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社長が暴力団と食事したツケ…「会社は倒産します」突然の失業(西日本新聞より)

社長が暴力団と食事したツケ…「会社は倒産します」突然の失業

社長が暴力団と食事したために倒産に追い込まれた大分の設備工事会社を取り上げた記事。

「福岡県警は、同社を含む8社の代表者らが指定暴力団幹部と「密接交際」していたと公表。これに対し社長は、社員向けの配布文書で「相手が暴力団関係者とは知らなかったが、警察の取り調べに知っていたと答えてしまった」と釈明した。

一部の業者から取引が停止されるようになり、社員に動揺が広がった。テレビ会議から約2週間後の日曜の朝、社員が再び集められた。「会社は倒産します」と幹部。社員らは「社長は何と言っているのか」と詰め寄ったが、幹部は「詳しくは答えられない」と言うだけだった。」

「福岡県警は、暴力団の資金源を絶つため、関係を持つ業者の根絶に力を入れている。県暴力団排除条例が施行された2010年以降、計170社について「密接交際」などがあったと公表し、公共事業から排除するよう自治体に通報した。」

銀行が取引停止したのが大きかったようです。

「民間調査会社によると、県警が4月に排除通報した地場大手の設備工事会社(大分市)は年商約50億円。コロナ禍の影響も受けず業績は良好だったが、排除通報後、メインバンクの地銀が取引を停止し口座を凍結。手形決済ができなくなり、約2週間で破産申請に至った。従業員76人が解雇され、取引先約200社に対する負債は約30億円に上ったという。」

「ある地銀関係者は「暴力団との関係があれば、口座がマネーロンダリング(資金洗浄)などに悪用される恐れがある。暴力団排除(暴排)の意識が高まっている今、口座凍結はスタンダードな対応だ」と説明。調査会社の関係者は「今回は会社の規模が大きく、倒産もあっという間だった。業界に与えた衝撃は大きい」と話す。」

銀行が取引停止すれば倒産せざるを得ません。しかし、もっと別の方法はなかったのでしょうか。

例えば、社長を役員から退任させて、その持ち株も会社に無償で提供させる、過去の取引を網羅的に調べて、反社との関係がないかどうか確かめるなどして、反社との人的・取引的関係を遮断すれば十分なのではないでしょうか。

もちろん両論あり得るのでしょう。記事でも弁護士や学者のコメントを載せています。

「九州弁護士会連合会民事介入暴力対策委員会の元委員長堀内恭彦弁護士は「福岡県では地元の同級生など身近に組員がいることも多く、暴排意識が浸透しきれていない。利益供与がなくても付き合うだけで暴力団の活動を支えることになる」と指摘する。」

「広末登・久留米大非常勤講師(社会病理学)は「暴力団と関係のない人たちまで影響を受けるのは理不尽だ。悪質性の程度によっては指導や警告など段階を踏んで通報に至る方法を取り入れてもいいのではないか。やり直そうという経営者や失業した従業員を支える仕組みも整えるべきだ」と強調した。」
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