジュノが大好き!ってだけ
で、特に反日的な不快感とかは感じない作品ではあります。


薔薇     → 天才(飾り立てた完璧な美しさ)
チューリップ → 凡人(素朴なありのままの美しさ)

って感じで対比構造になってるっぽいんだけど、全然その例えが上手くない・・・・。
そしてラストの方で、ミョンアがチューリップの花束を持って、「満開のチューリップってこんなにきれいだったのね」的なセリフがあるんだけど、
そのチューリップがあまりきれいに見えない・・・。

あ、あと、ネロが温泉旅館に土足で入ってくるシーン。誰か気づいて、コメディ要素入れて注意するんだろうと思いきや、スルー。土足ってとこだけ
原作に忠実で、注意するシーンはカットって、なんか、ただただもやっとする。


原作の東村アキコはCookie(その前身の「ぶ~け」からだけど)を購読してたので、「きせかえユカちゃん」の頃から作品読んでますが、個性的で
多才な漫画家さんです。わりと私生活というか、普段のオフの遊びの部分もおまけマンガにしたりするので、親しみ出ちゃう。(それが行き過ぎて
「ママはテンパリスト」って、おまけマンガのスピンオフ的な本編マンガになっちゃったりしてますが。)

以前、新井祥っていう漫画家さんの「性別がない!」ってマンガ読んでたら、そのマンガの中で彼(彼女?)がIKKANていう演出家と結婚してたけど
円満離婚したっていう話が載ってて、IKKANて誰よ?って思ってたら「ママはテンパリスト」に東村アキコの別居婚相手として登場して、めっちゃ
驚いたっていうことがありました。

結局東村アキコもIKKANとは離婚して、「海月姫」でデザイン系のお話描いてたかと思ったらデザイナーと再婚してまた別れたりしてるし、けど、
そういう生活のすべてが作品や才能として昇華されて行っているようですごいなと思います。
ちなみに、弟は「となりの関くん」の作者らしいです。




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