会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

プロ向け証券市場、「中印会計基準も容認を」・経産省が提言

NIKKEI NET(日経ネット):経済ニュース 〓マクロ経済の動向から金融政策、業界の動きまでカバー

経済産業省が、プロ投資家向け証券市場について、中国やインドなど新興国の会計基準も幅広く認めるよう求めることを柱とする提言を発表したという記事。

産業構造審議会産業金融部会中間報告「産業発展・経済成長に寄与する金融・資本市場等の競争力強化の在り方」の公表について(経産省ホームページより)

参考までに報告書から会計や会計士に関する箇所を一部抜粋します。金融庁の金融審議会で行っている同じような議論に影響を与える可能性もあるでしょう。

「○ 我が国における「プロ向け市場」の創設

我が国証券市場の国際化を進めることは、前述のとおり、我が国産業の国際競争力強化に資することとなるが、このために、海外企業が利用しやすい市場とすることが不可欠である。特に、主要な証券市場が、伸び盛りの新興国企業の誘致に走っており、中途半端な規制緩和では、何の国際競争力は生まれない。一方、一般投資家が参加する証券市場では、一般投資家保護のため、日本語による日本の会計基準による開示が不可欠であり、これを国際化のために規制緩和することは難しい。

したがって、市場の国際化を進めるためには、我が国において、アジアを含む海外企業が魅力を感じる、「プロ向け市場」の創設が必要である。具体的なスペックについては、欧米のプロ向け市場に対する競争力を考えると、少なくとも、下記の条件を満たすことが不可欠である。

i)制度(法律、上場規則等)

・英語など日本語以外の言語による開示の容認
・国際会計基準、米国会計基準や中国、インド等も含む主要国の会計基準による開示の容認(過去3期分で可とする)
・上場審査の簡易化

ii)機能

・審査・手続期間の短縮(事前準備から資金調達まで、長くても3ヶ月程度)
- 審査・手続の標準処理期間の設定や遵守、関係者の英語等による迅速なコミュニケーション、国際会計基準等に精通した公認会計士の増加等が必要
・コスト競争力(例:調達額の3%以下)
・大きい資金調達規模や流動性
・広報(主要国(中国、インド等も含む)に対する最低年に1回のPR)」

「○ 資金調達手続きが容易な「プロ向け市場」の整備

ベンチャー企業の新興市場における資金調達を迅速化、容易化するために、以下の点を踏まえた、英国AIMのようなプロ向け市場の整備が必要である。

・ 審査基準の可能な限りの簡素化(形式基準の撤廃等)
・ 内部統制報告制度や四半期報告等についての例外規定
・ 審査開始から資金調達まで長くても3ヶ月程度の手続期間
・ 日本版Nomad 制度の導入 等」

「○ 弁護士、会計士などの金融関連人材

金融サービスに係る税務・法務・会計等のプロフェッショナルサービスの質及び量の向上について、中期的に検討を進めるべきである。」
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