会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

NOVA:債務超過隠し 受講料返還の引当金計上せず

NOVA:債務超過隠し 受講料返還の引当金計上せず - 毎日jp(毎日新聞)

NOVAが、07年4~6月期連結決算で、大幅な受講者の解約が見込まれたのに、受講料金の返還に必要な引当金を計上していなかったという記事。適切に引き当てしていれば債務超過になっていたようです。

「同社は、将来予想される解約に備え、「解約払戻引当金」として07年3月末に18億円を計上。しかし、経産省の業務停止命令を受けて解約の急増が見込まれていたのに、6月末には16億円に減少した。引当金を適正に損失計上した場合、赤字が拡大して純資産がマイナスに転じ、債務超過に陥る可能性があった。

 NOVAは当初、8月10日に決算を公表する予定だったが、「引当額の検討に時間がかかっている」と25日に延期した。しかし、「さらなる引当金の計上は現時点で必要ない」と判断。適切な積み増しを行わないまま決算発表を行った。」

記事でいっている引当金は、有報では「売上返戻引当金」といっており、2006年3月期に会計方針を変更して新たに計上したものです。変更理由として、「返金額の金額的重要性が増加してきたことおよび返金率算定のためのデータ管理体制が整い、返金見込額を合理的に見積もることが可能になった」ことをあげていますが、記事によれば、(少なくとも第一四半期決算では)恣意的に計上されていたようです。

ただ、これは引当金の問題というより、受講料の45%を即時に収益計上するという収益認識基準自体の問題かもしれません。受け取った授業料全額を負債計上して、授業サービスの提供に応じて収益計上していれば、中途解約の解約金が負債の金額を超えることはほとんどないはずですから、わざわざ引当計上する必要もありません。つまり、サービス提供の実態よりも収益を先行して計上していたといたのではないかということです。

当サイトの関連記事
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事